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創世記〈命と自由〉

#53

再会と再開

自然の都、ネイチェリア。
そう謳われてはいるものの、誰もその星に降り立ったことはないと言われる摩訶不思議な星。
でも、星は何も言わないのに。

「歓迎、されてる気がする」
「⋯⋯お前の、生まれ故郷だったな。ここは」

静かに飛空艇を降り、辺りを見渡す。
辺り一面の花畑。遠くに見えるは花畑を囲むようにしてそびえ立っている森。
ここまで、自然豊かな星だったっけ。
もう何年も戻ってきていないからか、すべてが新鮮に感じられる。

「⋯建物一つ見当たらないな」

辺りを少し探索していたメテオが戻ってくる。
確かに、自然ばかりで人工物など一つも見当たらない。
となると残る手段は⋯

「あの人達に会いに行くしかない」






「来たね」

ライの言葉に、2人とも頷く。
予めライとフライが張っていた結界は解いておいた。
ここは古くからライ達の縄張り⋯だったらしいので、庭みたいに構造は理解しているそうだ。
キハルがそっと扉を開け、外に出る。

「ちゃんと、覚えてるかな?」
「出ていったのが何年も昔のことだ、覚えていることは少ないだろうな」
「それってさ〜、迎えに行ったほうが良くな〜い?」

言っている間に、ライはもう飛び上がっている。
やれやれ、と言いつつフライも空中に浮き上がった。

「キハルちゃんはそこに居てて、私達で探してくるから」

ライは軽くウインクをすると、猛スピードで地平の彼方へと飛び去っていく。

「⋯⋯何かあったら、すぐ連絡を入れろ」
「分かってるよ」

フライも飛び去った後、氷姫が語りかけようとしてくる。
言葉にする前からわかる、何かいると。

「異心同体だからね、分かるよ」
「気づいていなかったら嘲笑っているところだったな」

何かいる。気配がする。
生き物の気配にしては、多すぎる魔力量。
あれはなに?なにが来ている?
いつでも魔術を発動できるよう準備する。

「やっと抜けた〜!」
「なに悠長なこと言ってるんだ」

2人。そのうち一人は見覚えがある。
ただ、念の為選別を。
【[漢字]光[/漢字][ふりがな]ライネス[/ふりがな]】
無口頭で、光を操る。
あの特訓の成果が出ているようだ。

「アカリ、避けろ!」

その一声で、アカリは宙返りで襲いかかる光を躱す。
一方メテオはというと、同じく空中で器用に光を躱しながら弾を込めていた。
【魔術装填、射出】

「っ、【[漢字]闇[/漢字][ふりがな]ダーネス[/ふりがな]】の魔術!」

光と闇では相反する属性のため相殺される。
キハルは魔術を解いた。
同時に、2人が着地する。

「いきなり攻撃してくるとはな」
「仕方ないよ、僕たちは傍から見れば侵入者だし」

もしかして、あの人達⋯
そう思った瞬間、女性にしては低い氷姫の声が頭の中で響く。
(体を借りる)
そう伝わった瞬間、キハルの意識は心の奥底に沈んだ。

「先程は攻撃してすまなかったな。来い、神殿に連れて行ってやる」
「え、いいの⋯?」
「お詫びだ」

早くしないと置いていくぞ、と2人を催促して神殿へと向かう。
キハルには⋯意識が戻ったときにでも伝えておくこととしよう。
後ろから、疑いの目が向けられている。

「罠に嵌めるなどという狡い手は使わない、不満でもあるのか?」
「⋯⋯いや。名前は?」
「僕はアカリで、こっちはメテオ!」

キハルと同じく、純粋なやつだ。
そう思いながら、真名を告げる。

「キリカ。創世を、紡ぎ直す手伝いをするものだ」

作者メッセージ

ネイチェリア編開幕〜!!
覚えてますかね?キリカ(氷姫)さんがキハルに叡智級までの魔術は無口頭で扱え、と言っていたのを。
まだ流石に無理ですが、特級までは無口頭で発動できるようになってます。

2026/02/04 21:00

AZ
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