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入れ替わりサイト

#7

アニメと現実(3)

 「さてと、どうするか」と令くんは軽いため息を吐き、言った。
「うーん。すぐに戻りたいから……明後日とか?」
「明後日の何時何分?」
「明後日の5時半はどう……?」私は恐る恐る尋ねた。
「大丈夫。じゃあ、その時間。」と令くんは別れの言葉のように言った。
別れる……帰る……どうやって帰る……?
もしかして、アオイが企んでいたのか?
私は混乱した。
目の前が真っ暗になるような、行き場を失ったかのような……そんな感覚で物凄く寂しさを感じた。
やがて、私の手足が震え出した。
妄想してしまう。
すると、目の前が太陽のように明るくなった感じがし、「大丈夫?」という優しい声が聞こえた。
令くんだった。
令くんを見て、私は一瞬、何をしていたっけ?と思ったが、すぐに思い出した。
「どうやって帰ればいいのか分からなくなって。もし、出れなかったら……」と最後は早口で、自信があまりない感じに言った。
「取り敢えず寝とけばどうにかなるよ」と令くんは落ち着きを払って言った。
かっこよかった。
恋愛的にもそうだけれど、こんな事態なのに、焦らず、冷静な令くんの姿がとてもかっこよかった。
「うん」私は軽く頷き、青々とした草原の上で寝転がった。
夏の爽やかな風が吹く。
さーっと草がなびく音がする。
ここで寝るのは気持ちが良い。
私はすぐに寝てしまった。

 目が覚めるとそこは[漢字]自分[/漢字][ふりがな]令くん[/ふりがな]の部屋だった。
──今は何時だ?
スマホを見る。
今の時間は5時だ。
あと30分時間がある。

 令くんも帰ってきたのだろうか。
それを信じてこれから送る。
「お願い……!」
最後にみんなに感謝しないと。
令くんの友達である、[漢字]藤田早紀[/漢字][ふりがな]ふじたさき[/ふりがな]。
実は「入れ替わって令ではない別の人が入っている」と言う事を話していた。
どんな反応をするか分からなかったけれどバレずにドキドキしながら生活するよりもっといい。
藤田さんは嫌な顔せすに「そうなんだ。改めてよろしくね![漢字]露崎令[/漢字][ふりがな]つゆざきりょう[/ふりがな]くん!」と笑顔で言ってくれた。
その話をした後も、関わってくれた。
 他にも沢山の人に感謝したい。
頭の中で色々な人に感謝する。
それと同時にここの世界で起こった出来事が思い出される。
思い出す度に涙が出る。
 約束の時間になった。
「ありがとう」と言い、送信ボタンを押す。
成功したのか分からない。
グループチャットではなく、個人チャットだからだ。
すると、アオイから返信が来た。
「おめでとうございます。成功です。約束通り元の世界に戻しましょう。今夜、寝れば戻っているはずです。」
「分かりました。ありがとうございます!」
成功したんだ。私、成功したんだ。
良かった。良かった。
だけど何故か涙が止まらなかった。

2025/01/25 20:44

貴志柚夏
ID:≫ 14ODATaJ5tCFM
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