閲覧前に必ずご確認ください
魔物とか出てくる設定です
翌朝、私はまだ教会の鐘が鳴る前に誰かに起こされた。
いつもなら寝ている時間、静かな王宮の中庭を窓から見つめるのはどこか新鮮だった。
???「ここにおられましたか、アメリア様。おはようございます」
アメリア「……おはよう、誰かしら?」
ヴァルター「姫様、国王様からの御呼び出しです。早く参りましょう。」
眠い目を擦り、天蓋越しに見えたのはヴァルターの姿だった。
昨夜の冷たい雰囲気とは打って変わって、何時もの柔和で面倒見のいい雰囲気を身にまとっている。
アメリア「ちょっと待って……ヴァルター、お父様に会うのなら、せめて寝間着から部屋着に」
ヴァルター「そんな暇などありません。今すぐ大広間に向かいましょう」
アメリア「……そんな……」
朝の風に、私の銀色の髪が揺れていた。
私はヴァルターの気迫に圧倒され、素直に首を縦に振った。
ヴァルター「大広間までは私も着いていきます。安心してください。」
大広間までの長い廊下では、私を見るなり色々な人が顔を顰め、噂話をし始めている。
メイド「[小文字]あの子が噂の……?[/小文字]」
メイド2「[小文字]こんなに純粋そうな子なのに……[/小文字]」
メイド3「[小文字]いや、でも分からないわよ……普段は穏やかな人こそ、何を考えてるか肝心な時に分からないもの。[/小文字]」
メイド「[小文字]アーリャちゃんの事ドールで襲ったんですって……?信じられない……[/小文字]」
よく分からない噂話だと思ったが、アーリャさんの名前が出てきた瞬間、急に自分に関係のある話だとさっかくし、聞き耳を立ててしまった。
アメリア「みなさん、おはようございます!」
メイド達「っ……はい、姫様、おはようございます。」
私が話しかけると、メイド達はどこか気まずそうな顔をして蜘蛛の子を散らすように移動してしまった。
ヴァルターさんに連れられ、廊下を歩いていたらいつの間にか大広間前に着いていた。
威圧感のある大きなドアがそびえ立っている。
ヴァルター「姫様の執事です。大広間に入らせてください。」
門番「了解致しました、ヴァルター様。」
門番達はいつもと同じような様子でドアを開け、私達を大広間へ案内した。
大広間へ1歩入った瞬間、空気が変わったのが感じ取れた。
部屋全体に幾つもある大きな窓に、歴代国王の肖像画が飾られている壁。重厚な赤いカーペットの古びた匂いが鼻に入ってきた。
壁沿いにはメイド達や執事達。よく見るとロイドさんやサイモンさん、ジョニーさんも居る。
レグルス「よく来た……アメリア、我が娘よ」
玉座に座ったお父様が私に話しかける。
急いで玉座の前に移動し、ひざまづいた。
レグルス「昨夜は迷子になっていたようだか……良く眠れたか?」
アメリア「……?はい……」
レグルス「今日はお前に言いたい事がある。だからこうやって呼び出したのだ。」
そう言いながらお父様は、1枚の紙を私に見せた。
[斜体][中央寄せ][明朝体]第二王女アメリア・フォルスタッフ王宮追放令
王国の第二王女アメリア・フォルスタッフを昨夜の《メイデン・ドール暴走事件》首謀者と認定し、王宮からの追放を行う。
よって、アメリア・フォルスタッフは今日中に必要な荷物を纏め王宮から出ていくよう命じる。[/明朝体][/中央寄せ][/斜体]
と書かれていた。
一瞬で頭が真っ白になった。
レグルス「お前が、ドールに包丁を持たせてアーリャを傷付けたのか……」
アメリア「違いますっ!昨日の夜私は自分の部屋にいました!」
気難しい顔で私を疑うお父様に必死で反論をした。
ヴァルター「ならば、これはどう言う事になるのですか?」
すると、さっきまで黙っていたヴァルターさんが執事服のポケットから何かを取り出した。
