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死を連想させる表現があります。ご注意ください。
初めて意識が芽生えたのは、どこか暗い部屋の中。
そこに一筋の光が差した。
「おはよう。いや、はじめましてかな?」
思ったことは、伝えられない。
ただ、強く息を吐きだしただけ。
音なんて鳴らない。体も動かない。座っているのですら、体が重くて辛い。
その光は、地獄への扉だった。
「オリジナルのデータはないからね、私達が予測した成長段階で進めていくしかない」
「そうですね、そのためには一般的な知識だけはつけさせておかないといけません」
体の動かし方、声という音の鳴らし方、移動の仕方、魔術の使い方。
全部1から教わった。でも、一つだけ約束があった。
『私達については、何も聞かないこと。私達は、貴方をただサポートするだけの存在と覚えておきなさい』
当時、僕は何も思わなかった。幼さ故じゃない、そう教育させられてきたから。
「そう!もっと早く撃て!!」
「違う!!そこは反撃するべきだった!!」
「素晴らしい!君は私達の誇りだよ!!」
なんの目的で、僕に魔術や体術などの戦闘の仕方を教えていたのかは今でもわからない。
その日から、怒られることが増えた。
でも、良いことをすれば褒めてもらえた。
だんだん、理解してきていたんだ。
この人たちは、僕に何を求めているのかを。
この行動をすれば、怒られる。
この行動をすれば、褒められる。
ただ、彼らにとって良いか悪いかが僕の判断基準だった。
「今まで生み出してきた中で、最高傑作だよ」
「やはり、オリジナルとなる被検体が良かったからでしょうね」
「ああ、早く実用化に向けて訓練しなければ」
オリジナル。
それぐらい僕でも分かる。
僕は、ずっと見てきた仲間⋯屍たちと同じだったんだ。
まず、何故そもそも自分だけが特別だと思いこんでいたのだろう。
最高傑作と褒められたから?
オリジナルを見たことがなかったから?
どうでもいい。
僕は彼らの命令に従い続けるだけ。
「おい、テメェ何してんだ」
そう思ってたのに。
君と出会って、変わらざるを得なかった。
「ただ、散歩してただけだよ」
その日は、特別に街の中なら自由に過ごしていいと言われて。
ただのんびりと歩いていただけだった。
そんな時、明らかに街の人じゃない人がいた。
それで、声をかけられた。
『何してるんだ』って。
散歩してるだけ、って言ったのに、君は僕をずっと見てくる。
「テメェも、この街の人じゃねぇだろ」
「⋯違う、僕はこの街の人」
僕は、この街で生まれた。
だけど、生まれただけで、僕は人なの?
「⋯どーでもいい。ちょうど、クソ兄貴と絶縁して逃げてきたところだ」
君は立ち上がって、有無を言わさない目つきで僕の手を握ってきた。
「相棒、探してたんだよ。一緒に来い、拒否権はねぇ」
僕は屍。
誰かにとって有益な行動をする生きたロボット。
でも、僕のあの時の選択は⋯今でも後悔はしていない。
[水平線]
「おい、起きろシャッタード」
「⋯⋯ダイ?」
見慣れない部屋、ベッドに横たわるダイ、そしてその上で寝ていた僕。
なんで、こうなったんだっけ⋯
そうだ、ダイとメテオさんの魔力が歪になって、止めに行くために扉を開けて、それで⋯⋯
「記憶、ねぇだろ」
「⋯⋯うん」
「俺が消した。お前らが入ってきて、お前はすぐに俺の方に来て。⋯⋯あんな地獄、覚えてる必要ねぇだろ」
その後、アカリさんがダイとメテオさんを(どうやったのかはしらないが)どうにかして正気に戻し、今は飛空艇で療養中だという。
よく、止められたな⋯アカリさん。
一瞬だけ見えた、二人の姿。
一言で表すなら、荒れ狂った獣。
あとで、お礼を言っておこう。
⋯僕は屍。
でも、生きたロボットじゃない。
生きる意志を持った、屍。
そこに一筋の光が差した。
「おはよう。いや、はじめましてかな?」
思ったことは、伝えられない。
ただ、強く息を吐きだしただけ。
音なんて鳴らない。体も動かない。座っているのですら、体が重くて辛い。
その光は、地獄への扉だった。
「オリジナルのデータはないからね、私達が予測した成長段階で進めていくしかない」
「そうですね、そのためには一般的な知識だけはつけさせておかないといけません」
体の動かし方、声という音の鳴らし方、移動の仕方、魔術の使い方。
全部1から教わった。でも、一つだけ約束があった。
『私達については、何も聞かないこと。私達は、貴方をただサポートするだけの存在と覚えておきなさい』
当時、僕は何も思わなかった。幼さ故じゃない、そう教育させられてきたから。
「そう!もっと早く撃て!!」
「違う!!そこは反撃するべきだった!!」
「素晴らしい!君は私達の誇りだよ!!」
なんの目的で、僕に魔術や体術などの戦闘の仕方を教えていたのかは今でもわからない。
その日から、怒られることが増えた。
でも、良いことをすれば褒めてもらえた。
だんだん、理解してきていたんだ。
この人たちは、僕に何を求めているのかを。
この行動をすれば、怒られる。
この行動をすれば、褒められる。
ただ、彼らにとって良いか悪いかが僕の判断基準だった。
「今まで生み出してきた中で、最高傑作だよ」
「やはり、オリジナルとなる被検体が良かったからでしょうね」
「ああ、早く実用化に向けて訓練しなければ」
オリジナル。
それぐらい僕でも分かる。
僕は、ずっと見てきた仲間⋯屍たちと同じだったんだ。
まず、何故そもそも自分だけが特別だと思いこんでいたのだろう。
最高傑作と褒められたから?
