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◇
朝起きたら、もう嫁入りの日だった。
ベッドからゆっくりと起き上がり、壁にかかった時計を見る。
嫁入り五時間前。用意をしても三時間は余りそうだ。
「今日でこの国とは暫くのお別れなのね...。」
別に嫁入りが嫌な訳じゃない。
むしろ このことによって二国の関係が良好になるのならば、それは名誉なことだ。
朝食を取るために、寝間着のまま部屋の扉を開けた。
次の瞬間、
「メリンダ様っ!」
思いっきり、抱きつかれた。
長いオレンジの髪が視界の端を過る。
「どうしたの、フェリス。こんなに朝早くから元気なのね。」
「そりゃそうですよ!今日でメリンダ様は嫁入りしちゃうんですよ!」
そんなの悲しすぎます、なんて漏らすのは白国のルーク、通称《[漢字]白金の大門[/漢字][ふりがな]プラチナ・ゲート[/ふりがな]》こと フェリス・ブライトロック である。
「嫁入りって言ったって私達が会えなくなる訳じゃ無いわ。
そう気に病むことはないわよ。」
そう言って私は涙目の彼女を優しく抱きしめ返した。
フェリスはいつも明るくて、見ているだけで元気を貰っていた。
そんな彼女が涙目になるなんて、随分と愛されているのだな、と実感する。
「さあ、フェリス。早く食堂へ行きましょう。
今日の朝食は何かしら?」
そう私はフェリスの手を握って、食堂へと向かった。
◆
食堂に付くと、もうキングは席についていた。
「あら、マシロ様。今日はお早いのですね。」
白国のキング、《純白の王》マシロ・ベルーガ。
いつもは私より遅いはずだ。珍しいな、なんて考えた。
彼は口を開く。
「君の門出だからね、メリンダさん。
しかも僕の許嫁、黒のクイーンが来ます。僕だって心の準備位はしておきたいから。」
そう言いながら彼はあからさまに顔を歪めた。
マシロ様は黒が嫌いだ。今でも黒国へ宣戦布告するのを耐えるので一杯なのに、自分の妻が黒国のクイーンとなるのだ。
それはそれは不機嫌にだってなる。
「メリンダさんは、嫌じゃないの?黒国のキングの妻になるんだよ?」
「...少し、不安なところもありますが、悪い人では無いと聞いておりますので...。
それよりも、私は白国へ残す皆様が心配ですわ。」
白国には私を慕ってくれている子も多い。特に城に勤めている子たち。
小さい頃から一緒に生活してきた仲だ。勿論寂しさはある。
「メリンダ様...。」
横に居たフェリスが眉を下げた。
しんみりとした空気を掻き消すように、マシロ様が声を上げる。
「とにかく!君は白国のクイーンだ。
呉れ呉れも黒に染まらないように。頼みましたよ?」
「......善処致しますわ。」
少し間をあけて、私はそう言った。
◇
朝起きたら、もう嫁入りの日だった。
ベッドからゆっくりと起き上がり、壁にかかった時計を見る。
嫁入り五時間前。用意をしても三時間は余りそうだ。
「今日でこの国とは暫くのお別れなのね...。」
別に嫁入りが嫌な訳じゃない。
むしろ このことによって二国の関係が良好になるのならば、それは名誉なことだ。
朝食を取るために、寝間着のまま部屋の扉を開けた。
次の瞬間、
「メリンダ様っ!」
思いっきり、抱きつかれた。
長いオレンジの髪が視界の端を過る。
「どうしたの、フェリス。こんなに朝早くから元気なのね。」
「そりゃそうですよ!今日でメリンダ様は嫁入りしちゃうんですよ!」
そんなの悲しすぎます、なんて漏らすのは白国のルーク、通称《[漢字]白金の大門[/漢字][ふりがな]プラチナ・ゲート[/ふりがな]》こと フェリス・ブライトロック である。
「嫁入りって言ったって私達が会えなくなる訳じゃ無いわ。
そう気に病むことはないわよ。」
そう言って私は涙目の彼女を優しく抱きしめ返した。
フェリスはいつも明るくて、見ているだけで元気を貰っていた。
そんな彼女が涙目になるなんて、随分と愛されているのだな、と実感する。
「さあ、フェリス。早く食堂へ行きましょう。
今日の朝食は何かしら?」
そう私はフェリスの手を握って、食堂へと向かった。
◆
食堂に付くと、もうキングは席についていた。
「あら、マシロ様。今日はお早いのですね。」
白国のキング、《純白の王》マシロ・ベルーガ。
いつもは私より遅いはずだ。珍しいな、なんて考えた。
彼は口を開く。
「君の門出だからね、メリンダさん。
しかも僕の許嫁、黒のクイーンが来ます。僕だって心の準備位はしておきたいから。」
そう言いながら彼はあからさまに顔を歪めた。
マシロ様は黒が嫌いだ。今でも黒国へ宣戦布告するのを耐えるので一杯なのに、自分の妻が黒国のクイーンとなるのだ。
それはそれは不機嫌にだってなる。
「メリンダさんは、嫌じゃないの?黒国のキングの妻になるんだよ?」
「...少し、不安なところもありますが、悪い人では無いと聞いておりますので...。
それよりも、私は白国へ残す皆様が心配ですわ。」
白国には私を慕ってくれている子も多い。特に城に勤めている子たち。
小さい頃から一緒に生活してきた仲だ。勿論寂しさはある。
「メリンダ様...。」
横に居たフェリスが眉を下げた。
しんみりとした空気を掻き消すように、マシロ様が声を上げる。
「とにかく!君は白国のクイーンだ。
呉れ呉れも黒に染まらないように。頼みましたよ?」
「......善処致しますわ。」
少し間をあけて、私はそう言った。
◇