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人形

#3

日常と過去

「レイちゃん、もう少し上を向いてくれるかな。そう、そこ。良いよ!」
今日は、雑誌の写真撮影。
いつも通り、言われた通りのポーズをとる。
私は、モデルや子役として活動している、中学2年生だ。
中学生だが、学校にはほとんど行っていない。
両親も行かなくていいと言っているし、私の仕事はモデルと女優だから。
何も考えず、言われた通り動けば良い。
「はい、それじゃあ今日の撮影は終わり。おつかれさま」
「お疲れさまでした」
スタッフさんに挨拶をして、スタジオを後にする。
すぐに電車に乗って家に帰った。

「ただいま帰りました」
「レイ、遅いわよ。今日は今度撮影するドラマの稽古をするから、早く帰るように言ったじゃない」
家に入ると、母の怒鳴り声が聞こえてきた。
「申し訳ございません」
怒鳴られたときはこう言えばいい。
何も難しいことはないし、考えるべきこともない。
「すぐに稽古を始めるわよ。早く来なさい」
私の母は元女優だ。
だからよく、こうして稽古をつけてもらっている。
「あなたには大者になってもらわないと困るのよ。今のままじゃ一人で生きていけないわ。分かってるの?」
「はい。誰もが知っている完璧な女優になる。それが私の目標です」
「その通りよ。分かっているなら早く準備しなさい」
私はすぐに荷物を置いて、稽古を始めた。

稽古が終わると、母に自分の部屋に戻るように言われた。
いつものことだ。
私は言われた通り部屋に戻る。
何をするわけでもなくベッドに腰かけていると、ふと机の上に置いてある一通の手紙が視界に入った。
私がまだ小学校低学年の時にもらったものだ。
小学校の低学年の頃までは、普通に学校に通っていた。
だが、3年生くらいになると、仕事が忙しくなりほとんど学校へ行かなくなった。
本格的に登校できるのは今日が最後かもしれないという日、幼馴染で親友だったリコが手紙をくれたのだった。
手紙を渡したとき、リコはこう言っていた。
「私たちがまた会えた時に、この手紙は私たちが親友であることの証にしよう。これを持っていれば、すぐにレイだって分かるから」と。
リコの声も顔も、はっきりとは思い出せない。
ましてや今の時期は顔立ちや声が変わるから、再会できたとしても気が付かないかもしれない。
多分、私たちが関わることはもうないのだ。
リコも、私のことは忘れているだろうし。
この手紙は必要ない。
それなのに捨てることができなかった。
なぜか、捨てようとすると謎の恐怖に襲われて捨てられないのだ。
恐怖を感じることなんてほとんどないのに。
もうお互いにとって、お互いを必要としていない。
この手紙も、私にとって必要なものでもない。
それなのに手放せない。
色褪せた封筒の表面を指先で撫でた。
そのとき、「ガチャッ」と、扉が開く音が聞こえてきた。
父が帰ってきたのだろう。
「レイ!レイは居ないのか!」
私を呼ぶ父の声が聞こえた。
私は急いで部屋を出て、父と母のいるリビングに向かった。

作者メッセージ

お読みいただきありがとうございます。
文章がおかしかったらすみません。
次回の投稿日時も未定になります。

2024/07/20 12:32

明星
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PG-12 #暴力表現オリジナル投稿遅め初投稿

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