屋台の灯りがにぎやかに揺れて、
夜の神社には、いくつもの笑い声と足音が混ざっていた。
「うわ、冷たっ!これうまーっ!」
颯人が勢いよくラムネの瓶を傾けて叫ぶ。
「ちょっと、そんな飲み方したら喉にビー玉詰まるよ」
胡桃が呆れ顔で言うと、
「さすがに詰まらねぇよ!!」と、颯人がわざと大げさに笑う。
そのやりとりに、みんなも自然と笑っていた。
それぞれが思い思いの屋台に立ち寄っては、
りんご飴を買ったり、金魚すくいをのぞいたり。
「ね、神奈。この子可愛くない?」
胡桃がすくい終わった金魚を覗き込んで話しかけてくる。
「うん、小さいけど元気そう。大事にしてあげてね」
「ふふっ。……ねぇ、なんか、こういうのいいね」
「こういうの?」
「うん。みんなでさ、浴衣着て、夜に出かけて、屋台まわって……。なんか、“ザ・青春”って感じで」
胡桃の表情は、いつもより少し大人びて見えた。
私も小さく笑って、うなずいた。
「そうだね。きっと、今だけなんだろうけど……それが、すごく嬉しい」
視線の先には、綿あめを頬張っている千鶴の姿。
絢はその隣で、くじ引きの景品を真剣に見つめている。
健気は、というと――
「あっ!見て神奈!!この射的、今だけ3回分おまけって書いてあるよ!」
「え、ほんと?……って、そんなにやるの?」
「やるに決まってるじゃん!だってこのぬいぐるみ、すごく可愛くない?!」
テンション高めに手を引いてくる健気の後ろで、
颯人が目をキラキラさせながら射的の台を物色していた。
「よーし、俺が絶対にアレ落とす!!」
「いや、無理でしょ。颯人には絶対無理だよ」
「誰が無理だと!?見てろ!俺の本気!」
「……うるさいなぁ、ほんとに」
健気が軽くため息をつきながら、でもどこか楽しそうに笑う。
そして――
辺りの灯りがふっと落ち着いたその瞬間。
「……あ、来るよ!」
ドォン――。
空いっぱいに広がる、光の花。
視界のすべてを覆うような鮮やかな輝きに、言葉を失う。
「わあ……」
思わずこぼれた胡桃の声。
それを合図にしたかのように、次々と花火が打ち上がっていく。
みんな、それぞれに花火を見つめていた。
千鶴は静かに目を細め、
絢は「綺麗だね」と言いながらも写真を撮るのに夢中。
健気は目を丸くして空を見上げて、
颯人は「うっひょー!でっけぇ!!」と相変わらず騒がしい。
でも、不思議と、それが心地よかった。
「……来年も、こうして見れるのかな」
ぽつりと呟いた私の声に、胡桃がそっと微笑む。
「大丈夫。来年も、再来年も――ずっと、だよ」
私は笑ってうなずいた。
でも、どこか胸の奥が少しだけ、チクリとしたのは、どうしてだろう。
この夏が、ずっと続けばいいのに。
そんなことを、ほんの少しだけ思った。
夜の神社には、いくつもの笑い声と足音が混ざっていた。
「うわ、冷たっ!これうまーっ!」
颯人が勢いよくラムネの瓶を傾けて叫ぶ。
「ちょっと、そんな飲み方したら喉にビー玉詰まるよ」
胡桃が呆れ顔で言うと、
「さすがに詰まらねぇよ!!」と、颯人がわざと大げさに笑う。
そのやりとりに、みんなも自然と笑っていた。
それぞれが思い思いの屋台に立ち寄っては、
りんご飴を買ったり、金魚すくいをのぞいたり。
「ね、神奈。この子可愛くない?」
胡桃がすくい終わった金魚を覗き込んで話しかけてくる。
「うん、小さいけど元気そう。大事にしてあげてね」
「ふふっ。……ねぇ、なんか、こういうのいいね」
「こういうの?」
「うん。みんなでさ、浴衣着て、夜に出かけて、屋台まわって……。なんか、“ザ・青春”って感じで」
胡桃の表情は、いつもより少し大人びて見えた。
私も小さく笑って、うなずいた。
「そうだね。きっと、今だけなんだろうけど……それが、すごく嬉しい」
視線の先には、綿あめを頬張っている千鶴の姿。
絢はその隣で、くじ引きの景品を真剣に見つめている。
健気は、というと――
「あっ!見て神奈!!この射的、今だけ3回分おまけって書いてあるよ!」
「え、ほんと?……って、そんなにやるの?」
「やるに決まってるじゃん!だってこのぬいぐるみ、すごく可愛くない?!」
テンション高めに手を引いてくる健気の後ろで、
颯人が目をキラキラさせながら射的の台を物色していた。
「よーし、俺が絶対にアレ落とす!!」
「いや、無理でしょ。颯人には絶対無理だよ」
「誰が無理だと!?見てろ!俺の本気!」
「……うるさいなぁ、ほんとに」
健気が軽くため息をつきながら、でもどこか楽しそうに笑う。
そして――
辺りの灯りがふっと落ち着いたその瞬間。
「……あ、来るよ!」
ドォン――。
空いっぱいに広がる、光の花。
視界のすべてを覆うような鮮やかな輝きに、言葉を失う。
「わあ……」
思わずこぼれた胡桃の声。
それを合図にしたかのように、次々と花火が打ち上がっていく。
みんな、それぞれに花火を見つめていた。
千鶴は静かに目を細め、
絢は「綺麗だね」と言いながらも写真を撮るのに夢中。
健気は目を丸くして空を見上げて、
颯人は「うっひょー!でっけぇ!!」と相変わらず騒がしい。
でも、不思議と、それが心地よかった。
「……来年も、こうして見れるのかな」
ぽつりと呟いた私の声に、胡桃がそっと微笑む。
「大丈夫。来年も、再来年も――ずっと、だよ」
私は笑ってうなずいた。
でも、どこか胸の奥が少しだけ、チクリとしたのは、どうしてだろう。
この夏が、ずっと続けばいいのに。
そんなことを、ほんの少しだけ思った。