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コピーにもなれない

#2

一話

[漢字]結城碧[/漢字][ふりがな]ゆうきあおい[/ふりがな]



どっちかというと、私はこの名前が嫌いだ。



自分には見合わない、かわいらしい名前。



付けてくれた両親には申し訳ないけど、”碧”なんて名前、欲しくなかった。



名前が私の枷になるから___。






































「おはよ」




そういって食卓に着いた私を


お母さんはちらっと見て、




「おはよう」




いつも通り、そう返した。




「はい。さっさと食べちゃいな」




湯気が立ち上るみそ汁に、ほかほかのご飯。




それと、ちょっとしたおかず。




いつも通り、


「いただきます」


と言って朝食を食べ始める。




おいしい。


なんて照れくさくて言えないから、


ただ、黙々と食べ続ける。




「ごちそうさま」




私の家ではお皿は自分で洗うことになってるから、


すぐに流しに持っていってお皿を洗う。




歯磨き、洗顔、身支度。



すべてをいつも通り終わらせて、時計を見る。



そろそろ?



___ピーンポーン



小学校から変わらないいつもの時間に、


聞きなれたチャイムの音が鳴った。





「おはよー!」





幼馴染の[漢字]戸谷優莉[/漢字][ふりがな]とたにゆうり[/ふりがな]。




いつも明るくて、誰にでも積極的に話しかける。




それこそ、男女関係なく。




当たり前のように優しく、たくさんの人から好かれて。




そんな彼女が羨ましくて、しょうがない。




「おはよ。制服めっちゃ似合うね…。」




「ほんと!?うれしー!!」




優莉の制服の着こなしは、




私みたいに、違和感があるわけじゃない。





自分に合った制服の着方を分かっている、





まさに、”正解”。





「でも、碧もにあうね~!」




お世辞だ。




大丈夫、分かってるよ。




私に制服が似合ってないことくらい。




それでも、




優莉が言うと、本当にそう思っているかのように聞こえてしまう。




それが彼女のいいところ……だから。



 





なにも言えない。




「ありがと」





ちょっと笑ってそれだけ返して、


一緒に学校まで歩き出す。





隣で楽しそうに話す優莉を見て、



思ってしまう。



















____まぶしすぎる。













優莉は……君は、まぶしすぎる。










優莉に憧れて、優莉みたいになりたくて、



………優莉をどうにか追い越したくて。




勉強も、運動も頑張ったけど



結局、君には勝てなかった。








「でさー、絵をコピーしてもクオリティを下げないようにするにはどうすればいいかなぁーって…」



絵が得意な、優莉らしい話題を振られるけど、



私は絵を描かないし、興味もないから



よくわからない。






「私は別に絵描かないからなぁ」



「だよねぇぇ」



はぁ、とため息をつく優莉。









”コピーをしたらクオリティが下がる”








なら、君[漢字]の真似[/漢字][ふりがな]をコピー[/ふりがな]をしても、


君みたいになれなかった私はきっと_____












「[小文字]____コピーですらないよね[/小文字]」












「…?なんか言った?」

「………ううん」











































































_____知ってたよ、私は君のコピーにもなれない。
















2024/06/09 10:07

あお
ID:≫ 04Jl01ErZt3lA
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