国たちのカオスな日常
#1
鉄壁
長かった世界会議がようやく終わった。国同士の利害が一致せず、長引きまくったこの会議が。
条約締結記念パーティーなるものが開かれ、緊張から解放された国々があちこちで酒を交わす。和やかな雰囲気が会場内に流れていた。その中で背の低い国が穏やかに各国へ話しかけに行っていた。彼は「日本」。物腰が柔らかく、どの国に対しても常に敬語で話しかける。
「イギリスさん、さっきの会議ではありがとうございました」
深々と完璧なお辞儀をする相手は「イギリス」。皮肉屋で、日本とはかつて日英同盟を結んだ仲だ。彼女は不敵に笑う。
「まあ、私にかかればこんなの大したこともない」
「さすがイギリスさん。心強いです」
上機嫌で去っていくイギリスを見送ると、後ろから話しかけられた。
「日本。他の国に気を使いすぎるなよ」
「そうだよ日本!気楽にいこう!」
振り返るとそこにはドイツとイタリアがいた。彼らも日独伊三国同盟を締結したかつての同盟国だ。
「ドイツさん、イタリアさん。お気遣い、ありがとうございます。しかし、私にはこれが性に合っているのです」
「そうか。あまり無理しすぎるなよ」
「はい」
日本は柔らかく微笑む。
「イタリアー!こっちで飲もうぜ!」
「うん、すぐ行くー!」
他の国に誘われ、イタリアが嵐のように去っていく。残された2人は言葉を交わすことなく、日本はノンアルコールを、ドイツはビールを飲んでいた。
2人は各国から「鉄壁」と称されていた。2人が徹夜して作る資料は、非の打ちどころがない完璧な資料だからだ。ドイツはワーク・ライフ・バランスを掲げているが、資料を作り続ける日本を放っておけず、結局共に徹夜している。
無言だが、2人の間には確かな絆があった。
条約締結記念パーティーなるものが開かれ、緊張から解放された国々があちこちで酒を交わす。和やかな雰囲気が会場内に流れていた。その中で背の低い国が穏やかに各国へ話しかけに行っていた。彼は「日本」。物腰が柔らかく、どの国に対しても常に敬語で話しかける。
「イギリスさん、さっきの会議ではありがとうございました」
深々と完璧なお辞儀をする相手は「イギリス」。皮肉屋で、日本とはかつて日英同盟を結んだ仲だ。彼女は不敵に笑う。
「まあ、私にかかればこんなの大したこともない」
「さすがイギリスさん。心強いです」
上機嫌で去っていくイギリスを見送ると、後ろから話しかけられた。
「日本。他の国に気を使いすぎるなよ」
「そうだよ日本!気楽にいこう!」
振り返るとそこにはドイツとイタリアがいた。彼らも日独伊三国同盟を締結したかつての同盟国だ。
「ドイツさん、イタリアさん。お気遣い、ありがとうございます。しかし、私にはこれが性に合っているのです」
「そうか。あまり無理しすぎるなよ」
「はい」
日本は柔らかく微笑む。
「イタリアー!こっちで飲もうぜ!」
「うん、すぐ行くー!」
他の国に誘われ、イタリアが嵐のように去っていく。残された2人は言葉を交わすことなく、日本はノンアルコールを、ドイツはビールを飲んでいた。
2人は各国から「鉄壁」と称されていた。2人が徹夜して作る資料は、非の打ちどころがない完璧な資料だからだ。ドイツはワーク・ライフ・バランスを掲げているが、資料を作り続ける日本を放っておけず、結局共に徹夜している。
無言だが、2人の間には確かな絆があった。