——幕が下りた。
会場を包んでいた緊張と熱気が、ゆっくりと冷めていく。
客席からの拍手がまだ耳に残っている中、私たちは静かに舞台裏へと引き上げた。
「……はぁぁあ、終わった……!!」
颯人が両手を広げて叫ぶ。
その声に、みんなが一気に笑い出した。
「演出チーム、めっちゃ良かったよ!」
「隕石落ちた瞬間、鳥肌立った〜!」
「アフレコも完璧だったね、タイミングぴったり!」
その声の中には、安堵と、達成感と、そしてほんの少しの寂しさが混じっていた。
私も、舞台衣装の裾を掴んだまま、深く息を吐いた。
「……ほんとに、終わったんだなぁ。」
気づけば、私のすぐ隣に胡桃が立っていた。
「神奈、お疲れ様。台本、大成功だったね!」
「うん……ありがとう、胡桃もアフレコばっちりだったよ。」
ふと、胡桃が後ろを振り返る。
その視線の先には、舞台袖にいた動物たちのケージ。
さっきまで舞台の上で跳ねたり、駆け回ったりしていた彼らも、
今は静かに落ち着いていた。
「ね、最後にちょっとだけ……」
そう言って胡桃がケージの扉を開けると、
白いうさぎが、ぴょこっと前足を上げて私たちを見上げた。
私はそっとしゃがみ込んで、うさぎの頭をなでた。
「ありがとう。ほんとに、助けてくれたね。」
隣では絢が、鳥をそっとケージに戻していた。
その動作一つ一つが、名残惜しそうに見える。
「なんかさ……」
と、絢がぽつりと呟く。
「このまま劇の中にいたくなっちゃうね。」
私は思わず笑ってしまった。
「私も。」
舞台に使った木々のセットが、クラスメイトたちの手で解体されていく。
ナレーション用のマイク、ライトのフィルター、プロジェクターのスクリーン……
あんなに大きく感じた“あの世界”が、少しずつ日常に戻っていく。
「……あっ」
と、千鶴が段ボールを抱えながら声を上げる。
「うさぎの餌、控室に忘れてた……!持ってくる!」
「私も行くー!」と、胡桃が手を挙げ、ふたりで廊下に駆けていった。
私はその背中を見送りながら、舞台に視線を戻す。
さっきまでそこにいた“ツキ”はもういない。
でも、あの光景と、あの気持ちは、胸の奥にまだ残っている。
「……あぁ、本当に終わったんだ。」
どこか、ぽっかりと穴が開いたような、そんな感覚だった。
「なにぼーっとしてんだよ、神奈ー!」
突然、背中をバンッと叩かれて振り返ると、颯人がにやっと笑っていた。
「まだ片付け終わってないぞー?」
「わかってるよ、もー……!」
私は苦笑しながら、衣装のスカートをたくし上げて動き出す。
思い出の舞台が、少しずつ姿を変えていく。
そのすべてが、今日という一日を物語っていた。
——文化祭は、まだ終わっていない。
クラスみんなで作ったこの劇の、最後の一幕まで。
きちんと、締めくくらなくちゃ。
会場を包んでいた緊張と熱気が、ゆっくりと冷めていく。
客席からの拍手がまだ耳に残っている中、私たちは静かに舞台裏へと引き上げた。
「……はぁぁあ、終わった……!!」
颯人が両手を広げて叫ぶ。
その声に、みんなが一気に笑い出した。
「演出チーム、めっちゃ良かったよ!」
「隕石落ちた瞬間、鳥肌立った〜!」
「アフレコも完璧だったね、タイミングぴったり!」
その声の中には、安堵と、達成感と、そしてほんの少しの寂しさが混じっていた。
私も、舞台衣装の裾を掴んだまま、深く息を吐いた。
「……ほんとに、終わったんだなぁ。」
気づけば、私のすぐ隣に胡桃が立っていた。
「神奈、お疲れ様。台本、大成功だったね!」
「うん……ありがとう、胡桃もアフレコばっちりだったよ。」
ふと、胡桃が後ろを振り返る。
その視線の先には、舞台袖にいた動物たちのケージ。
さっきまで舞台の上で跳ねたり、駆け回ったりしていた彼らも、
今は静かに落ち着いていた。
「ね、最後にちょっとだけ……」
そう言って胡桃がケージの扉を開けると、
白いうさぎが、ぴょこっと前足を上げて私たちを見上げた。
私はそっとしゃがみ込んで、うさぎの頭をなでた。
「ありがとう。ほんとに、助けてくれたね。」
隣では絢が、鳥をそっとケージに戻していた。
その動作一つ一つが、名残惜しそうに見える。
「なんかさ……」
と、絢がぽつりと呟く。
「このまま劇の中にいたくなっちゃうね。」
私は思わず笑ってしまった。
「私も。」
舞台に使った木々のセットが、クラスメイトたちの手で解体されていく。
ナレーション用のマイク、ライトのフィルター、プロジェクターのスクリーン……
あんなに大きく感じた“あの世界”が、少しずつ日常に戻っていく。
「……あっ」
と、千鶴が段ボールを抱えながら声を上げる。
「うさぎの餌、控室に忘れてた……!持ってくる!」
「私も行くー!」と、胡桃が手を挙げ、ふたりで廊下に駆けていった。
私はその背中を見送りながら、舞台に視線を戻す。
さっきまでそこにいた“ツキ”はもういない。
でも、あの光景と、あの気持ちは、胸の奥にまだ残っている。
「……あぁ、本当に終わったんだ。」
どこか、ぽっかりと穴が開いたような、そんな感覚だった。
「なにぼーっとしてんだよ、神奈ー!」
突然、背中をバンッと叩かれて振り返ると、颯人がにやっと笑っていた。
「まだ片付け終わってないぞー?」
「わかってるよ、もー……!」
私は苦笑しながら、衣装のスカートをたくし上げて動き出す。
思い出の舞台が、少しずつ姿を変えていく。
そのすべてが、今日という一日を物語っていた。
——文化祭は、まだ終わっていない。
クラスみんなで作ったこの劇の、最後の一幕まで。
きちんと、締めくくらなくちゃ。