[大文字][太字]それは、血のべっとりついた包丁と、ドール専用の工具だった。[/太字][/大文字]
ヴァルター「ご覧の通り、証拠ならここにございます。このように、王女様は自らの意思でドールを改造し、メイドを傷付けたのです」
毅然とした態度で嘘をつくヴァルターさんを前に、お父様は疑わしい、と言っているような顔をしている。
レグルス「アメリアよ……正直に答えろ、昨日の夜、何をしていた?」
上手く回らない頭のままで、私はしどろもどろに答えた。
アメリア「私は昨夜……水を飲もうと台所に行ってから迷子になってヴァルターさんに部屋に案内されたあと、部屋に戻って寝ていました」
レグルス「そうか……我が娘よ」
レグルス「やはり、この《メイデン・ドール暴走事件》は偽の事件だったか。すまない、アメリ」
お父様が言い終わらない内に、ヴァルターさんが声を上げた。
ヴァルター「いえ、国王様。確かに私は、王女様がドールに包丁を持たせる所とドールがアーリャを傷付けるところを目撃致しました」
相変わらずの毅然とした態度で、ヴァルターはお父様に嘘を報告した。
ヴァルターの口角が歪に上がっていく。
審判の時が来た。
レグルス「アメリアよ……弱い父親で、すまなかった」
アメリア「待ってくださいお父様!私の言っていたことを信じてください!」
レグルス[太字][大文字]「《第二王女アメリア・フォルスタッフ追放令》に署名する。」[/大文字][/太字]
お父様はヴァルターさんから万年筆を受け取り、滑らかな筆記体で名前を書いた。
レグルス「アメリア、今日中に必要な荷物を纏めなさい。夕方の鐘が鳴る時には王宮から出てもらう。」
[中央寄せ][大文字][太字]その瞬間、多くの執事やメイド達から拍手が鳴り響いた。[/太字][/大文字][/中央寄せ]
みんな不敵な笑みを浮かべている。
アメリア「はい……お父様」
[明朝体]まだ明るい筈の陽の光が、残酷なスポットライトとして彼女を照らしていた。[/明朝体]
いつもなら寝ている時間、静かな王宮の中庭を窓から見つめるのはどこか新鮮だった。
???「ここにおられましたか、アメリア様。おはようございます」
アメリア「……おはよう、誰かしら?」
ヴァルター「姫様、国王様からの御呼び出しです。早く参りましょう。」
眠い目を擦り、天蓋越しに見えたのはヴァルターの姿だった。
昨夜の冷たい雰囲気とは打って変わって、何時もの柔和で面倒見のいい雰囲気を身にまとっている。
アメリア「ちょっと待って……ヴァルター、お父様に会うのなら、せめて寝間着から部屋着に」
ヴァルター「そんな暇などありません。今すぐ大広間に向かいましょう」
アメリア「……そんな……」
朝の風に、私の銀色の髪が揺れていた。
私はヴァルターの気迫に圧倒され、素直に首を縦に振った。
ヴァルター「大広間までは私も着いていきます。安心してください。」
大広間までの長い廊下では、私を見るなり色々な人が顔を顰め、噂話をし始めている。
メイド「[小文字]あの子が噂の……?[/小文字]」
メイド2「[小文字]こんなに純粋そうな子なのに……[/小文字]」
メイド3「[小文字]いや、でも分からないわよ……普段は穏やかな人こそ、何を考えてるか肝心な時に分からないもの。[/小文字]」
メイド「[小文字]アーリャちゃんの事ドールで襲ったんですって……?信じられない……[/小文字]」
よく分からない噂話だと思ったが、アーリャさんの名前が出てきた瞬間、急に自分に関係のある話だとさっかくし、聞き耳を立ててしまった。
アメリア「みなさん、おはようございます!」
メイド達「っ……はい、姫様、おはようございます。」
私が話しかけると、メイド達はどこか気まずそうな顔をして蜘蛛の子を散らすように移動してしまった。
ヴァルターさんに連れられ、廊下を歩いていたらいつの間にか大広間前に着いていた。
