晴が死んだのは、今日みたいにすっきりとした天気で、星が綺麗だった。あの日、星を見に行こうと約束して帰宅し支度をしている時に、晴が死んだという連絡があった。死因は交通事故。昼間から酒を飲んだ酔っぱらいの運転する車が、歩道に突っ込んできたらしい。幸か不幸か、その歩道には晴以外誰もいなかった。晴だけがいる歩道に、まるで狙ったかのように一直線に、猛スピードで突っ込んできたそうだ。晴はもちろん即死。苦しまずに死ねたのは、不幸中の幸いだと思う。
___いや、そう思わないと、私は自分を保てなかった。星を見るためにお父さんに借りた望遠鏡は、その役割を果たすことなくどこかにしまってしまった。あの日着ようと思っていたおろしたてのダウンコートも、クローゼットの奥。私はあの日の記憶を全て消してしまいたかった。だから、あの日を思い出させるものは全て奥に押し込めた。
あの日からだろうか、元からであっただろうか、私は感情がひどく乏しくなった。晴に教えてもらった友愛も、晴といることで感じられるようになった明るくて楽しいという気持ちも、酔っぱらいの運転手に対する激しい憎悪でさえ、どこかに逃げてしまった。私に残ったのは、「冬が嫌い」ただそれだけ。
あの日から随分経ったように思いふとスマホアプリのカレンダーを開いてみると、ちょうど2年の時が過ぎていた。あぁ、お墓参り、と思った。が、すでにお墓に行ける時間ではない。それならもう、向かうべき場所は一つだった。
___いや、そう思わないと、私は自分を保てなかった。星を見るためにお父さんに借りた望遠鏡は、その役割を果たすことなくどこかにしまってしまった。あの日着ようと思っていたおろしたてのダウンコートも、クローゼットの奥。私はあの日の記憶を全て消してしまいたかった。だから、あの日を思い出させるものは全て奥に押し込めた。
あの日からだろうか、元からであっただろうか、私は感情がひどく乏しくなった。晴に教えてもらった友愛も、晴といることで感じられるようになった明るくて楽しいという気持ちも、酔っぱらいの運転手に対する激しい憎悪でさえ、どこかに逃げてしまった。私に残ったのは、「冬が嫌い」ただそれだけ。
あの日から随分経ったように思いふとスマホアプリのカレンダーを開いてみると、ちょうど2年の時が過ぎていた。あぁ、お墓参り、と思った。が、すでにお墓に行ける時間ではない。それならもう、向かうべき場所は一つだった。