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僕達の恋愛事情は、それは素敵で悲劇でした

#2

恋愛事情は、


 最近の由衣は、どこか暗く不安そうな表情をさせていることが多くなった。力なく微笑む彼女の姿は、心なしか痩せたようにも見える。

 あれからもうすぐ一カ月。
 大学に通っている僕は、アルバイトを辞めるとほとんどの時間を彼女の為に費やした。大学にいる間は勿論のこと、帰宅してからも決して彼女の側を離れない。こんなに不安そうにしている彼女のことを、一人になんてしておけるわけがなかった。

 由衣が作った残りもののシチューを口へと運ぶと、ベッドの上ですやすやと眠っている由衣の寝顔を見つめる。その顔は、眠っていてもどこか疲れたような表情をしている。
 きっとアイツに悩まされて心身共に疲弊しきっているのだ。


「大丈夫。由衣のことは必ず僕が守るから」


 眠る彼女の頬にそっと触れると、触れた指先を滑らせて優しく微笑む。するとそれが少しくすぐったかったのか、由依は小さく「んっ……」と声を漏らすと寝返りをうった。
 そんな彼女を見てクスリと小さく声を漏らすと、僕は先程買ったばかりの小さな箱をポケットから取り出した。

 明日はいよいよ僕達の交際記念日。

 ここ最近は暗い表情ばかりさせていることの多かった彼女だが、明日はきっと笑顔を見せてくれるはず。
 取り出したばかりの小さな箱を見つめてニッコリと微笑んだ僕は、その視線を由衣へと戻すと緩んだ口元をゆっくりと開いた。


「明日は楽しみにしててね。おやすみ、由衣」


 眠る彼女の額にそっとキスを落として満足気に微笑むと、僕は彼女の眠りを妨げないようそのまま静かに部屋を後にした。

2024/10/06 16:32

天音ろっく@暫くお休み中
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SSミステリートリックストーカーヤンデレ

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