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魔物とか出てくる設定です
シエル「私はここのカフェで店長をしている、シエル・アステリア。ちょっと話を聞かせてくれるかい?」
私の想像よりずっと優しく、ふわっとした雰囲気の声でシエルさんは私に話しかける。
春の祭りを終えた瞬間寒くなっていたのに、シエルさんは薄手のシャツを着ていた。
シエル「寒いし、カフェに入って話そうか。付いてきて」
そう言うと、シエルさんはステンドグラスの付いた茶色い木製のドアを開けて私をカフェに案内した。
アメリア「わぁ……!」
ドアを開けると、そこにはとても柔らかい、落ち着いた雰囲気のカフェが広がっていた。
壁には絵画やドライフラワーが飾られ、所々にある棚の上には可愛らしい小物や花瓶が置かれている。
シエル「気に入ってくれたかい?じゃあ、ここに座って」
シエルさんが案内したのは、窓際のソファ席だった。
普段はお客さんでにぎわっているのだろうか、人がいないカフェは少し寂しく見えた。
座った瞬間、体が柔らかいソファに沈む。
歩き疲れた体には、その感覚がとても心地よかった。
シエル「キミの名前は?」
シエルさんは、さっきから何も変わらない純粋な住んだ瞳で私を見つめてこう言った。
[大文字][太字]でも、その質問は今の私にとっては最も残酷な物だった。[/太字][/大文字]
[明朝体][中央寄せ][斜体]第二王女アメリア・フォルスタッフ王宮追放令
王国の第二王女アメリア・フォルスタッフを昨夜の《メイデン・ドール暴走事件》首謀者と認定し、王宮からの追放を行う。
よって、アメリア・フォルスタッフは今日中に必要な荷物を纏め王宮から出ていくよう命じる。
[/斜体][/中央寄せ][/明朝体]
あの時の、お父様の悲しい目と、皆の冷たい嘲笑がフラッシュバックした。
【罪人 アメリア・フォルスタッフ】
きっと、私はその名前を言われたら壊れてしまうだろう。
もうその名前は「王国の罪人」として登録されてしまっている。
アメリア「えっと、その……私の名前は……」
ぐるぐると色々な考えが私の脳内を駆け回る。
何かいい名前は?
すると、私がシエルさんに話しかけられた時に見えた、七つの星がふと脳内をよぎった。
アメリア「えっと……ナナって言います。」
その瞬間、私の心は妙な高揚感と安心に包まれた気がした。
これからは別人として生きて行く。
王女としての立場も、罪人としての立場も。
それは、私にとっての新しい始まりだった。
シエル「ナナって言うんだ、これからよろしくね。今日はもう遅いから、ここに泊まって。」
ふわりとした優しい声で、シエルさんは私がここに一晩居る事を許してくれた。
[大文字]すると、どこかから硬い何かが落ちる音がした。[/大文字]
ナナ「っ!……何が落ちたんですか?」
シエル「ちょっと待って、今明日のコーヒー準備してるから……」
運悪く、シエルさんは今カウンターでコーヒー豆の確認をしている。
夜に音が鳴った方へ行くのは少し怖いが、仕方ない。
私は恐る恐る、音の鳴った半個室の席へ歩みを進めた。
ナナ「そんな……!人形が……」
メイデン・ドールでこそないが、両腕で抱けるほどの大きさの人形がそこにはあった。
しかし、右肩から先が外れており、外れてしまった腕は床に転がっている。
メイデン・ドールではないと言っても、壊れた人形を放っておくのは少し申し訳ない。
ナナ「シエルさん!この人形、私が治します!」
カウンターの前まで移動し、私はそう宣言した。
[大文字][太字]その瞬間、人形を抱える私の手腕が淡い光を放ち人形の外れた腕が肩にくっ付いた。[/太字][/大文字]
ナナ「この光……!」
この光には、苦い思い出ばかりが残っている。
この光は、私の魔法の力で出るものだった。
周りの人はずっと、【聖なる治癒魔法】だとか、【触れた物を治す奇跡の力】とか言って私の事をはやし立てた。
しかし、私の手は人の傷に翳しても治らない。
壊れた物を触っても何も変わらない。
王位すら継げない第二王女だった【アメリア・フォルスタッフ】はいつしか厄介者扱いされてしまっていた。
妹のクララにすら【無能のお姉様】と言われてしまい、一人で枕を濡らした夜も有った。
すると、何やら慌てた様子でシエルさんが入って来た。
シエル「すごいね、キミ!もしよかったらなんだけど、ここで働いてくれるかな?」
食い気味で話すシエルさんに少し驚いてしまった。
でも、どうしてだろうか。
私の魔法は到底カフェに役立つものではない。
シエル「実はこのカフェ、メイデン・ドールも取り扱ってて……キミの魔法が役に立つかもしれないんだ」
打って変わって、真剣な顔で話してくるシエルさん。
これは嘘じゃない、本当の事だとその声色から容易に理解出来た。
