文字サイズ変更

指の間から零れ落ちていく

「元気になったら、 先生と一緒に、 お絵描きしたいな !」

青白く、骨と皮だけで繋がった体は、
見るに堪えないものだった。

「先生とっても、 お絵描き、 上手だから !」

ベッドに寝そべったまま、骨の浮き出たゴツゴツの手で鉛筆を握っている彼女は、
とても幸せそうに微笑んでいた。

「…そうだね。ならば早く、元気になりな?」

「うん!!、 約束ね !!」

そう元気に返事をした彼女は、
目から一粒の涙を零した。

今の私は、その涙を拭いてあげる事しか出来ない。


家に帰らず、寝る間も惜しんで彼女の病気の正体を探った。

なのに何一つ分からないんだ。

「一体何だというんだ。彼女を苦しめているのは…!」


彼女は日に日に弱っていった。

「先生、 隈が酷いよ?、 ちゃんと寝ないと、 駄目だよ?」

「うん。今日は家に帰って寝るよ。先生の事より、自分の心配しな。」

「うん、 分かってるよ」

彼女に家に帰ると言ってしまった。
帰らないとな。

「明日こそ、正体を突き止めてやる…!!」


夜中、彼女の心臓が止まったと、
小児科病棟から緊急の電話があった。

急いで彼女のもとへ向かった。
気が気じゃなかった。
そんな筈がない、あんなに元気だったじゃないか…!!

……元気…だった…?
元気な筈ないだろう
あんな酷い状態で、何故会話が出来たんだ。


私が着いた時にはもう、
彼女の死亡は確認されていた。

「約束…、守れなかった……。」

「絶対助けると約束した。」

「元気になったら一緒にお絵描きすると約束した。」

「なのに……!!」

なのに、その命は私の指の間から零れ落ちていく。
何故?何故なの?

「私は…人一人助けられないのか……!!?」

悔しい悔しい悔しい!!


それから丸一ヶ月間、
私は立ち直れなかった。

でも、やっと気持ちの整理がついた時、
あの病気の正体が判明した。

彼女が亡くなった事により、遺体の解剖が行われたからだ。

その病気は感染型の病気だった。
だが、正体が判明したと同時に、治療方法も知ることができたのだ。

「今まで、よく頑張ったよ…。」

「ありがとう。[漢字]真実[/漢字][ふりがな]まみ[/ふりがな]ちゃん。」

『いっぱいいっぱい頑張ってくれてありがとう!![漢字]目木[/漢字][ふりがな]めぎ[/ふりがな]先生!!』

作者メッセージ

メギの花言葉…「あなたの助けになる」

2025/08/25 17:18

ミジンコと
ID:≫ 1439dMBJAC7Go
コメント

クリップボードにコピーしました

この小説につけられたタグ

感動医者病気切ない涙腺崩壊

通報フォーム

お名前
(任意)
Mailアドレス
(任意)

※入力した場合は確認メールが自動返信されます
違反の種類 ※必須 ※ご自分の小説の削除依頼はできません。
違反内容、削除を依頼したい理由など※必須

盗作されたと思われる作品のタイトル

どういった部分が元作品と類似しているかを具体的に記入して下さい。

※できるだけ具体的に記入してください。

《記入例》
・3ページ目の『~~』という箇所に、禁止されているグロ描写が含まれていました
・「〇〇」という作品の盗作と思われます。登場人物の名前を変えているだけで●●というストーリーや××という設定が同じ
…等

備考欄
※伝言などありましたらこちらへ記入
メールフォーム規約」に同意して送信しますか?※必須
タイトル
URL

この小説の著作権はミジンコとさんに帰属します

TOP