◇
狼のあの塔を訪れてから数週間、私は御伽噺保全委員会の隠れ家で数人を読んで会議を開いていた。
「狼は一旦諦めるわよ。あまりにもリターンがリスクに見合わない。」
「だったら次はどうするんですか?わたくし達が呼ばれた意味は?」
雪女こと雪乃乙冬が声を上げる。
その言葉に反応したのか、笛吹き...デスピナも私を見つめて一言。
「そうやで!わざわざ遠くから来たってのに これで終わりじゃ流石にうち怒るで?」
その言葉を遮って私は静かに頷いた。
「貴方達の気持ちは分かるわ。一先ず落ち着いて頂戴。
......私達、御伽噺保全委員会が次に狙うのは魔女よ。」
「魔女ぉ?」
まじかよ、そう言いながら不服そうに眉をひそめるのはジン。アラジンの末裔である。
「そうよ。それもただの魔女じゃない。
私達が狙うのはとんでもない悪事を何度も働かせている魔女集会のメンバーよ。」
私が広げた古ぼけた紙には、いくつもの童話のタイトルが複雑な線で結ばれていた。
白雪姫、ヘンゼルとグレーテル、ラプンツェル......。
この紙に書かれている末裔は皆、魔女に恨みがある末裔である。
「アラジン、貴方の先祖が相手にした魔術師なんて、こいつらに比べればまだ可愛げがある方よ。
私たちが相手にするのは、数百年もの間、死と呪いを撒き散らしながら『悪役』という椅子に座り続けてきたプロフェッショナルなんだから。」
雪乃乙冬が冷気を纏わせながら、不敵に微笑む。
「へえ...面白いですね。
狼とかいう獣の相手よりは、少しは雅な戦いになりそうだこと。
で、わたくし達はその集会に突撃しろと?」
デスピナが笛を指先でくるくると回しながら、小悪魔的な笑みを浮かべた。
「うちはいつでもええよ。今からでも明後日でも。
けど魔女に恨みがある奴らは呼ばなくてええん?」
私は会議机を指先でトントンと叩き、一同の顔を見渡した。
「そう、そのことで先に貴方達に話したのよ。
今回の魔女集会の突撃は 貴方達は前衛では無く、あくまでも裏方に回って欲しいの。」
ジンが椅子の背もたれに深く体重を預け、やれやれと肩をすくめた。
「......例えば何をすればいいんだ?」
「アラジン、貴方イタズラが得意でしょ?そういうことをすればいいのよ。
...雪女と笛吹きの二人は魔女たちが出してくる使いの相手をして頂戴。」
私がそう言うと、二人はゆっくりと頷いた。
「今回で仕留められるなんて思ってないわ。トップの数人は間違いなく上手く逃げる。
今回はそもそも、魔女集会自体を潰すのが目的よ。」
「了解しました。」
そう言った雪女を見て、私はほんの少しだけ目を細めた。
◆
狼のあの塔を訪れてから数週間、私は御伽噺保全委員会の隠れ家で数人を読んで会議を開いていた。
「狼は一旦諦めるわよ。あまりにもリターンがリスクに見合わない。」
「だったら次はどうするんですか?わたくし達が呼ばれた意味は?」
雪女こと雪乃乙冬が声を上げる。
その言葉に反応したのか、笛吹き...デスピナも私を見つめて一言。
「そうやで!わざわざ遠くから来たってのに これで終わりじゃ流石にうち怒るで?」
その言葉を遮って私は静かに頷いた。
「貴方達の気持ちは分かるわ。一先ず落ち着いて頂戴。
......私達、御伽噺保全委員会が次に狙うのは魔女よ。」
「魔女ぉ?」
まじかよ、そう言いながら不服そうに眉をひそめるのはジン。アラジンの末裔である。
「そうよ。それもただの魔女じゃない。
私達が狙うのはとんでもない悪事を何度も働かせている魔女集会のメンバーよ。」
私が広げた古ぼけた紙には、いくつもの童話のタイトルが複雑な線で結ばれていた。
白雪姫、ヘンゼルとグレーテル、ラプンツェル......。
この紙に書かれている末裔は皆、魔女に恨みがある末裔である。
「アラジン、貴方の先祖が相手にした魔術師なんて、こいつらに比べればまだ可愛げがある方よ。
私たちが相手にするのは、数百年もの間、死と呪いを撒き散らしながら『悪役』という椅子に座り続けてきたプロフェッショナルなんだから。」
雪乃乙冬が冷気を纏わせながら、不敵に微笑む。
「へえ...面白いですね。
狼とかいう獣の相手よりは、少しは雅な戦いになりそうだこと。
で、わたくし達はその集会に突撃しろと?」
デスピナが笛を指先でくるくると回しながら、小悪魔的な笑みを浮かべた。
「うちはいつでもええよ。今からでも明後日でも。
けど魔女に恨みがある奴らは呼ばなくてええん?」
私は会議机を指先でトントンと叩き、一同の顔を見渡した。
「そう、そのことで先に貴方達に話したのよ。
今回の魔女集会の突撃は 貴方達は前衛では無く、あくまでも裏方に回って欲しいの。」
ジンが椅子の背もたれに深く体重を預け、やれやれと肩をすくめた。
「......例えば何をすればいいんだ?」
「アラジン、貴方イタズラが得意でしょ?そういうことをすればいいのよ。
...雪女と笛吹きの二人は魔女たちが出してくる使いの相手をして頂戴。」
私がそう言うと、二人はゆっくりと頷いた。
「今回で仕留められるなんて思ってないわ。トップの数人は間違いなく上手く逃げる。
今回はそもそも、魔女集会自体を潰すのが目的よ。」
「了解しました。」
そう言った雪女を見て、私はほんの少しだけ目を細めた。
◆