ナナ「こんな私で良かったら……お願いします!」
[明朝体]七つの星が瞬いた。
少女はこれから、別の少女として生きていく。[/明朝体]
私の想像よりずっと優しく、ふわっとした雰囲気の声でシエルさんは私に話しかける。
春の祭りを終えた瞬間寒くなっていたのに、シエルさんは薄手のシャツを着ていた。
シエル「寒いし、カフェに入って話そうか。付いてきて」
そう言うと、シエルさんはステンドグラスの付いた茶色い木製のドアを開けて私をカフェに案内した。
アメリア「わぁ……!」
ドアを開けると、そこにはとても柔らかい、落ち着いた雰囲気のカフェが広がっていた。
壁には絵画やドライフラワーが飾られ、所々にある棚の上には可愛らしい小物や花瓶が置かれている。
シエル「気に入ってくれたかい?じゃあ、ここに座って」
シエルさんが案内したのは、窓際のソファ席だった。
普段はお客さんでにぎわっているのだろうか、人がいないカフェは少し寂しく見えた。
座った瞬間、体が柔らかいソファに沈む。
歩き疲れた体には、その感覚がとても心地よかった。
シエル「キミの名前は?」
シエルさんは、さっきから何も変わらない純粋な住んだ瞳で私を見つめてこう言った。
[大文字][太字]でも、その質問は今の私にとっては最も残酷な物だった。[/太字][/大文字]
[明朝体][中央寄せ][斜体]第二王女アメリア・フォルスタッフ王宮追放令
王国の第二王女アメリア・フォルスタッフを昨夜の《メイデン・ドール暴走事件》首謀者と認定し、王宮からの追放を行う。
よって、アメリア・フォルスタッフは今日中に必要な荷物を纏め王宮から出ていくよう命じる。
[/斜体][/中央寄せ][/明朝体]
あの時の、お父様の悲しい目と、皆の冷たい嘲笑がフラッシュバックした。
【罪人 アメリア・フォルスタッフ】
きっと、私はその名前を言われたら壊れてしまうだろう。
もうその名前は「王国の罪人」として登録されてしまっている。
アメリア「えっと、その……私の名前は……」
ぐるぐると色々な考えが私の脳内を駆け回る。
何かいい名前は?
すると、私がシエルさんに話しかけられた時に見えた、七つの星がふと脳内をよぎった。
アメリア「えっと……ナナって言います。」
その瞬間、私の心は妙な高揚感と安心に包まれた気がした。
これからは別人として生きて行く。
王女としての立場も、罪人としての立場も。
それは、私にとっての新しい始まりだった。
シエル「ナナって言うんだ、これからよろしくね。今日はもう遅いから、ここに泊まって。」
ふわりとした優しい声で、シエルさんは私がここに一晩居る事を許してくれた。
[大文字]すると、どこかから硬い何かが落ちる音がした。[/大文字]
ナナ「っ!……何が落ちたんですか?」
シエル「ちょっと待って、今明日のコーヒー準備してるから……」
運悪く、シエルさんは今カウンターでコーヒー豆の確認をしている。
夜に音が鳴った方へ行くのは少し怖いが、仕方ない。
私は恐る恐る、音の鳴った半個室の席へ歩みを進めた。
ナナ「そんな……!人形が……」
メイデン・ドールでこそないが、両腕で抱けるほどの大きさの人形がそこにはあった。
しかし、右肩から先が外れており、外れてしまった腕は床に転がっている。
メイデン・ドールではないと言っても、壊れた人形を放っておくのは少し申し訳ない。
ナナ「シエルさん!この人形、私が治します!」
カウンターの前まで移動し、私はそう宣言した。
[大文字][太字]その瞬間、人形を抱える私の手腕が淡い光を放ち人形の外れた腕が肩にくっ付いた。[/太字][/大文字]
ナナ「この光……!」
この光には、苦い思い出ばかりが残っている。
この光は、私の魔法の力で出るものだった。
周りの人はずっと、【聖なる治癒魔法】だとか、【触れた物を治す奇跡の力】とか言って私の事をはやし立てた。
しかし、私の手は人の傷に翳しても治らない。
壊れた物を触っても何も変わらない。
王位すら継げない第二王女だった【アメリア・フォルスタッフ】はいつしか厄介者扱いされてしまっていた。
妹のクララにすら【無能のお姉様】と言われてしまい、一人で枕を濡らした夜も有った。
すると、何やら慌てた様子でシエルさんが入って来た。
シエル「すごいね、キミ!もしよかったらなんだけど、ここで働いてくれるかな?」
食い気味で話すシエルさんに少し驚いてしまった。
でも、どうしてだろうか。
私の魔法は到底カフェに役立つものではない。
シエル「実はこのカフェ、メイデン・ドールも取り扱ってて……キミの魔法が役に立つかもしれないんだ」
打って変わって、真剣な顔で話してくるシエルさん。
これは嘘じゃない、本当の事だとその声色から容易に理解出来た。
ナナ「こんな私で良かったら……お願いします!」
[明朝体]七つの星が瞬いた。
少女はこれから、別の少女として生きていく。[/明朝体]