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魔物とか出てくる設定です
シエル「うん。これからよろしくね。」
シエルさんは、優しげな顔で私と、私が腕に抱いている人形を見つめていた。
シエル「詳しい事は明日話そう。今日はもう寝て。2階に案内するね」
ふと、一階を見回す。
よく見ると、木製の階段が有った。
手すりには装飾用のカラフルな布が飾られ、降誕祭の屋台の様な雰囲気を感じた。
降誕祭では、王族である私たちが国民と救い主へ向けて演説を行った。
私はあんな感じの事が得意じゃなかったから、毎年憂鬱になっていたけど。
ナナ「はい、分かりました」
一段、また一段。
少し古い木製の階段は、私が踏むたびに王宮で聴くバイオリンの様な音で軋む。
それが少し面白くて、私の口角はいつの間にか上がっていた。
……だめだ、良くない。
このままだと、いつか私と【ナナ】が分離してしまいそうだ。
私はナナ、私はナナだと心の中で何回も呟く。
私と【ナナ】がバラバラになった時、きっと私は壊れてしまうから。
シエル「……2階の部屋なんだけど、花のドアプレートが有る部屋使って。あそこ、キミが一番好きそうな雰囲気だから」
先程からシエルさんも、少し離れたところで黙々と作業しながら私に話している。
私が思い詰めているのが、彼女にも伝わってしまったのだろうか。
そう思いながら、私は2階へと足を進めた。
ナナ「……すごい……!」
そこは、私が夢で見ていたような【理想の部屋】だった。
丁度いい広さに、シンプルだけど可愛いベッド。
飾られている花や、どこかの風景画もこの雰囲気を彩っている。
早速、ベッドに横になった。
一日の疲れが一気に押し寄せて来る。
気付けば、私はもう夢の中にいた。
[水平線]
[水平線][水平線]
[水平線][水平線][水平線]
「ねぇ、あの子って」
「聞いてるわ、治癒魔法に見せかけた無能魔法の子でしょ?」
声が響く、王宮の中。
私は冷たい石畳の廊下に座り込んでいる。
私が私であることを確かめるように、自分の手のひらを握っては離し、握っては離しを繰り返す。
その手は、今の私の手よりもずっと、小さくて柔らかかった。
風に私の銀髪が揺れる。
きっとこれは私が【まだ何も知らないアメリア・フォルスタッフ】だったころの夢。
【無能魔法】、【第一王女様の代わりにはなれない】。
そんな言葉がナイフみたいに、無遠慮に私の心を切り裂いた。
第一王女ーーー。
私のお姉様に当たる人。
名前は、レイア・フォルスタッフ。
【この国で最も高性能】な治癒魔法を持っていたらしい。
でも、流行り病にかかり、私の4歳の誕生日に遂に永遠の眠りについてしまった。
幼かった頃の私は、豪華絢爛だがどこか温かみの無い墓碑にお姉様の名前が書いてあるのが受け止められなかった。
周りの人は、【神に見放された聖女擬きのせいだ】と私に後ろ指をさした。
周りの人みんなが私を見るなり毒々しいうわさ話で盛り上がっているのを見るのは、とても辛かった。
と言う事は、今の私は最低でも4歳ではあるらしい。
どこからか足音が聞こえて来た。
革靴の音だ。恐らく、ヴァルターさんだろう。
ヴァルター「こんなところに居たのですか、お嬢様」
まだ私を裏切らなかった頃のヴァルターさんが目の前に立っていた。
ヴァルター「早く部屋に戻りましょう。お嬢様・エル「うん。これからよろしくね。」
シエルさんは、優しげな顔で私と、私が腕に抱いている人形を見つめていた。
シエル「詳しい事は明日話そう。今日はもう寝て。2階に案内するね」
ふと、一階を見回す。
よく見ると、木製の階段が有った。
手すりには装飾用のカラフルな布が飾られ、降誕祭の屋台の様な雰囲気を感じた。
降誕祭では、王族である私たちが国民と救い主へ向けて演説を行った。
私はあんな感じの事が得意じゃなかったから、毎年憂鬱になっていたけど。
ナナ「はい、分かりました」
一段、また一段。
少し古い木製の階段は、私が踏むたびに王宮で聴くバイオリンの様な音で軋む。
それが少し面白くて、私の口角はいつの間にか上がっていた。
