週末。
空は晴れて、雲ひとつない夏空。
照りつける日差しの中、私は胡桃の家へと向かって歩いていた。
「神奈ー!こっちこっち!」
門の前で手を振っていたのは、浴衣姿の胡桃。
白地に淡い桃色の桜模様が、彼女の雰囲気にぴったりだった。
「早かったね」
「うん、ちょっと楽しみでさ、早めに来ちゃった」
「わかる」
私も小さく笑ってうなずく。
「絢と千鶴ももう中にいるよ。男子組は、まだ」
「そっか。じゃ、上がらせてもらうね」
胡桃の家に入ると、リビングの奥から絢と千鶴の声が聞こえた。
「ねぇ、これ、合ってる?この帯の結び方……」
「、、ちょっと違う、、後ろが緩んでる、、」
「うわ、千鶴ありがと〜!さすがすぎ!」
リビングには、浴衣姿の二人が鏡の前で立っていた。
絢は紺地に向日葵柄、千鶴は水色に紫陽花模様。
それぞれの個性がちゃんと出ていて、見ていてなんだか嬉しくなる。
「ごめん、ちょっと見せて」
私は絢の帯に手を伸ばし、するすると手早く整えていく。
「神奈って、やっぱり器用だよね……」
「私、昔からおばあちゃんに浴衣の着付け習ってたから。あ、髪も結べるよ」
「ほんと?私、お願いしたい……!」
「うん、任せて。鏡の前座って」
と、そのとき――。
「お、おじゃましまーす……」
玄関の扉が開く音とともに、控えめな健気の声が聞こえた。
「やっぱり、ちょっと遅かったみたいだな!」
元気な声とともに、颯人の笑い声が続く。
リビングに入ってきた二人を見て、私たちは同時に吹き出した。
「うっわ、似合わなすぎて笑う!」
「なにぃ!?こっちは真剣に選んだんだぞ!見ろよ、この帯!な?な?!」
颯人が胸を張ってポーズをとる。
紺の浴衣に白い帯。まさに“THE・夏祭り”の少年スタイル。
でも、なんだか笑ってしまうのは、きっと彼のキャラのせいだ。
健気は、黒に近い濃紺の浴衣を着ていた。
見た目はちゃんとしてるのに、本人の挙動がぎこちなくて可笑しい。
「なんでそんなにぎこちないの……」
「ゆ、浴衣なんて……人生で初めて着たんだけど……歩きにくい……」
「着付け手伝おうか?少し崩れてるし」
「た、助かる……」
私は健気の帯を直しながら、小声で耳打ちした。
「……でも、似合ってるよ」
「っ、な、なに言ってんだバカ……!」
すぐに顔を真っ赤にして、目を逸らした健気に、思わず笑ってしまった。
「みんな揃ったね!じゃ、行こっか!」
胡桃が元気に声をかけると、それぞれが「うん!」「おう!」「、、行こう、、」と応えた。
神社までは歩いて10分ほど。
浴衣姿の集団がぞろぞろ歩いていく様子は、少しだけ注目を集めていた。
境内には、すでに多くの人でにぎわっていて、屋台の明かりがちらちらと灯り始めていた。
「わー!りんご飴!わたし、絶対買う!」
「的当てとか射的もあるぞ!よーし、今日は全部制覇してやる!」
「、、、綿あめ、、食べたい、、」
「神奈、どこ回りたい?」
「んー……まずは、みんなで冷たいもの食べよ?」
どこまでも賑やかで、どこまでも楽しい。
みんなと一緒に、過ごす夏祭り。
こんなに笑って、しゃべって、はしゃいだの、いつぶりだろう。
夜空には、もうすぐ花火が上がる。
その瞬間を、私はこの仲間たちと一緒に迎えられることが、何より嬉しかった。
空は晴れて、雲ひとつない夏空。
照りつける日差しの中、私は胡桃の家へと向かって歩いていた。
「神奈ー!こっちこっち!」
門の前で手を振っていたのは、浴衣姿の胡桃。
白地に淡い桃色の桜模様が、彼女の雰囲気にぴったりだった。
「早かったね」
「うん、ちょっと楽しみでさ、早めに来ちゃった」
「わかる」
私も小さく笑ってうなずく。
「絢と千鶴ももう中にいるよ。男子組は、まだ」
「そっか。じゃ、上がらせてもらうね」
胡桃の家に入ると、リビングの奥から絢と千鶴の声が聞こえた。
「ねぇ、これ、合ってる?この帯の結び方……」
「、、ちょっと違う、、後ろが緩んでる、、」
「うわ、千鶴ありがと〜!さすがすぎ!」
リビングには、浴衣姿の二人が鏡の前で立っていた。
絢は紺地に向日葵柄、千鶴は水色に紫陽花模様。
それぞれの個性がちゃんと出ていて、見ていてなんだか嬉しくなる。
「ごめん、ちょっと見せて」
私は絢の帯に手を伸ばし、するすると手早く整えていく。
「神奈って、やっぱり器用だよね……」
「私、昔からおばあちゃんに浴衣の着付け習ってたから。あ、髪も結べるよ」
「ほんと?私、お願いしたい……!」
「うん、任せて。鏡の前座って」
と、そのとき――。
「お、おじゃましまーす……」
玄関の扉が開く音とともに、控えめな健気の声が聞こえた。
「やっぱり、ちょっと遅かったみたいだな!」
元気な声とともに、颯人の笑い声が続く。
リビングに入ってきた二人を見て、私たちは同時に吹き出した。
「うっわ、似合わなすぎて笑う!」
「なにぃ!?こっちは真剣に選んだんだぞ!見ろよ、この帯!な?な?!」
颯人が胸を張ってポーズをとる。
紺の浴衣に白い帯。まさに“THE・夏祭り”の少年スタイル。
でも、なんだか笑ってしまうのは、きっと彼のキャラのせいだ。
健気は、黒に近い濃紺の浴衣を着ていた。
見た目はちゃんとしてるのに、本人の挙動がぎこちなくて可笑しい。
「なんでそんなにぎこちないの……」
「ゆ、浴衣なんて……人生で初めて着たんだけど……歩きにくい……」
「着付け手伝おうか?少し崩れてるし」
「た、助かる……」
私は健気の帯を直しながら、小声で耳打ちした。
「……でも、似合ってるよ」
「っ、な、なに言ってんだバカ……!」
すぐに顔を真っ赤にして、目を逸らした健気に、思わず笑ってしまった。
「みんな揃ったね!じゃ、行こっか!」
胡桃が元気に声をかけると、それぞれが「うん!」「おう!」「、、行こう、、」と応えた。
神社までは歩いて10分ほど。
浴衣姿の集団がぞろぞろ歩いていく様子は、少しだけ注目を集めていた。
境内には、すでに多くの人でにぎわっていて、屋台の明かりがちらちらと灯り始めていた。
「わー!りんご飴!わたし、絶対買う!」
「的当てとか射的もあるぞ!よーし、今日は全部制覇してやる!」
「、、、綿あめ、、食べたい、、」
「神奈、どこ回りたい?」
「んー……まずは、みんなで冷たいもの食べよ?」
どこまでも賑やかで、どこまでも楽しい。
みんなと一緒に、過ごす夏祭り。
こんなに笑って、しゃべって、はしゃいだの、いつぶりだろう。
夜空には、もうすぐ花火が上がる。
その瞬間を、私はこの仲間たちと一緒に迎えられることが、何より嬉しかった。