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たとえ未来が同じでも

#21

21話

冬、すっかり雪景色になったある日のこと。
いつも通り騒がしい教室で、担任の先生が声をかけた。
「みんな、進路アンケートの提出期限が近いよ。そろそろ書いて提出してね。」
先生の言葉に、教室が一瞬ざわつく。
みんなはすでに書き終えているらしく、せわしなく提出用紙を取り出している。
しかし、私はまだ手元にある用紙を前に、ペンを握る手が止まったままだった。
(どうしよう……)
隣の席で絢が軽やかにペンを走らせているのを見て、胸がざわつく。
自分だけがまだ何を書けばいいのか分からず、心の中で迷っていることが露呈してしまった気がした。

放課後、私はみんなの姿を見かけた。
体育館では颯人と胡桃が子供たちと笑い合いながら遊んでいる。
保健室では千鶴が先生に手伝いを褒められ、誇らしげに微笑んでいる。
教室では絢が書いてきた短編を健気が静かに朗読していた。
(みんな、もう歩き始めてるんだ……)
その光景を見つめながら、私は心の奥に何かが芽生え始めるのを感じていた。

夜、静かな自分の部屋で文化祭の台本を手に取る。
ページをめくるたびに思い出す、みんなで作り上げた時間。
練習の中で笑い合い、励まし合い、台詞をかみしめながら伝えた想い。
(私、どうして台本を書いたんだろう……?)
心の声に向き合うと、答えは少しずつ形を成していった。
書くことが好き。
言葉で人の心に何かを届けたい。
伝えたい気持ちがある。
そう考えると、私の中の“軸”がはっきりと見えてきた。

翌朝、静かなホームルームの時間。
私はゆっくりとペンを取り、提出用紙に向かって書き始めた。
「将来なりたいもの:まだはっきりしていません。でも、私は——」
ペン先から紡がれる言葉に、確かな決意が込められていた。新しい一歩の始まりを感じながら、私は静かに目を閉じた。
——物語は、ここからまた新たな道へ続いていく。

2025/12/21 15:42

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