……だめだ、良くない。
このままだと、いつか私と【ナナ】が分離してしまいそうだ。
私はナナ、私はナナだと心の中で何回も呟く。
私と【ナナ】がバラバラになった時、きっと私は壊れてしまうから。
シエル「……2階の部屋なんだけど、花のドアプレートが有る部屋使って。あそこ、キミが一番好きそうな雰囲気だから」
先程からシエルさんも、少し離れたところで黙々と作業しながら私に話している。
私が思い詰めているのが、彼女にも伝わってしまったのだろうか。
そう思いながら、私は2階へと足を進めた。
ナナ「……すごい……!」
そこは、私が夢で見ていたような【理想の部屋】だった。
丁度いい広さに、シンプルだけど可愛いベッド。
飾られている花や、どこかの風景画もこの雰囲気を彩っている。
早速、ベッドに横になった。
一日の疲れが一気に押し寄せて来る。
気付けば、私はもう夢の中にいた。
[水平線]
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「ねぇ、あの子って」
「聞いてるわ、治癒魔法に見せかけた無能魔法の子でしょ?」
「きっと第一王女様の代わりにはなれないわ」
声が響く、王宮の中。
私は冷たい石畳の廊下に座り込んでいる。
私が私であることを確かめるように、自分の手のひらを握っては離し、握っては離しを繰り返す。
その手は、今の私の手よりもずっと、小さくて柔らかかった。
風に私の銀髪が揺れる。
きっとこれは私が【まだ何も知らないアメリア・フォルスタッフ】だったころの夢。
【無能魔法】、【第一王女様の代わりにはなれない】。
そんな言葉がナイフみたいに、無遠慮に私の心を切り裂いた。
第一王女ーーー。
私のお姉様に当たる人。
名前は、レイア・フォルスタッフ。
【この国で最も高性能】な治癒魔法を持っていたらしい。
でも、流行り病にかかり、私の4歳の誕生日に遂に永遠の眠りについてしまった。
幼かった頃の私は、豪華絢爛だがどこか温かみの無い墓碑にお姉様の名前が書いてあるのが受け止められなかった。
周りの人は、【神に見放された聖女擬きのせいだ】と私に後ろ指をさした。
周りの人みんなが私を見るなり毒々しいうわさ話で盛り上がっているのを見るのは、とても辛かった。
と言う事は、今の私は最低でも4歳ではあるらしい。
どこからか足音が聞こえて来た。
革靴の音だ。恐らく、ヴァルターさんだろう。
ヴァルター「こんなところに居たのですか、お嬢様」
まだ私を裏切らなかった頃のヴァルターさんが目の前に立っていた。
ヴァルター「早く部屋に戻りましょう。アメリア様……」
ヴァルター「いや、計画の邪魔者!」
その瞬間、ヴァルターさんは化け物のような姿で私に襲い掛かった。
よく見ると、私は王宮の劇場、舞台の上に居る。
客席には、お父様、お母様、クララ、クララのお母様、アーリャさん……私に親しい人がたくさんいる。
そして、最前列中央。
[大文字][太字]そこには、お姉様……レイア・フォルスタッフが座っていた。[/太字][/大文字]
記憶にあるお姉様の姿だ。流行り病にかかる前の、美しいお姉様。
しかし、記憶にある優しい瞳は、そこには無かった。
レイア「何をしているのですか?これから処刑されると言うのに……やはり、【聖女擬き】は自分の立場すらわきまえられない人間なのですね」
冷酷な声で淡々とお姉様が私に告げた言葉は、私にとっては残酷過ぎた。
気付けば、私の姿は今の私に戻っている。
何より……太いポールの様なものに縛られている。
どこかから火がつけられた。
客席を見る。
皆が、笑っていた。
身体中が、溶けるような熱さに蝕まれていく。
爛れ、燃えて、暴かれる。
地獄みたいな時間が、ゆっくり、ゆっくりと続いていた。
[水平線][水平線][水平線]
[水平線][水平線]
[水平線]
ナナ「はぁ……はぁっ、……夢?」
急いで時計を見る。
時刻は深夜3時。
商店は勿論、酒場も夢魔の店も閉まっている。
門番の兵士すら、居眠りしているほどだ。
窓の外には、変わらない日常が続いていた。
