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グロい…かもしれないし
違うかもしれないし、
ギオル
「お前はこれから兄のジアだ、
この事が露呈すればお前の呪いが
お前の息の根を止める、良いな、
重々気をつける事だ。」
冷酷な人、実の父に死と言う
脅しをされるのは
どんな気持ちなんだろうか、
こう俯瞰する“私”じゃなくて、
いたいけな少女だったらどう思うだろうか、
内心怒りを堪え、萎らしい演技をする。
レア
「…分かりました、」
私の返事に静かに頷き、
父、ギオルが踵を返し、部屋を出ていく。
ジア
「っ、ごめんね…、」
演技にショックを受けた兄から
痛ましそうな顔をしている。
何も謝る必要はないというのに、
レア
「いいえ、大丈夫ですよ、
私と殿下じゃあ価値が違うんだから、」
ジア
「そんな事、言わないでよ…、」
“今の”正妃の息子と“昔の”正妃の娘では
扱い、価値に格差が大きく出てくる。
だからこそ今、今日身代わりを命じられた。
口外禁止の呪いまで敷いて。
ショックを受けた兄から、
絞り出した様な声が聞こえる。
レア
「そろそろ自室に戻ります、
殿下も体御自愛下さい。」
ジア
「…うん、またね、」
ポーカーフェイスを保ちながら
一礼し、兄を置いて部屋を出ていく。
一度一人になりたかったから。
私の心を優先して、
兄が泣きそうな程
声を震わせていた事を見て見ぬふりをして。
[水平線]
レア
「あ゛ー、なんっでストーリー通り進むかな?!」
そろそろ何もわからない事に
焦れてくる頃だろうか、
それじゃあこの時間に
私とこの世界の説明をしよう。
この世界は現世では小説の世界。
内容としては二人の主人公と
王子達で世界を救うタイプの、
私が以前好きだった小説。
この世界に来れた事、
それは幸せだった。
だった。何故過去形か?
…それは私が物語の前に死んでしまう様な
キャラクターだったからだ。
革命によって死んでしまう女の子。
レア・ミラージュ・ヴィヴ・ガルシア。
ガルシア皇国の難しい少女に転生したのだ。
レア、この少女と
先程の兄の関係について話そう。
ジア・ガルシアはこの少女の兄、
そして現皇族で唯一革命で
亡くならなかった少年。
何故亡くならなかったか、
ヒロインと冒険を共にする一員だからである。
その補正のみと言っていいだろう。
話が逸れたがこの二人の子供の関係は
異母兄弟、と言ったところだ。
兄がジア。兄は元側室の妃から生まれた。
そして妹のレア。元正妃の娘だが、
皇帝には正妃は愛されていなかった。
そんな正妃は周りに嫌われたまま
少女を産み急逝。側妃が正妃となった。
ここまでの説明で良いだろうか。
現“正妃”の“息子”であるジアと
後ろ盾もなく、言ってしまえば
嫌われてすらいる“娘”のレアでは
価値など一目瞭然だろう。
今の待遇こそ1番比較がし易い。
ジアは皇宮の一室を、
レアには人気のない隔離塔の上、
ここまで比較をしてきたが、
この状況は[漢字]レア[/漢字][ふりがな]私[/ふりがな]には好都合だった。
理由は後に話そう。
何故隔離塔内の第一声となったか?
それは私が死なない為に
努力をしなかった訳がないからだった。
皇帝に好かれる様能力を磨いたり、
使用人を味方に付けようと
“良い子”の演技をしてみたり、
この命令と呪いが
全ての失敗を意味しているが…
レア
「神殿…どう過ごそうかな…」
心を切り替え、前向きになろうと
これからの神殿生活を思い描く。
ぼんやりと覚えているメンバーを
思い返していき、気が滅入っていく。
レア
「あー…無理かも、行きたくな…、」
前向きになろうと考え
気を滅入らせてしまった。
これじゃあ本末転倒じゃないか、、、
レイリス
「何が行きたくないんです、」
レア
「⁉︎レイリスさん、?…何も行きたくなんか…」
敷布団に寝そべった直後、
背後から声が聞こえた。
兄が一度街に出た時拾ってきた人。
レイリス・サリー・ブラッドムーン。
護衛兼召使として兄妹に付いている。
淡々としていて私は関わり辛いが…
少し問い詰める形で来たレイリスに
誤魔化す様に笑う。
レイリス
「話は聞いてますよ、神殿に行くんでしょう、
侍従の命を受けました。」
分かっているなら何故それを聞いた…?
なんて思いつつ、取り敢えず聞いてみる。
レア
「…それ聞く意味ありました…?」
レイリス
「形式上です、」
レア
「無いって事じゃん…」
レイリス
「えぇ、有りません。」
じと、と睨んでみれば、
何も同じていない様で
ポーカーフェイスを崩さない。
色々言いたい事は有るが、
取り敢えず遠ざけようと言葉をかける。
レア
「変な揶揄いしてないで
殿下の方に行けば良いのでは?
こんな寂れた隔離塔なんか居ないで、」
棘を持った言葉を吐きながら
レイリスから顔を逸らす。
苦々しい自分の表情を見せぬ様に、
髪が顔を隠す。
レイリス
「居て欲しく無いのなら
その様に言ったらどうです、」
レア
「…、そうとは思ってませんよぉ、、、?」
ばればれだったみたいだが…、
目線を上げ、窓の外へ意識を散らそうとする。
レイリス
「…神殿に持って行く
私物の用意だけはしてくださいね、」
ふ、と溜め息と、
呆れた様な声がして足音が遠ざかって行く。
取り敢えず兄への贈り物だけ机に出し、
能力の亜空間に自分の欲しい道具を
入れていく。
レア
「もう、いいかな、?」
ぐったりと寝転がり、
火を灯したカンテラを見る。
案外私の心は摩耗していたらしい。
疲弊からかふわりと眠りに落ちて行く。
?
「おやすみ、また…いつか呼びに来てね、」
意識が落ちる瞬間、
掛け布団をかけて踵を返した何か、
知らないのに懐かしい人は
誰だったんだろう…?