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晴が解けたら

#12

違和

一年後の晴の命日に私はまた、あの歩道へと向かった。
「やっほー晴、久しぶりだね!あのね、晴、私ね、いっぱい友達できたんだよ!最近学校が楽しいの!」
私は学校で、晴と同じように振る舞うようになった。その結果友達は増えて、学校生活がどんどん充実していった。いつのまにか、『冬が嫌い』という感情でさえ、忘れそうになっていた。だって晴はどの季節も好きだったから。
「晴、ありがとう。晴の日記読んで分かったの。晴は私のこと大好きだったよね。思い上がりじゃなければいいけど、私も晴のこと大好きなの。晴がもういないっていうのは寂しいでしょ?だからね、晴を一番よく知ってる私が、晴みたいになればいいんじゃないかなって思ったの!」
「…愛ちゃん?」
声のした方へ振り向くと、そこには太晴がいた。以前の愛華なら、嫌な顔をして足早に去っていただろう。でも、晴を模倣した今の愛華は違った。
「あ!太晴、久しぶりだね!元気だった?」
ニコニコして話しかける私を、太晴は気味悪そうに見つめた。その瞳に写っていたのは、他でもない愛華のはずなのに、愛華でないみたいだった。
「う、うん。元気だよ。愛ちゃん、なんか変わったね?」
「分かる?私ね、晴みたいな子になるって決めたの!」
「…は?」
太晴は心底分からないという顔をしていた。
「何言ってるの愛ちゃん…?愛ちゃんは愛ちゃんだよ」
言葉をゆっくり紡ぐ太晴は少し焦っているようだった。なぜかは分からない。
「……愛ちゃん、うちでご飯食べよう。母さんも喜ぶよ。」
私はあの日と同じように頷き、晴の家へと向かった。

2024/03/12 22:29

ゆむ
ID:≫ 6.VVYg7HInCPA
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