【考察大募集、作品コメント欄にどうぞ】図書室は追憶と共に。
私は、気付いたら知らない図書室にいた。
学校の図書室よりも古く、埃っぽい空気に満たされている。
天井にまで続く本棚には所々木の細工がされ、差し込む陽の光を美しく反射していた。
「どこだろ……?」
ふと呟くが返事は帰ってこない。
徐に本棚から一冊の本を手に取った。
日焼けしボロボロになった背表紙とは裏腹に、表紙は埃を被ってはいるものの美しい彩色を保っている。
表紙には
【この図書室に迷い込んだ人へ】
と金字で書いてあった。
「私への、本……?」
気になってページを捲る。
【この図書室では、貴方の前から消えてしまった大切な人に会うことができます】
さらに読み進める。
【どんな形で会えるかは、貴方のその人への思いによって変わります】
そしてこのページは、
【ここで会えた大切な人には、死ぬまで会えないでしょう】
という分で締めくくられていた。
すると、誰かから話し掛けられた。
「あの……ずっと黙って読んでますけど、大丈夫ですか?」
悲しいほど懐かしい声にはっとして、声の主にピントを合わせる。
長い黒髪に、銀縁の丸眼鏡。
ふと入り込んできた風に、黒髪が揺れている。
「[中央寄せ]あっ、貴方は……!」
私の大切だった人。
私の道標になってくれた人。
ある日突然、晒し上げられてしまった人。
ある日突然、消えてしまった人。[/中央寄せ]
そんな人が今、ここに居る。
聞きたい事は沢山ある。
向こうも、私の顔を見て驚いている。
「どうして貴方はあんなことをしたんですか!あなただけはこんな事しないって、信じてたのに……」
つい、声が大きくなってしまった。
「……ごめんなさい、こうするしかなかったの」
悲しげな顔で、貴方はこちらを見つめている。
「……もう時間ね、バイバイ」
悲しげな瞳のまま、貴方は無理に作った笑顔でこちらを見る。
ふと、貴方の眼鏡が落ちた。
すると、貴方はいきなり子供のように泣き叫んだ。
「私だって、私だって頑張ってるのに!みんな、みんな私の【めがね】ばっかり見て!【ただの文才溢れる作家の卵】扱いして!」
「誰も、ホントの私を見てくれなかったの……」
私は、地面に崩れる貴方に視線を合わせ、こう言った。
「ホントの貴方なら、私が今知りましたよ」
「……ありがとう、最後に、これを」
目には涙が浮かんでいるが、貴方の口角は上がっていた。
どこからか鈴をつけた猫が現れ、私に浅葱色の封筒とドライフラワーを渡してくれた。
その光景を見ていた貴方は、ステンドグラスを通って採色された美しい光に照らされ、白い羽になった。
残った銀色の丸眼鏡だけが、貴方のぬくもりを映し出している気がした。
[水平線]
[水平線][水平線]
[水平線][水平線][水平線]
気付いたら私は、いつもの学校の図書室に居た。
「夢だったのかな」
ふと呟くが返事は帰ってこない。
しかし、答えはノーだ。
浅葱色の封筒、ドライフラワー、そして貴方の銀眼鏡を私は手に持っている。
浅葱色の封筒を開けると、浅葱色に白いラインの入った便箋にあなたのきれいな字が書かれていた。
[中央寄せ][明朝体][斜体]貴方へ
いきなりいなくなって、あの時は本当にごめんなさい。
でも、貴方の生きた証だけは今もずっと見てる。
枯れた花にも美しさは有る。
貴方が分かってくれることを信じてーーー。
銀眼鏡の私より[/斜体][/明朝体][/中央寄せ]
「たまには、ドライフラワーも悪くないですね」
応えの無い呟き。
それこそが貴方の居た証と信じてーーー。
[斜体]今日も私は、物語を紡ぎ続ける。[/斜体]
学校の図書室よりも古く、埃っぽい空気に満たされている。
天井にまで続く本棚には所々木の細工がされ、差し込む陽の光を美しく反射していた。
「どこだろ……?」
ふと呟くが返事は帰ってこない。
徐に本棚から一冊の本を手に取った。
日焼けしボロボロになった背表紙とは裏腹に、表紙は埃を被ってはいるものの美しい彩色を保っている。
表紙には
【この図書室に迷い込んだ人へ】
と金字で書いてあった。
「私への、本……?」
気になってページを捲る。
【この図書室では、貴方の前から消えてしまった大切な人に会うことができます】
さらに読み進める。
【どんな形で会えるかは、貴方のその人への思いによって変わります】
そしてこのページは、
【ここで会えた大切な人には、死ぬまで会えないでしょう】
という分で締めくくられていた。
すると、誰かから話し掛けられた。
「あの……ずっと黙って読んでますけど、大丈夫ですか?」
悲しいほど懐かしい声にはっとして、声の主にピントを合わせる。
長い黒髪に、銀縁の丸眼鏡。
ふと入り込んできた風に、黒髪が揺れている。
「[中央寄せ]あっ、貴方は……!」
私の大切だった人。
私の道標になってくれた人。
ある日突然、晒し上げられてしまった人。
ある日突然、消えてしまった人。[/中央寄せ]
そんな人が今、ここに居る。
聞きたい事は沢山ある。
向こうも、私の顔を見て驚いている。
「どうして貴方はあんなことをしたんですか!あなただけはこんな事しないって、信じてたのに……」
つい、声が大きくなってしまった。
「……ごめんなさい、こうするしかなかったの」
悲しげな顔で、貴方はこちらを見つめている。
「……もう時間ね、バイバイ」
悲しげな瞳のまま、貴方は無理に作った笑顔でこちらを見る。
ふと、貴方の眼鏡が落ちた。
すると、貴方はいきなり子供のように泣き叫んだ。
「私だって、私だって頑張ってるのに!みんな、みんな私の【めがね】ばっかり見て!【ただの文才溢れる作家の卵】扱いして!」
「誰も、ホントの私を見てくれなかったの……」
私は、地面に崩れる貴方に視線を合わせ、こう言った。
「ホントの貴方なら、私が今知りましたよ」
「……ありがとう、最後に、これを」
目には涙が浮かんでいるが、貴方の口角は上がっていた。
どこからか鈴をつけた猫が現れ、私に浅葱色の封筒とドライフラワーを渡してくれた。
その光景を見ていた貴方は、ステンドグラスを通って採色された美しい光に照らされ、白い羽になった。
残った銀色の丸眼鏡だけが、貴方のぬくもりを映し出している気がした。
[水平線]
[水平線][水平線]
[水平線][水平線][水平線]
気付いたら私は、いつもの学校の図書室に居た。
「夢だったのかな」
ふと呟くが返事は帰ってこない。
しかし、答えはノーだ。
浅葱色の封筒、ドライフラワー、そして貴方の銀眼鏡を私は手に持っている。
浅葱色の封筒を開けると、浅葱色に白いラインの入った便箋にあなたのきれいな字が書かれていた。
[中央寄せ][明朝体][斜体]貴方へ
いきなりいなくなって、あの時は本当にごめんなさい。
でも、貴方の生きた証だけは今もずっと見てる。
枯れた花にも美しさは有る。
貴方が分かってくれることを信じてーーー。
銀眼鏡の私より[/斜体][/明朝体][/中央寄せ]
「たまには、ドライフラワーも悪くないですね」
応えの無い呟き。
それこそが貴方の居た証と信じてーーー。
[斜体]今日も私は、物語を紡ぎ続ける。[/斜体]
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