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かなり漢字が難しい、表現がわかりにくい等の読者が絞られる小説となっておりますので付き合いきれる方だけのホラーエンターテイメントとなります。

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13年の怨み

#1

狂い始めた中学生達のありえない日常

[明朝体][明朝体][明朝体][明朝体][明朝体][明朝体] とてもとても暗く、とてもとても静かな部屋で。顔に深く深くフードをを被った人影が[漢字]蹲っていた[/漢字][ふりがな][/ふりがな]。
「さて、ツイにこのトキがキタよウだねェ。ボクはジュウサンネンものアイダずーッとこのヒをマチわびてたンだよォ。さァ、ボクのカンペキなケーカクをイマこそセーコウさせルぞォ」
 人影は低い虚ろな声で呟き、不気味に笑った。まるで心がないような声だった。
 人影はフードを深く被り直し、何かを箱に入れるのだった。
 その同じ頃、中学二年生の藤田翔吾と同級生の修スミスが歩道橋を渡っていた。
 翔吾は学校の帰りで、修も家に帰るところだった。修は外国人の父親と日本人の母親の間に生まれ、アメリカで暮らしていた。だが、あることがきっかけで日本に来ることになったのだ。
 そして翔吾とはとりわけ気が合った。なので一週間で友好関係を築き、学校生活をお互い楽しく過ごすことが既にできていた。
 だが最近翔吾は、修以外に気になることが合った。それは、ちょうど修が来た一週間前のこと。
 もともと親友だった河原悠馬が突然学校に来なくなった。最初の二日は風邪でも引いたのかと思い、特には気にしていなかった。
 だが三日目からはとても心配になり、お見舞いに行ってみた。インターホンを鳴らすと悠馬の母親が出てきて、虚ろな声で
「どちら様ですか?」
と訪ねた。
 翔吾は戸惑った。悠馬の母親とは何度か会ったことがあるからだ。知らないはずはない。そして聞いてみた。
「えーっと、僕は藤田翔吾です。悠馬くん大丈夫ですか……?」
 悠馬の母親が全く目の焦点の定まっていない目で翔吾を睨みつけてくる。翔吾はそれに怯え、どんどん声が小さくなっていった。
 その時、悠馬の母親が口を開いた。
「あぁ、悠馬はねちょっと[大文字][太字]ずっと帰ってこないのよぉ[/太字][/大文字]」
 悠馬の母親は信じられないことをおかしな声で口にした。
 それを聞いた、翔吾はパニックになって逃げ出してしまった。
「帰ってこないってどういうこと!?なんで探さないの!?」
 いくら考えても分からない。なので必死に走って家に帰ろうとした。家の前の道を駆け抜ける。
 その時家の塀と塀の間にできた狭い道に、見覚えのある顔が一瞬見えた。
 翔吾はびっくりして少し戻り、さっき見えたところを覗いてみた。
 だがそこにはブロック作りの塀が両側に立っているだけで、他は何もない。
 (パニックになってて見間違えたのかな……?)
 そう思いながらもふと我に返って、家に全力で駆け込んだ。
 息を切らしている翔吾に気づき、声をかけたのは母親だった。
「翔吾、どうしたの?」
「悠馬くんの……お母さん……怖い」
「悠馬くんのお母さんが怖い?」
 翔吾は息を切らしながらも頷いた。
 そしてようやく落ち着いて今までの経緯を詳しく話した。お見舞いに行ったら悠馬のお母さんに忘れられていたこと、目が虚ろだったこと、口調がおかしかったことなどを話した。
 真面目に聞いていた母親も翔吾と同じようにスーッと青ざめていった。
「そんなことが...信じられない、というか信じたくない......ッ!」
 母親は言い切って家の外に飛び出してしまった。
 翔吾はしばらく呆然として立ち尽くしていたが、我に返って母親を追った。
「待ってよ、お母さん!」
 翔吾は追いかけたが母親の姿はどこに行ってもなかった。
 翔吾は為す術がなく絶望に囚われしゃがみ込んでしまった。