[明朝体]少女は過去を思い出す。
その苦しみは、窓を隔てた向こう側の世界にとっては無価値なものだった。[/明朝体]
シエルさんは、優しげな顔で私と、私が腕に抱いている人形を見つめていた。
シエル「詳しい事は明日話そう。今日はもう寝て。2階に案内するね」
ふと、一階を見回す。
よく見ると、木製の階段が有った。
手すりには装飾用のカラフルな布が飾られ、降誕祭の屋台の様な雰囲気を感じた。
降誕祭では、王族である私たちが国民と救い主へ向けて演説を行った。
私はあんな感じの事が得意じゃなかったから、毎年憂鬱になっていたけど。
ナナ「はい、分かりました」
一段、また一段。
少し古い木製の階段は、私が踏むたびに王宮で聴くバイオリンの様な音で軋む。
それが少し面白くて、私の口角はいつの間にか上がっていた。
……だめだ、良くない。
このままだと、いつか私と【ナナ】が分離してしまいそうだ。
私はナナ、私はナナだと心の中で何回も呟く。
私と【ナナ】がバラバラになった時、きっと私は壊れてしまうから。
シエル「……2階の部屋なんだけど、花のドアプレートが有る部屋使って。あそこ、キミが一番好きそうな雰囲気だから」
先程からシエルさんも、少し離れたところで黙々と作業しながら私に話している。
私が思い詰めているのが、彼女にも伝わってしまったのだろうか。
そう思いながら、私は2階へと足を進めた。
ナナ「……すごい……!」
そこは、私が夢で見ていたような【理想の部屋】だった。
丁度いい広さに、シンプルだけど可愛いベッド。
飾られている花や、どこかの風景画もこの雰囲気を彩っている。
早速、ベッドに横になった。
一日の疲れが一気に押し寄せて来る。
気付けば、私はもう夢の中にいた。
[水平線]
[水平線][水平線]
[水平線][水平線][水平線]
「ねぇ、あの子って」
「聞いてるわ、治癒魔法に見せかけた無能魔法の子でしょ?」
声が響く、王宮の中。
私は冷たい石畳の廊下に座り込んでいる。
私が私であることを確かめるように、自分の手のひらを握っては離し、握っては離しを繰り返す。
その手は、今の私の手よりもずっと、小さくて柔らかかった。
風に私の銀髪が揺れる。
きっとこれは私が【まだ何も知らないアメリア・フォルスタッフ】だったころの夢。
【無能魔法】、【第一王女様の代わりにはなれない】。
そんな言葉がナイフみたいに、無遠慮に私の心を切り裂いた。
第一王女ーーー。
私のお姉様に当たる人。
名前は、レイア・フォルスタッフ。
【この国で最も高性能】な治癒魔法を持っていたらしい。
でも、流行り病にかかり、私の4歳の誕生日に遂に永遠の眠りについてしまった。
幼かった頃の私は、豪華絢爛だがどこか温かみの無い墓碑にお姉様の名前が書いてあるのが受け止められなかった。
周りの人は、【神に見放された聖女擬きのせいだ】と私に後ろ指をさした。
周りの人みんなが私を見るなり毒々しいうわさ話で盛り上がっているのを見るのは、とても辛かった。
と言う事は、今の私は最低でも4歳ではあるらしい。
どこからか足音が聞こえて来た。
革靴の音だ。恐らく、ヴァルターさんだろう。
ヴァルター「こんなところに居たのですか、お嬢様」
まだ私を裏切らなかった頃のヴァルターさんが目の前に立っていた。
ヴァルター「早く部屋に戻りましょう。お嬢様・エル「うん。これからよろしくね。」
シエルさんは、優しげな顔で私と、私が腕に抱いている人形を見つめていた。
シエル「詳しい事は明日話そう。今日はもう寝て。2階に案内するね」
ふと、一階を見回す。
よく見ると、木製の階段が有った。
手すりには装飾用のカラフルな布が飾られ、降誕祭の屋台の様な雰囲気を感じた。
降誕祭では、王族である私たちが国民と救い主へ向けて演説を行った。
私はあんな感じの事が得意じゃなかったから、毎年憂鬱になっていたけど。
ナナ「はい、分かりました」
一段、また一段。
少し古い木製の階段は、私が踏むたびに王宮で聴くバイオリンの様な音で軋む。
それが少し面白くて、私の口角はいつの間にか上がっていた。
……だめだ、良くない。
