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君が消えるその日まで、雨はいつまでも降り続ける

[明朝体][中央寄せ]『雨が、降っているね』[/中央寄せ][/明朝体]

その声にハッとする。朝、どんよりと湿った空気。外は雨。

最悪の目覚めだった。

「なんだよ…今の夢」

ボソッと呟いたその言葉を、聞いている人は誰もいない。

部屋はシーンと静まり返っていた。

朝、制服に腕を通し、彼は外に出た。

学校への通学路。

そこで彼はふと立ち止まる。

目の前にいる少年が目に入った。整った容姿の美少年に、彼は釘付けになる。

「はじめまして、雨宮くん。[斜体]今日は雨が降っているね[/斜体]」

少年は彼にそう話しかけた。

彼は戸惑い少年を見つめる。

[下線][太字]なぜか彼の名前を知っている少年[/太字][/下線]

[下線][太字]なぜか彼が立ち止まる原因になった少年[/太字][/下線]

「雨宮くんは、雨が好き?」

少年のその問いに、彼は静かに答える。

「僕は、雨が嫌いです。どんよりしていて、落ち込んでしまうから」

「そっか」

少年は少し悲しそうに下を向きそう呟くと、消え入りそうな声で笑って言った。

「雨宮くんは、すぐに雨を好きになるよ」

少年はそう言うと去っていく。

そのとき、ふと気がついた。

「濡れると、風邪ひくよ?」

彼は気づけばそう言っていた。

少年は、傘をさしていなかった。

[太字]この大雨の中[/太字]。

しかし少年は、彼の言葉を無視して遠ざかっていく。

彼は静かにそれを見送った。

◇ ◆ ◇

「やっほー雨宮くん」

彼は学校で目にした光景に呆然と口を開けた。

なぜか少年が学校にいる。

「えーっと、ここ、高校だよ?」

彼のその言葉に、少年は笑顔を見せる。

「うん。知ってる」

満面の笑みでそう言った少年に、彼はため息をついた。

何を言っても無駄なことに気がつく。

「あ‼︎雨宮くん。外を見てごらんよ」

その言葉に、彼は言われるがまま外を見た。

「……綺麗───」

彼はそう声を漏らす。

葉についている水滴が、宝石のようにキラキラ光っていた。

「雨って綺麗だと思わない?」

「そう…思う。今初めて、そう思った」

彼のその言葉に、少年は嬉しそうに微笑んだ。

「雨宮くんも、苗字に雨が付いているだけあって、綺麗だね」

少年の心からの笑顔に、彼は少し頬を赤らせる。

「雨宮くんは今、どんよりしていて、落ち込んでる?」

少年の問いに、彼はハッと顔を上げた。

「落ち込んで、ない」

彼のその答えに、少年は満足そうに頷いてまた一つ質問を口にする。

「雨宮くんは、雨が嫌い?」

「嫌いじゃ、ない」

少年は嬉しそうな顔をした。

「雨が…降っていますね───[明朝体][斜体]雨音が響いていますね[/斜体][/明朝体]」

少年のすがるような言葉に、彼は優しく微笑んで頷いた。

「そうだね…[明朝体][斜体]きっと明日は止みますよ[/斜体][/明朝体]」

彼がそう言うと、少年は綺麗な笑顔を浮かべた。

[明朝体]「ありがとう」[/明朝体]

少年の体はみるみるうちに消えていく。

それを彼は、最後まで優しい笑顔で見送った。

[明朝体][斜体][中央寄せ]雨音が響いていますね[/中央寄せ][/斜体][/明朝体]

その意味は────

彼はそれを理解し少年に‘あのように’言ったのだった。

彼は傘もささずに外に出る。

顔に当たる雨粒は、


とても優しかった

[右寄せ][明朝体]END[/明朝体][/右寄せ]

作者メッセージ

少年は一体何者だったのか。

なぜ雨宮くんに話しかけたのか。

少年はなぜ‘雨’に囚われていたのか。

それぞれで沢山考察してみてくださいね‼︎

2023/06/03 19:58

藤空木栾
ID:≫ 40GyhFGusVmOg
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