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創世記〈命と自由〉

#50

屍は蘇る

「あの広場は、屍を蘇らせるための場所」

広場の外に出されてから、数分経った頃だろうか。
いきなり、シャッタードが何かを語り始めた。
でも、止めたら悪い気もして喉まで出かけた声をぐっと飲み込む。

「屍は、生きる意味も、目的も、使命も、すべてを与えられて。考える暇もなく、次から次にやることが増えていった」
「屍は、誰かの模倣体。誰かに命令されないと生きていけないし、誰かを真似しないと存在できない」
「屍は、感情も、思考も、想いも、なにもない。生きたロボット」

まるで詩のように語られていく言葉は、どこか悲しげな雰囲気を纏っている。
迷子のような風が、一陣のつむじ風を起こして目の前で消えた。
『屍は、誰かの奴隷だった』
言い方は少し悪いけれど、今までの言葉を要約するとこういうことなんだろう。

「[斜体]僕はその屍。君の屍で、ダイの屍。[/斜体]依存ってほどじゃないけど、僕はダイに頼る以外の生き方を知らない」

最初、あんなに小さかった声が、幼子のような人が、今は隣にいる。同じ大きさで、僕の[漢字]屍[/漢字][ふりがな]コピー[/ふりがな]として。
本当は、もっと自由に生きたいんだろうな。
僕と君は、願うものも、持っているものも正反対だから。

「赤ちゃんと、一緒なんじゃないかな」
「⋯⋯え⋯」

心外だと言いたげな顔をするシャッタードに、慌てて訂正の言葉を付け加える。

「だからね、えっと⋯⋯赤ちゃんってさ、最初は何にもできなくて皆に頼ってばっかりでしょ?それからどんどん成長して、自分でできることが増えていく」
「⋯当たり前だね」

何が言いたいのかさっぱりわからない。
そう言われているようで、己の語彙力不足と勉強不足を恨む。

「それと一緒だよ。シャッタードは、今から成長して、生き方を見つけていくんだ」

屍じゃなくて、ただ1人の人間として。
きっと、傍から見れば[漢字]ただのお節介なんだろう[/漢字][ふりがな]げんじつにはそんなひといるわけがない[/ふりがな]。
それでも、[漢字]会えたのは偶然じゃないと思いたいから[/漢字][ふりがな]これはぼくがしゅじんこうのものがたりだ[/ふりがな]。

「僕もまだまだダメなところいっぱいあるし、成長途中だからさ。一緒に成長しようよ」
「そうだね、⋯それがいいね」

やっと、笑ってくれた。
そして同時に、扉にかかっていた魔術が解け凄まじい轟音が響く。

「「!?」」

同時に扉を見やり、流れてくる異質な魔力の淀みを感じ取る。
吐きそうなくらい、濃密な魔力と空気。
頭がくらくらする。
でも、この魔力。

「知ってる、よね?」
「うん、でもどうして⋯」
「とにかく、行くしかないよ」

扉を開けた。





















そこは、ただの地獄絵図だった。
血と、魔力と、魔術と、涙。
全てが混じり合って、強烈な気配がする。
誰も気づかない。
誰もわからない。
この戦いの行方なんて。

作者メッセージ

後2話でリフレージュ編終幕!
まああと一幕あるんですけどね〜第一章もそろそろ終わりか⋯

2026/02/01 20:01

AZ
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