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創世記〈命と自由〉

#54

願の神殿

「キリカ⋯?キハルじゃなくて?」

アカリが不思議そうに首を傾げる。
まだ、知らないのだったな。私のこと、運命と使命のこと。
それも全て、この場所で分かる。

「全て分かる、時は来たのだから」

いつの間にか、古びた神殿が目の前にそびえ立っている。
ここが、神殿。
何故か、来たことあるような気がするのは⋯

「運命、だな」
「っ、心読んだの?」
「いや?私は何度も同じ光景を見てきた、ただそれだけだ」

一方のメテオは、黙々と神殿を見つめている。
何か興味深いものでも見るような瞳で、こちらと神殿を交互に見やる。
純粋で、純真。その素晴らしさが、これから『命』で縛られていくのを、私は何度も見てきた。

「さて、入ろう。審判者が待っている」

3人は、神殿の中へと歩みを進めた。





神殿の中は、想像の斜め上を行くような場所だった。
見た目のボロさとは裏腹に、中はしっかりとした造りのままでまるで城の一室のようだ。
石造りの壁をそっと撫でながら神殿の中を進む。
そして、一つの大きな観音扉の前にたどり着いた。

「ここが、真実を知る場所。創世を望むのなら、扉を開けろ」

キリカは扉の隣で立ち止まる。
アカリはゆっくりと前に進み出ると、両手で扉を押し開けた。
そこは謁見室のような場所で、奥の方に一つ玉座のようなものが置いてある。
先ほどよりも更に雅な雰囲気を醸し出しており、きらびやかさで頭が痛くなりそうだ。

「⋯⋯言葉に、できないな」
「そうだね、でも⋯⋯頭の霧が、晴れていくような気がする」

キリカも数歩後ろでアカリたちについていく。
そうして、玉座の前までたどり着いた。
玉座の背後には、石像が6つ。どれも玉座を見張るようにして建てられている。
そこから、二人の人影が揺らめいた。

「ふ〜ん?君がアカリちゃんの同伴者ってわけね、いい顔してるね〜」

先に姿を表したのはライ。
彼はメテオの顔をじっくりと覗き込むと、ケラケラと笑う。
メテオにはなにがおかしいのか全くわからない。急に笑い出した相手に、行き場のない手が中に蠢く。
そして、もう一つの人影は陽炎のように揺らめき、消える。
音もなく、風も揺らがず、ふわりとアカリの背後に降り立つ。

「キリカ。本当に⋯⋯いいんだな?」
「覚悟は承知の上だろう?さて、始めようか」

ポロポロと、アカリの握っていた宝玉10個が地面に転がり落ちる。
拾おうとした瞬間、意思でもあるかのように動き出し石像の胸にカチリとはまった。

「目覚めよ、呼び起こせ。我が名は炎氷の魔術師」
「この者たちに、審判を与えよ。我が名は審判者」
「選別し、真実を語り継げ。我が名は整理者」

ゴゴゴゴゴゴ⋯⋯
神殿全体が鳴動する。
強い揺れと、迸る魔力の光。
その強い衝撃に、思わず目を瞑る。
最後に聞いたのは、自分の口から出た言葉。
最後に見たのは、我が身へ振り下ろされる石像の剣だった。






「我が身を裁き、創世を願う。我が名は創造者」






創世記は、まだ序章に過ぎない。

作者メッセージ

だいぶかっこよくできた自信がある。
ここからですよ?タイトル回収は⋯

2026/02/05 21:10

AZ
ID:≫ 02G2GKZWXLhTI
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