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◇
某月某日、とある森の中の小屋にて。
私が寝室の扉を開けた瞬間、一つの人影が恐ろしい速度でこちらへ突っ込んで来る。
反射的に横へ避けるや否や、眼の前の男___七匹の仔山羊は私の腕をがっちりと掴んできた。
...朝から貴方に拘束される私の身にもなってくれ本当に...。
「おはよう灰被り。聞いてよ、今朝、最高の夢を見たんだ。
夢の中の君がさ、俺が『おはよ』って言っただけで顔を真っ赤にして、俺のシャツの裾を掴んで『行かないで』って泣きついてきたんだよ? その後なんて、俺の膝の上で___」
脳みそがフリーズした。朝から何を言っているんだこいつは。
寝ぼけているのかしら?
「......で?それが何?私の時間を無駄にしないで頂戴。」
「えー、いいじゃん。本当に可愛かったんだから。
俺を呼ぶ声もいつもの棘がなくて、とろけるみたいに甘くてさ。
あんなにデレデレな灰被り、現実でも見られたら俺、もう死んでもいいね。」
そこまで言いかけた仔山羊の喉元に、思わず机の上に乗っていたバターナイフを浮かせて、刃先を向けた。
何処まで彼は気色が悪いのだろう。これは不可抗力である。
「死んでもいい?...いいわよ、その願い、今すぐ叶えてあげる。
その気色の悪い薄ら笑いを浮かべたまま、その安っぽい夢と一緒に首を落としてあげるわ。
あんたの脳内、そこら辺の森よりお花畑になってるんじゃないかしら?」
「あはは、怖いなあ。でも、その冷たい目も最高だよ。
あ、今の言葉、嘘じゃないって分かるでしょ?」
そんな私の皮肉を微塵も気にせずに彼はそう言う。
...何本頭の螺子が吹っ飛んでいるのだろうか。
「ええ、分かってしまうから余計に呆れるのよ。生憎だけど貴方の妄想につき合う趣味はないの。
次にくだらない話をしたら、今度こそ許さないから。」
私は七匹の仔山羊にも伝わるように、心底嫌そうな顔をして、彼の手を振りほどいた。
「えっ、ちょっと待ってよ。呆れるって言われても、俺は事実(夢)を話しただけで...。
灰被り、どこ行くの?待って、俺も行くから。」
「ついてこないで。貴方の顔を見てるだけで、仕事の効率が落ちるわ。」
私は一切振り返ることなく、急ぎ足で扉へ向かう。
...ああもう朝から胃もたれを起こしそうだ。
朝食を食べるのは遠慮しておこう、と私は思った。
◆
夢、あるいは虚像
◇
某月某日、とある森の中の小屋にて。
私が寝室の扉を開けた瞬間、一つの人影が恐ろしい速度でこちらへ突っ込んで来る。
反射的に横へ避けるや否や、眼の前の男___七匹の仔山羊は私の腕をがっちりと掴んできた。
...朝から貴方に拘束される私の身にもなってくれ本当に...。
「おはよう灰被り。聞いてよ、今朝、最高の夢を見たんだ。
夢の中の君がさ、俺が『おはよ』って言っただけで顔を真っ赤にして、俺のシャツの裾を掴んで『行かないで』って泣きついてきたんだよ? その後なんて、俺の膝の上で___」
脳みそがフリーズした。朝から何を言っているんだこいつは。
寝ぼけているのかしら?
「......で?それが何?私の時間を無駄にしないで頂戴。」
「えー、いいじゃん。本当に可愛かったんだから。
俺を呼ぶ声もいつもの棘がなくて、とろけるみたいに甘くてさ。
あんなにデレデレな灰被り、現実でも見られたら俺、もう死んでもいいね。」
そこまで言いかけた仔山羊の喉元に、思わず机の上に乗っていたバターナイフを浮かせて、刃先を向けた。
何処まで彼は気色が悪いのだろう。これは不可抗力である。
「死んでもいい?...いいわよ、その願い、今すぐ叶えてあげる。
その気色の悪い薄ら笑いを浮かべたまま、その安っぽい夢と一緒に首を落としてあげるわ。
あんたの脳内、そこら辺の森よりお花畑になってるんじゃないかしら?」
「あはは、怖いなあ。でも、その冷たい目も最高だよ。
あ、今の言葉、嘘じゃないって分かるでしょ?」
そんな私の皮肉を微塵も気にせずに彼はそう言う。
...何本頭の螺子が吹っ飛んでいるのだろうか。
「ええ、分かってしまうから余計に呆れるのよ。生憎だけど貴方の妄想につき合う趣味はないの。
次にくだらない話をしたら、今度こそ許さないから。」
私は七匹の仔山羊にも伝わるように、心底嫌そうな顔をして、彼の手を振りほどいた。
「えっ、ちょっと待ってよ。呆れるって言われても、俺は事実(夢)を話しただけで...。
灰被り、どこ行くの?待って、俺も行くから。」
「ついてこないで。貴方の顔を見てるだけで、仕事の効率が落ちるわ。」
私は一切振り返ることなく、急ぎ足で扉へ向かう。
...ああもう朝から胃もたれを起こしそうだ。
朝食を食べるのは遠慮しておこう、と私は思った。
◆
夢、あるいは虚像
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