◇
がさり、音をたてて塔の後ろから二つの影が見えた。
小さい影と大きい影。誰だ、狼か...?
「......誰。」
そう口にした瞬間、影の主は私に勢いよく近づいて、
「は。」
抱きついてきた。...相手から敵意は感じない...ということは味方...?
そこで視界に入った茶髪に見覚えがあることに気付く。
...理解できた。道理で私に抱きついてくる訳ね。...はっきり言って、私はこいつのことがあまり得意では無いが。
私は彼を引き剥がしながら後退りする。
「とっとと離れて頂戴。......そもそも、何で貴方がここに居るの、七匹の仔山羊。」
「あは、何でだと思う?...ってかほんとに可愛いね、灰被りは。」
...また、面倒なのが増えた。ここは何なんだ、まるでこれじゃあピクニックに来ているようではないか。
あの、なんて声が聞こえた。視線を下にずらす。
「...私も、居る。」
「あ"、ちっせえのか。」
紅薔薇が赤ずきんを見てそうこぼす。
「......『ちっせえ』は...止めて欲しい......。」
そう赤ずきんが小さい声で呟き、ずきんの中から小さいナイフを取り出した。
どうやらそう言われるのはご法度だったらしい。
「まあまあ、赤ずきんちゃん。落ち着いて落ち着いて...。」
そうラプンツェルが彼女をなだめる。
その横では狐の嫁入りが汗をだらだらと滲ませていた。
...こいつ、さっき私のこと軟派してたから七匹の仔山羊にビビってるのね。
「...ところで何故貴方方がここにいらっしゃるの?」
くるみ割り人形のその一言で我に返る。そうだ、それだ。それを聞くのを忘れていた。
「はは!嫌だなあ、猫被るのは止めてよ。
そっか、君と後ろの彼は初めましてだっけ?」
「え、あ、僕のことですかね...?」
そう七匹の仔山羊に言われ、円卓の騎士が恐る恐る口を開く。
言われてみればこの三人が一緒にいるのを見たこと無いなと思った。
「...ははっ!初対面だから猫を被っていたが、私の本性に気付いたのは貴方が初めてだ!」
「俺は人の嘘が見抜けるんだよね、だからかな。」
また、雑談が始まった。いつになったら本題に入るんだ?
「...で、何故貴方達がここに居るの?」
そう私が言うと、七匹の仔山羊が、私の腰に回した腕にぐっと力を込めた。
引き剥がそうとしても、万力のような力でびくともしない。
彼は私の首筋に鼻を寄せ、深く息を吸い込んだ。
「......気色が悪いわ。離れなさいってさっきも言ったでしょう。」
私が冷たく言い放つと、仔山羊の目がふっと濁った。
「...拒絶するの?俺のこと。わざわざ狼をぶっ殺すために赤ずきんまで呼んでここまで来たっていうのに。」
...ようやく本題に入ったか、と私は大きく溜息をついた。
◆
がさり、音をたてて塔の後ろから二つの影が見えた。
小さい影と大きい影。誰だ、狼か...?
「......誰。」
そう口にした瞬間、影の主は私に勢いよく近づいて、
「は。」
抱きついてきた。...相手から敵意は感じない...ということは味方...?
そこで視界に入った茶髪に見覚えがあることに気付く。
...理解できた。道理で私に抱きついてくる訳ね。...はっきり言って、私はこいつのことがあまり得意では無いが。
私は彼を引き剥がしながら後退りする。
「とっとと離れて頂戴。......そもそも、何で貴方がここに居るの、七匹の仔山羊。」
「あは、何でだと思う?...ってかほんとに可愛いね、灰被りは。」
...また、面倒なのが増えた。ここは何なんだ、まるでこれじゃあピクニックに来ているようではないか。
あの、なんて声が聞こえた。視線を下にずらす。
「...私も、居る。」
「あ"、ちっせえのか。」
紅薔薇が赤ずきんを見てそうこぼす。
「......『ちっせえ』は...止めて欲しい......。」
そう赤ずきんが小さい声で呟き、ずきんの中から小さいナイフを取り出した。
どうやらそう言われるのはご法度だったらしい。
「まあまあ、赤ずきんちゃん。落ち着いて落ち着いて...。」
そうラプンツェルが彼女をなだめる。
その横では狐の嫁入りが汗をだらだらと滲ませていた。
...こいつ、さっき私のこと軟派してたから七匹の仔山羊にビビってるのね。
「...ところで何故貴方方がここにいらっしゃるの?」
くるみ割り人形のその一言で我に返る。そうだ、それだ。それを聞くのを忘れていた。
「はは!嫌だなあ、猫被るのは止めてよ。
そっか、君と後ろの彼は初めましてだっけ?」
「え、あ、僕のことですかね...?」
そう七匹の仔山羊に言われ、円卓の騎士が恐る恐る口を開く。
言われてみればこの三人が一緒にいるのを見たこと無いなと思った。
「...ははっ!初対面だから猫を被っていたが、私の本性に気付いたのは貴方が初めてだ!」
「俺は人の嘘が見抜けるんだよね、だからかな。」
また、雑談が始まった。いつになったら本題に入るんだ?
「...で、何故貴方達がここに居るの?」
そう私が言うと、七匹の仔山羊が、私の腰に回した腕にぐっと力を込めた。
引き剥がそうとしても、万力のような力でびくともしない。
彼は私の首筋に鼻を寄せ、深く息を吸い込んだ。
「......気色が悪いわ。離れなさいってさっきも言ったでしょう。」
私が冷たく言い放つと、仔山羊の目がふっと濁った。
「...拒絶するの?俺のこと。わざわざ狼をぶっ殺すために赤ずきんまで呼んでここまで来たっていうのに。」
...ようやく本題に入ったか、と私は大きく溜息をついた。
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