◇
円卓の騎士が思わず叫ぶ。
「うわわっ、ちょっ...押さないでください!」
その声に反応したのか、狼の数匹が彼の眼の前で群れを成して攻撃耐性を整えている。
よろよろと狼の群れの前に押し出された彼は、情けない声を上げながらも、反射的に腰の剣の柄に手をかけた。
「......はぁ。全く、強引な人だ。淑女の振る舞いとは程遠いですよ、貴女。」
「別にいいわよ。淑女を目指している訳じゃ無いわ。」
ボソリと彼が毒舌を吐き捨てると、彼の纏う空気が一変する。
「...いいでしょう。40%、いや、30%も出せば十分かな。
僕の『聖剣』が、君たちの不浄な血を求めて共鳴している...!」
そう口にした瞬間、彼は一気に加速した。
引き抜かれた刃が、月光を反射して冷たく煌めく。
異常な空気に気付いたのか、数匹の狼が円卓の騎士目掛けて飛びかかっていく。
「ふっ......笑止だね。 聖剣エクスカリバーの錆にしてあげるよ。」
中二病全開の叫びと共に振り下ろされた一閃は、まさに「何でも斬れる」その説明通りだった。
統治された狼たちの強固な毛皮も、指揮官の守りも関係ない。
彼が通り過ぎた後には、真っ二つになった獣の屍が転がっていく。
...それはそうと、あの中二病チックな台詞はどうにかならないのだろうか。
「あはは! すごーい、円卓の騎士、ノリノリじゃない!」
赤い靴が楽しげに跳ねながら、切り裂かれた狼たちの隙間を縫って手を動かす。
「......くっ、黙っててください。
...う、うげっ、返り血が...。最悪だ、これ、お気に入りのシャツなのに......。」
一通りの群れを斬り伏せた直後、彼は剣を鞘に収めるなり、青白い顔で口元を押さえた。
「...うぷっ。...やっぱり、この力は僕への負担が......。
......お茶、...早く、紅茶を飲ませてください......じゃないと、ここらで吐きますよ、僕...。」
さっきまでの格好良さはどこへやら。
膝をつき、今にも倒れそうな様子でこちらを睨みつけてくる彼の姿は、まさに事前の設定通りの「期待を裏切らない」活躍だった。
「中々やるじゃない。かなり助かったわ。」
「そんなことより、お茶、を......。」
何故円卓の騎士がこんな酷い事になっているのか、否、それは彼の特殊能力、「エクスカリバー」にある。
どうやら、非常に鋭い切れ味を持っておりなんでも切れる一方、一回使うと吐き気やめまいが起こる...らしい。
...まあ私が知ったことでは無いが。
「少し待って頂戴。あっち三人の戦闘が終わってからよ。」
「うげっ...もう、無理......。」
そう言ったかと思ったら円卓の騎士は気絶してしまったようだ。
「はぁ...本当に何とかならないの、その能力は...。」
そう私が呟いた瞬間、森が静かになる。
どうやらあちらの戦闘も終わったようだった。
◆
円卓の騎士が思わず叫ぶ。
「うわわっ、ちょっ...押さないでください!」
その声に反応したのか、狼の数匹が彼の眼の前で群れを成して攻撃耐性を整えている。
よろよろと狼の群れの前に押し出された彼は、情けない声を上げながらも、反射的に腰の剣の柄に手をかけた。
「......はぁ。全く、強引な人だ。淑女の振る舞いとは程遠いですよ、貴女。」
「別にいいわよ。淑女を目指している訳じゃ無いわ。」
ボソリと彼が毒舌を吐き捨てると、彼の纏う空気が一変する。
「...いいでしょう。40%、いや、30%も出せば十分かな。
僕の『聖剣』が、君たちの不浄な血を求めて共鳴している...!」
そう口にした瞬間、彼は一気に加速した。
引き抜かれた刃が、月光を反射して冷たく煌めく。
異常な空気に気付いたのか、数匹の狼が円卓の騎士目掛けて飛びかかっていく。
「ふっ......笑止だね。 聖剣エクスカリバーの錆にしてあげるよ。」
中二病全開の叫びと共に振り下ろされた一閃は、まさに「何でも斬れる」その説明通りだった。
統治された狼たちの強固な毛皮も、指揮官の守りも関係ない。
彼が通り過ぎた後には、真っ二つになった獣の屍が転がっていく。
...それはそうと、あの中二病チックな台詞はどうにかならないのだろうか。
「あはは! すごーい、円卓の騎士、ノリノリじゃない!」
赤い靴が楽しげに跳ねながら、切り裂かれた狼たちの隙間を縫って手を動かす。
「......くっ、黙っててください。
...う、うげっ、返り血が...。最悪だ、これ、お気に入りのシャツなのに......。」
一通りの群れを斬り伏せた直後、彼は剣を鞘に収めるなり、青白い顔で口元を押さえた。
「...うぷっ。...やっぱり、この力は僕への負担が......。
......お茶、...早く、紅茶を飲ませてください......じゃないと、ここらで吐きますよ、僕...。」
さっきまでの格好良さはどこへやら。
膝をつき、今にも倒れそうな様子でこちらを睨みつけてくる彼の姿は、まさに事前の設定通りの「期待を裏切らない」活躍だった。
「中々やるじゃない。かなり助かったわ。」
「そんなことより、お茶、を......。」
何故円卓の騎士がこんな酷い事になっているのか、否、それは彼の特殊能力、「エクスカリバー」にある。
どうやら、非常に鋭い切れ味を持っておりなんでも切れる一方、一回使うと吐き気やめまいが起こる...らしい。
...まあ私が知ったことでは無いが。
「少し待って頂戴。あっち三人の戦闘が終わってからよ。」
「うげっ...もう、無理......。」
そう言ったかと思ったら円卓の騎士は気絶してしまったようだ。
「はぁ...本当に何とかならないの、その能力は...。」
そう私が呟いた瞬間、森が静かになる。
どうやらあちらの戦闘も終わったようだった。
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