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この作品は現在作者が連載している3作品のネタバレを含む可能性があります。
「やほ」
「マジで来た…」
チャイムが鳴って、ドアを開ける。彼女が、いた。
絶対来ないと思ってたのに…
「ちょ、寒いんだけど」
「あ、ごめん。どうぞ上がって」
そんなこんなで始まった正月。親は弟と福袋を買いに行っていていない、そう絶好のチャンスなのだ。
彼女を家に上げて、リビングに通す。
「親は?」
「3時までいない」
「今午前11時ですけど」
そう、4時間家に誰もいないのだ。
「え、絶対一緒に行こうって言われたよね?」
心底信じられない、といった様子で彼女が聞いてくる。
「断った。来なくてもひとり時間はゴロゴロできるし」
まあいいや!とすぐ切り替え、リビングに入る。
普通の一軒家なので、特に目新しいものなんてない。
「てか、なんで呼んだのよ」
「おせち一緒に食べよって言わなかった?」
「聞いてなかったごめん」
自由すぎる彼女に呆れつつも、冷蔵庫を開ける。
おせちの品がいくつか減っても、僕が食べたって言えば済む話だしな。
3段のおせちを取り出し、机に1段ずつ並べる。
彼女の目が心做しか光っている気がする。
「よし、食べよう!」
「早すぎやしないか?」
「いただきます」
その声の答えは帰ってこない。
「うっま!え、めっちゃいいやつじゃんこれ」
「そうか?」
あまり美味しくはない。ただ料理の味が残酷に舌に残るだけ。
「流石に全部は食べないから安心して?」
「食べられたらどう言い訳したらいいんだよ」
君は、笑ってる?見えないから、よくわからない。
ずっと美味しい美味しいっていいながら食べてるし、まあ僕のせいもちょっとはあるだろうね。
「受験さ、何も勉強してないんだよ」
唐突な告白。勉強しろよ、飯食ってないで。
「は?あと1年だぞ?」
「1年もあるから大丈夫です〜」
「っていうかもう1年どころか、1ヶ月もなくね?」
…聞いてない。都合の悪いことだけ聞き流せるなんて、すごい耳だよね。君の耳。
それでも、全部は聞き流せなかったけど。
「眠い!お休み!」
一言宣言するなり、コタツにこもって寝る体制に入る。
…ほんと、自由人だよな。
「そんな君も、もういない」
今日は両親は弟につきっきりで買い物。2時まで帰ってこないのにまだ午前11時。
冷蔵庫を開けて、3段のおせちを並べる。
「あのときは…黒豆だっけ、君が食べてたの」
意味は…まめになんちゃらとか、そんなのだった気がする。
おせちの効果もなかったしね、幸福なんて来やしなかった。
受験シーズンまで、残り1ヶ月を切った。
「…食べ終わったら、勉強するか」
そうして僕は、箸を進めた。
「マジで来た…」
チャイムが鳴って、ドアを開ける。彼女が、いた。
絶対来ないと思ってたのに…
「ちょ、寒いんだけど」
「あ、ごめん。どうぞ上がって」
そんなこんなで始まった正月。親は弟と福袋を買いに行っていていない、そう絶好のチャンスなのだ。
彼女を家に上げて、リビングに通す。
「親は?」
「3時までいない」
「今午前11時ですけど」
そう、4時間家に誰もいないのだ。
「え、絶対一緒に行こうって言われたよね?」
心底信じられない、といった様子で彼女が聞いてくる。
「断った。来なくてもひとり時間はゴロゴロできるし」
まあいいや!とすぐ切り替え、リビングに入る。
普通の一軒家なので、特に目新しいものなんてない。
「てか、なんで呼んだのよ」
「おせち一緒に食べよって言わなかった?」
「聞いてなかったごめん」
自由すぎる彼女に呆れつつも、冷蔵庫を開ける。
おせちの品がいくつか減っても、僕が食べたって言えば済む話だしな。
3段のおせちを取り出し、机に1段ずつ並べる。
彼女の目が心做しか光っている気がする。
「よし、食べよう!」
「早すぎやしないか?」
「いただきます」
その声の答えは帰ってこない。
「うっま!え、めっちゃいいやつじゃんこれ」
「そうか?」
あまり美味しくはない。ただ料理の味が残酷に舌に残るだけ。
「流石に全部は食べないから安心して?」
「食べられたらどう言い訳したらいいんだよ」
君は、笑ってる?見えないから、よくわからない。
ずっと美味しい美味しいっていいながら食べてるし、まあ僕のせいもちょっとはあるだろうね。
「受験さ、何も勉強してないんだよ」
唐突な告白。勉強しろよ、飯食ってないで。
「は?あと1年だぞ?」
「1年もあるから大丈夫です〜」
「っていうかもう1年どころか、1ヶ月もなくね?」
…聞いてない。都合の悪いことだけ聞き流せるなんて、すごい耳だよね。君の耳。
それでも、全部は聞き流せなかったけど。
「眠い!お休み!」
一言宣言するなり、コタツにこもって寝る体制に入る。
…ほんと、自由人だよな。
「そんな君も、もういない」
今日は両親は弟につきっきりで買い物。2時まで帰ってこないのにまだ午前11時。
冷蔵庫を開けて、3段のおせちを並べる。
「あのときは…黒豆だっけ、君が食べてたの」
意味は…まめになんちゃらとか、そんなのだった気がする。
おせちの効果もなかったしね、幸福なんて来やしなかった。
受験シーズンまで、残り1ヶ月を切った。
「…食べ終わったら、勉強するか」
そうして僕は、箸を進めた。