威圧感のある大きなドアがそびえ立っている。
ヴァルター「姫様の執事です。大広間に入らせてください。」
門番「了解致しました、ヴァルター様。」
門番達はいつもと同じような様子でドアを開け、私達を大広間へ案内した。
大広間へ1歩入った瞬間、空気が変わったのが感じ取れた。
部屋全体に幾つもある大きな窓に、歴代国王の肖像画が飾られている壁。重厚な赤いカーペットの古びた匂いが鼻に入ってきた。
壁沿いにはメイド達や執事達。よく見るとロイドさんやサイモンさん、ジョニーさんも居る。
レグルス「よく来た……アメリア、我が娘よ」
玉座に座ったお父様が私に話しかける。
急いで玉座の前に移動し、ひざまづいた。
レグルス「昨夜は迷子になっていたようだか……良く眠れたか?」
アメリア「……?はい……」
レグルス「今日はお前に言いたい事がある。だからこうやって呼び出したのだ。」
そう言いながらお父様は、1枚の紙を私に見せた。
[斜体][中央寄せ][明朝体]第二王女アメリア・フォルスタッフ王宮追放令
王国の第二王女アメリア・フォルスタッフを昨夜の《メイデン・ドール暴走事件》首謀者と認定し、王宮からの追放を行う。
よって、アメリア・フォルスタッフは今日中に必要な荷物を纏め王宮から出ていくよう命じる。[/明朝体][/中央寄せ][/斜体]
と書かれていた。
一瞬で頭が真っ白になった。
レグルス「お前が、ドールに包丁を持たせてアーリャを傷付けたのか……」
アメリア「違いますっ!昨日の夜私は自分の部屋にいました!」
気難しい顔で私を疑うお父様に必死で反論をした。
ヴァルター「ならば、これはどう言う事になるのですか?」
すると、さっきまで黙っていたヴァルターさんが執事服のポケットから何かを取り出した。
[大文字][太字]それは、血のべっとりついた包丁と、ドール専用の工具だった。[/太字][/大文字]
ヴァルター「ご覧の通り、証拠ならここにございます。このように、王女様は自らの意思でドールを改造し、メイドを傷付けたのです」
毅然とした態度で嘘をつくヴァルターさんを前に、お父様は疑わしい、と言っているような顔をしている。
レグルス「アメリアよ……正直に答えろ、昨日の夜、何をしていた?」
上手く回らない頭のままで、私はしどろもどろに答えた。
アメリア「私は昨夜……水を飲もうと台所に行ってから迷子になってヴァルターさんに部屋に案内されたあと、部屋に戻って寝ていました」
レグルス「そうか……我が娘よ」
レグルス「やはり、この《メイデン・ドール暴走事件》は偽の事件だったか。すまない、アメリ」
お父様が言い終わらない内に、ヴァルターさんが声を上げた。
ヴァルター「いえ、国王様。確かに私は、王女様がドールに包丁を持たせる所とドールがアーリャを傷付けるところを目撃致しました」
相変わらずの毅然とした態度で、ヴァルターはお父様に嘘を報告した。
ヴァルターの口角が歪に上がっていく。
審判の時が来た。
レグルス「アメリアよ……弱い父親で、すまなかった」
アメリア「待ってくださいお父様!私の言っていたことを信じてください!」
レグルス[太字][大文字]「《第二王女アメリア・フォルスタッフ追放令》に署名する。」[/大文字][/太字]
お父様はヴァルターさんから万年筆を受け取り、滑らかな筆記体で名前を書いた。
レグルス「アメリア、今日中に必要な荷物を纏めなさい。夕方の鐘が鳴る時には王宮から出てもらう。」
[中央寄せ][大文字][太字]その瞬間、多くの執事やメイド達から拍手が鳴り響いた。[/太字][/大文字][/中央寄せ]
みんな不敵な笑みを浮かべている。
アメリア「はい……お父様」
[明朝体]まだ明るい筈の陽の光が、残酷なスポットライトとして彼女を照らしていた。[/明朝体]