オリジナルを見たことがなかったから?
どうでもいい。
僕は彼らの命令に従い続けるだけ。
「おい、テメェ何してんだ」
そう思ってたのに。
君と出会って、変わらざるを得なかった。
「ただ、散歩してただけだよ」
その日は、特別に街の中なら自由に過ごしていいと言われて。
ただのんびりと歩いていただけだった。
そんな時、明らかに街の人じゃない人がいた。
それで、声をかけられた。
『何してるんだ』って。
散歩してるだけ、って言ったのに、君は僕をずっと見てくる。
「テメェも、この街の人じゃねぇだろ」
「⋯違う、僕はこの街の人」
僕は、この街で生まれた。
だけど、生まれただけで、僕は人なの?
「⋯どーでもいい。ちょうど、クソ兄貴と絶縁して逃げてきたところだ」
君は立ち上がって、有無を言わさない目つきで僕の手を握ってきた。
「相棒、探してたんだよ。一緒に来い、拒否権はねぇ」
僕は屍。
誰かにとって有益な行動をする生きたロボット。
でも、僕のあの時の選択は⋯今でも後悔はしていない。
[水平線]
「おい、起きろシャッタード」
「⋯⋯ダイ?」
見慣れない部屋、ベッドに横たわるダイ、そしてその上で寝ていた僕。
なんで、こうなったんだっけ⋯
そうだ、ダイとメテオさんの魔力が歪になって、止めに行くために扉を開けて、それで⋯⋯
「記憶、ねぇだろ」
「⋯⋯うん」
「俺が消した。お前らが入ってきて、お前はすぐに俺の方に来て。⋯⋯あんな地獄、覚えてる必要ねぇだろ」
その後、アカリさんがダイとメテオさんを(どうやったのかはしらないが)どうにかして正気に戻し、今は飛空艇で療養中だという。
よく、止められたな⋯アカリさん。
一瞬だけ見えた、二人の姿。
一言で表すなら、荒れ狂った獣。
あとで、お礼を言っておこう。
⋯僕は屍。
でも、生きたロボットじゃない。
生きる意志を持った、屍。
- 1.プロローグ
- 2.2人の騎士
- 3.2人の騎士〈2〉
- 4.今日の勉強日誌
- 5.今日の勉強日誌〈2〉
- 6.今日の勉強日誌〈3〉
- 7.フライは過保護?
- 8.記憶
- 9.目覚め
- 10.ライの隠し事
- 11.遥かなる旅人よ
- 12.邂逅
- 13.十の宝玉
- 14.光と闇と
- 15.ティストチェルト
- 16.勝負開始!
- 17.決着
- 18.その後、そして次へ
- 19.いたずらっ子
- 20.マドとマリ
- 21.予知夢
- 22.えーと、後いくつだっけ?
- 23.正直言って一番苦手
- 24.焼けて、焼かれて
- 25.トリックスター
- 26.休戦&取引
- 27.意外な事実
- 28.紺と紫の次は、水色と茜
- 29.2人の魔術の仕組み
- 30.そろそろお暇させて?
- 31.ティンクラーチュアリ
- 32.ようこそホーリー王国へ!
- 33.あ、これガチ勢だ
- 34.わあ、BLだぁ
- 35.お茶会しよーよ
- 36.闇に生きる者と光に生きる者
- 37.秘密の秘密
- 38.狂い咲き
- 39.圧倒的な
- 40.暗い__の底
- 41.暗い__の底【2】
- 42.待てと言われて待つ奴が居るか
- 43.実験都市リフレージュ
- 44.シャッタード
- 45.朧月夜
- 46.ご対面は険悪です
- 47.ヒビ割れは溝へと
- 48.不明瞭すぎる未来
- 49.絶
- 50.屍は蘇る
- 51.悪魔の声
- 52.創り始めの音
- 53.再会と再開
- 54.願の神殿
- 55.動け、踊らされるな
- 56.GUARDIAN【1】
- 57.TRAVELER【1】
- 58.KEEPER【1】
- 59.DREAMER【1】