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「聞き取れない側…?」
そう言った瞬間、
頭の奥がじくりと痛んだ。
まるで、
言葉を無理やり押し戻されたみたいに。
目の前の人物は、
年齢も性別も判然としない。
笑っているはずなのに、
顔の輪郭がどこか曖昧で、
視線を合わせようとすると焦点がずれる。
「ね、ほら。今も[太字][大文字][明朝体]そこ[/明朝体][/大文字][/太字]が抜けたでしょ?」
「…何が、ですか」
「自分で気づいてないのが一番面白いんだよなあ」
その人―いや、
その[太字]何か[/太字]は、
床に腰を下ろして、
子どもみたいに足をぶらぶらさせた。
この場所もおかしい。
部屋のはずなのに、
壁の向こうが夜空だったり、
病院の廊下みたいな音が遠くでしたりする。
「ここはね、君が思ってる[太字]世界[/太字]の外側」
「外…?」
「正確には、はみ出した場所。
弾かれた、って言ったほうが分かりやすい?」
喉がひくりと鳴る。
「じゃあ、俺は…死んだんですか」
「ぶー。惜しいけど違う」
その人は人差し指を立てて、
にやりと笑った。
「君はまだ生きてる。
ただし―[太字][大文字][明朝体]意味を失ったまま[/明朝体][/大文字][/太字]」
意味。
その単語を聞いた瞬間、
胸の奥が妙に軽くなった。
怖いはずなのに、
納得してしまいそうになる自分がいる。
「君はね、本当は“~~~~~”だったんだよ」
まただ。
確かに聞こえているのに、
その肝心な部分だけが、
白いノイズに塗りつぶされる。
「だから聞こえない。
役割を忘れた存在は、自分の名前も、理由も、聞き取れないんだ」
「…思い出せば、どうなるんですか」
少しだけ、
相手の笑みが消えた。
「思い出したら?
戻るか、壊れるか。どっちかだね」
静寂が落ちる。
逃げたい。
でも、
ここがどこなのかも分からない。
「選ばせてあげるよ」
その人は立ち上がり、
夜空みたいな壁を指さした。
「ここに残って、[太字]聞こえない側[/太字]のまま漂うか。
それとも、自分が何だったのかを探しに行くか」
振り返ると、いつの間にか、もう一つ扉があった。
見覚えのあるような、ないような―胸が痛む扉。
「さあ。
君はどっち?」
そう言った瞬間、
頭の奥がじくりと痛んだ。
まるで、
言葉を無理やり押し戻されたみたいに。
目の前の人物は、
年齢も性別も判然としない。
笑っているはずなのに、
顔の輪郭がどこか曖昧で、
視線を合わせようとすると焦点がずれる。
「ね、ほら。今も[太字][大文字][明朝体]そこ[/明朝体][/大文字][/太字]が抜けたでしょ?」
「…何が、ですか」
「自分で気づいてないのが一番面白いんだよなあ」
その人―いや、
その[太字]何か[/太字]は、
床に腰を下ろして、
子どもみたいに足をぶらぶらさせた。
この場所もおかしい。
部屋のはずなのに、
壁の向こうが夜空だったり、
病院の廊下みたいな音が遠くでしたりする。
「ここはね、君が思ってる[太字]世界[/太字]の外側」
「外…?」
「正確には、はみ出した場所。
弾かれた、って言ったほうが分かりやすい?」
喉がひくりと鳴る。
「じゃあ、俺は…死んだんですか」
「ぶー。惜しいけど違う」
その人は人差し指を立てて、
にやりと笑った。
「君はまだ生きてる。
ただし―[太字][大文字][明朝体]意味を失ったまま[/明朝体][/大文字][/太字]」
意味。
その単語を聞いた瞬間、
胸の奥が妙に軽くなった。
怖いはずなのに、
納得してしまいそうになる自分がいる。
「君はね、本当は“~~~~~”だったんだよ」
まただ。
確かに聞こえているのに、
その肝心な部分だけが、
白いノイズに塗りつぶされる。
「だから聞こえない。
役割を忘れた存在は、自分の名前も、理由も、聞き取れないんだ」
「…思い出せば、どうなるんですか」
少しだけ、
相手の笑みが消えた。
「思い出したら?
戻るか、壊れるか。どっちかだね」
静寂が落ちる。
逃げたい。
でも、
ここがどこなのかも分からない。
「選ばせてあげるよ」
その人は立ち上がり、
夜空みたいな壁を指さした。
「ここに残って、[太字]聞こえない側[/太字]のまま漂うか。
それとも、自分が何だったのかを探しに行くか」
振り返ると、いつの間にか、もう一つ扉があった。
見覚えのあるような、ないような―胸が痛む扉。
「さあ。
君はどっち?」