このままだと、いつか私と【ナナ】が分離してしまいそうだ。
私はナナ、私はナナだと心の中で何回も呟く。
私と【ナナ】がバラバラになった時、きっと私は壊れてしまうから。
シエル「……2階の部屋なんだけど、花のドアプレートが有る部屋使って。あそこ、キミが一番好きそうな雰囲気だから」
先程からシエルさんも、少し離れたところで黙々と作業しながら私に話している。
私が思い詰めているのが、彼女にも伝わってしまったのだろうか。
そう思いながら、私は2階へと足を進めた。
ナナ「……すごい……!」
そこは、私が夢で見ていたような【理想の部屋】だった。
丁度いい広さに、シンプルだけど可愛いベッド。
飾られている花や、どこかの風景画もこの雰囲気を彩っている。
早速、ベッドに横になった。
一日の疲れが一気に押し寄せて来る。
気付けば、私はもう夢の中にいた。
[水平線]
[水平線][水平線]
[水平線][水平線][水平線]
「ねぇ、あの子って」
「聞いてるわ、治癒魔法に見せかけた無能魔法の子でしょ?」
「きっと第一王女様の代わりにはなれないわ」
声が響く、王宮の中。
私は冷たい石畳の廊下に座り込んでいる。
私が私であることを確かめるように、自分の手のひらを握っては離し、握っては離しを繰り返す。
その手は、今の私の手よりもずっと、小さくて柔らかかった。
風に私の銀髪が揺れる。
きっとこれは私が【まだ何も知らないアメリア・フォルスタッフ】だったころの夢。
【無能魔法】、【第一王女様の代わりにはなれない】。
そんな言葉がナイフみたいに、無遠慮に私の心を切り裂いた。
第一王女ーーー。
私のお姉様に当たる人。
名前は、レイア・フォルスタッフ。
【この国で最も高性能】な治癒魔法を持っていたらしい。
でも、流行り病にかかり、私の4歳の誕生日に遂に永遠の眠りについてしまった。
幼かった頃の私は、豪華絢爛だがどこか温かみの無い墓碑にお姉様の名前が書いてあるのが受け止められなかった。
周りの人は、【神に見放された聖女擬きのせいだ】と私に後ろ指をさした。
周りの人みんなが私を見るなり毒々しいうわさ話で盛り上がっているのを見るのは、とても辛かった。
と言う事は、今の私は最低でも4歳ではあるらしい。
どこからか足音が聞こえて来た。
革靴の音だ。恐らく、ヴァルターさんだろう。
ヴァルター「こんなところに居たのですか、お嬢様」
まだ私を裏切らなかった頃のヴァルターさんが目の前に立っていた。
ヴァルター「早く部屋に戻りましょう。アメリア様……」
ヴァルター「いや、計画の邪魔者!」
その瞬間、ヴァルターさんは化け物のような姿で私に襲い掛かった。
よく見ると、私は王宮の劇場、舞台の上に居る。
客席には、お父様、お母様、クララ、クララのお母様、アーリャさん……私に親しい人がたくさんいる。
そして、最前列中央。
[大文字][太字]そこには、お姉様……レイア・フォルスタッフが座っていた。[/太字][/大文字]
記憶にあるお姉様の姿だ。流行り病にかかる前の、美しいお姉様。
しかし、記憶にある優しい瞳は、そこには無かった。
レイア「何をしているのですか?これから処刑されると言うのに……やはり、【聖女擬き】は自分の立場すらわきまえられない人間なのですね」
冷酷な声で淡々とお姉様が私に告げた言葉は、私にとっては残酷過ぎた。
気付けば、私の姿は今の私に戻っている。
何より……太いポールの様なものに縛られている。
どこかから火がつけられた。
客席を見る。
皆が、笑っていた。
身体中が、溶けるような熱さに蝕まれていく。
爛れ、燃えて、暴かれる。
地獄みたいな時間が、ゆっくり、ゆっくりと続いていた。
[水平線][水平線][水平線]
[水平線][水平線]
[水平線]
ナナ「はぁ……はぁっ、……夢?」
急いで時計を見る。
時刻は深夜3時。
商店は勿論、酒場も夢魔の店も閉まっている。
門番の兵士すら、居眠りしているほどだ。
窓の外には、変わらない日常が続いていた。
[明朝体]少女は過去を思い出す。
その苦しみは、窓を隔てた向こう側の世界にとっては無価値なものだった。[/明朝体]