マスク詐欺口裂け女
男は人通りの少ない、ずんと暗い夜道をただ一人歩いていた。そこで赤いワンピースを着てる女に鉢合わせた。
女は、
「私…綺麗?」
と、男に尋ねた。
「わー。お姉さんめちゃくちゃ綺麗じゃないですか!正直すごいタイプかも」と、男は答えた。女は少し笑った。男は見逃さない。
「…これでも?」
女の問いに男は「おー!お姉さんマスク外してもきれいとか最高じゃないですか。おっと心の声が、お姉さんこの後暇すか?」と興奮した。男はこの女が彼に惚れていることを確信していた。
女は「あ、大丈夫です。お兄さんのお陰で自信つきました。えへ、ありがとうございましたー。頑張ってきます!」と、一礼しニコニコしながら、ぴょこぴょこ歩きだし暗闇に消えていった。男は戸惑った。
そして、マスクを外しタバコをふかした。
「ぶさっ」
さっきとは違う、知らない女に言われた。
今しがたすれ違ったばかりの、どこの馬の骨かわからぬ女。きっと化粧や脱毛すら知らぬ女。セーラー服のコスプレをした女。
ポツポツ降り始めた雨が男を濡らした。
男は暗闇に消えたその女をしばらく見つめていた。いつまでも、いつまでも。
女は、
「私…綺麗?」
と、男に尋ねた。
「わー。お姉さんめちゃくちゃ綺麗じゃないですか!正直すごいタイプかも」と、男は答えた。女は少し笑った。男は見逃さない。
「…これでも?」
女の問いに男は「おー!お姉さんマスク外してもきれいとか最高じゃないですか。おっと心の声が、お姉さんこの後暇すか?」と興奮した。男はこの女が彼に惚れていることを確信していた。
女は「あ、大丈夫です。お兄さんのお陰で自信つきました。えへ、ありがとうございましたー。頑張ってきます!」と、一礼しニコニコしながら、ぴょこぴょこ歩きだし暗闇に消えていった。男は戸惑った。
そして、マスクを外しタバコをふかした。
「ぶさっ」
さっきとは違う、知らない女に言われた。
今しがたすれ違ったばかりの、どこの馬の骨かわからぬ女。きっと化粧や脱毛すら知らぬ女。セーラー服のコスプレをした女。
ポツポツ降り始めた雨が男を濡らした。
男は暗闇に消えたその女をしばらく見つめていた。いつまでも、いつまでも。
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