 すると、翔吾の耳に優しい声が届いた。
「What's wrong with you? Why are you crouching there?(どうしたの? なぜそこにしゃがんでいるの?)」
 それは英語だった。翔吾は何を言っているかわからなかったがその男性は眼鏡をかけた優しそうな人だった。慌てて翔吾は立ち上がってお礼を言った。
 「サンキューベルマーチ。マイネームイズ ショウゴ フジタ」
 翔吾が名乗ると男は一層優しく微笑んだ。
「Are you Fujita-kun? I'm Michael Smith. My son Osamu has told me a lot about you.(キミが藤田くん?私はマイケル・スミス。私の息子の修が、キミについてたくさん話してくれました。)」
 男性が修の父親だとわかり、翔吾は胸を撫で下ろした。
 そうすると、マイケルは尋ねてきた。
「What are you doing crouching down here?(こんなところでしゃがみ込んでいるなんで何事だい?)」
 翔吾は何を言っているかわからず戸惑ってしまったが、マイケルは訂正した。
「ニホンゴにナレていなクッてネ。サッキのぶんをニホンゴにスルとエーと」
 マイケルはしばらく考えてから答えた。
「ナゼシャガンでルノ?だ」
 翔吾は答えた。
「お母さんがどこかに行っちゃって」
 マイケルは日本語がわからないようだったがそこに修がやってきた。
「What are you doing there, Dad?(父さんそこで何してるの?)」
 修の父親はしばらく修と何かを話していた。
 そして修は翔吾の母親のことも聞いてきた。翔吾はすべて話した。
 そして修から説明された。
「父さんはね、キミのことを心配して声をかけてくれたんだそうなんだけど、お互い言葉がわからなかったから困ってたんだって。あと父さんはこのあと噂の話をしようとしていたんだって」
「噂の話って?」
 翔吾は聞き返した。
「んーとね、僕も今初めて聞いたからよくわからないんだけど、パニックの発生がみんな一緒になることがあるってことなんだって」
「多重人格......」
 翔吾は呟いた。
 翔吾は悠馬の母親の変貌ぶりに多重人格だと思ったのだった。
 多重人格とは自身の意志が複数存在し、それが切り替わるのも自分の意志で行うことはできないことがほとんどだ。その人格同士の記憶は共有されておらず、多重人格に自分で気づくことはとても難しい。
 マイケルは翔吾の母親の話を聞いて、そういった話を聞いた際に起きたパニックだと思ったらしい。
 翔吾は修からパニックは一時的なものだと説明された。
 なので、翔吾は一旦安心して家に帰った。
 



 その後、誰にも気づかれないような山の上で一人の中学生ぐらいの少年が佇んでいた。その顔にはフードを深く被っていた。     
 そしてゆっくりと独り言を呟く。
「ヤツらはボクのケーカクにリヨウできそウだねェ。ボクのテゴマにさせてもらウよォ」
 そう言うと、少年は口元に僅かに笑みを浮かべた。それは、不気味な笑みだった。




 同じ頃、緑のフードを被った怪しげな青年が同じ街の山の麓に立っていた。
「ここか。あいつが暴れ出したのは」
 青年は低い声で呟くと山の斜面を駆け上がりだした。
 山の傾斜をものともせず軽やかに駆け上がっていく。
 青年は走りながら奥歯を噛み締め、また呟く。
「あいつを、ここで、絶対に......」
 そう呟き、足を一層早めるのだった。[/明朝体][/明朝体][/明朝体][/明朝体][/明朝体][/明朝体]

作者メッセージ

読んでくれて有難うございました。私の一番初めの作品です。楽しめましたか?
この小説シリーズはとても短い話を小分けにしながら執筆していきます。ぜひ続編もお読みください

2025/08/23 19:38

ミステリー・山本
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