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バレンタインチョコをあざと可愛い男子にあげる事になったやんきーちゃん

「バレンタインチョコって誰かにあげr…冬香はあげないか」




昼休み、購買で買ったメロンパンを食べている時。友達の[漢字]沙良[/漢字][ふりがな]さら[/ふりがな]が言った。




聞いておいてなんだよ。








まぁ、ヤンキーだし好きな人居ないしなぁ…確かにバレンタインは私にとってただの平日でしかない。











「まーまー冬香、そんな怒んなって!窓開けて空気吸ってくれ」





沙良がウインクをして、近くの窓を開ける。









がらっという音と共に、冷たい空気が流れ込む。





さっむ。…今2月だぞ…









「さ、っむい…閉めるわ」






私がそう言って席を立つ。







窓のところまで椅子を通り越して行き、窓から外を少し見た。

















[大文字]「あっやっべ!!」[/大文字]



聞き覚えのある声と共に私の顔に飛んできたのは、なんとバスケットボール。

















「おっ…と」



幸い運動神経が悪いわけでもない私は顔面すれすれでキャッチ。






誰だよ…と思い下を覗き込むと、下にはヤンキー集団が居た。







ヤンキー集団と言っても、ガチのではなく。


お遊び程度でイキっている男子たちの事だ。
私の学校の女子は皆ヤンキー集団と呼んでいる。















「あ!すんません!投げてくれません?それ」







いかにもヤンキー目指してんだろうなってくらいの金髪の男子が、私に向かって叫んだ。









正直少しだけいらついていた私は舌打ちと共に金髪めがけて思いっきり投げた。







風の影響もあってかびゅおん!というとてつもない音がする。










[大文字]「っぶねーなぁ…おい!!なんだお前!」[/大文字]





さっきの金髪が、なんとかキャッチした様だが…

なんかめっちゃ怒ってる。









めんどくせぇな、元はと言えば金髪野郎…お前じゃねぇかよ。






そう思ったが流石に学校で喧嘩は避けたい。













「チッ…」















[大文字]「ちょっとー!!黒下さん!!」[/大文字]








舌打ちをすると、後ろから大声が響いた。









「もう!舌打ちしちゃだめだよ!たとえいらついちゃったとしても!…ムカつくなら僕を頼って?」





彼は白守南都。







…[漢字]白守[/漢字][ふりがな]シラカミ[/ふりがな]って、どっかで聞いたことがあるんだよな。








まぁそんなことは置いておいて、「ムカつくなら僕を頼って」?









可愛くてあざといこいつに何ができるんだよ…

[小文字][小文字]※可哀想です※[/小文字][/小文字]










「_ね、黒下さん!聞いてる?」







はっと我に返る。











「え、ごめん…何も聞いてなかった」








南都は残念そうな顔をして、もう1度言う。







「もー…もう1回だけ言うよ?バレンタインに…チョコ作ってくれる?」












?????????????????????????









「なn、なんで?理由は」








私が理由を聞くと、南都は少しでかい袖を口に当てて顔を赤らめる。








「親に言っちゃったんだ、「バレンタインに彼女からチョコ貰うし」って」









強がっちゃったパターンか…









_んん?て事は、私が彼女役って事?








え、はずかし…









「てか他の人に頼めばよくない?私絶対恥ずかしすぎて嫌なんだけど」






私がそう言うと、白守は難しい顔をした。





「実はさー、僕の家ヤンキーというかヤクザでさ…」








え?こんなあざと可愛いヤクザなんて居る訳ないじゃn…いや、家系がヤクザなだけか。



でも跡取りとかあるくない…?私は○○組とかいうのじゃないからわかんないけど…










「‥で、ヤンキーの私にお願いした、と」



「ヤンキーの自覚あったんだ」











でもなあ…?あと2日…






チョコなんて作った事がない私が、2日で作れるのだろうか?













「沙良、手伝って」




沙良にお願いをしてみると、沙良は快くOKしてくれた。
良い奴だ。



























「はい!こんちくわ!!!!」



1日経った13日。








家まで何かを沢山持ってきて、沙良が張り切っていた。








「明日ですけど…?」







私がそう言うと、沙良は人差し指を頬の近くに持ってくる。









「1日冷蔵庫で眠らせるの♡」









沙良は女子の中の女子…ではないけど、結構こういうお菓子作りとかは得意そうだ。










「で…さ、何作るの?チョコなのは分かってんだけど」







私がエプロンを着ながら聞くと、沙良は髪の毛をくくりながら言った。








「抹茶シフォンケーキ」








抹茶…?

シフォンケーキはまだ分かる。でも、…抹茶?










「なn…なんで抹茶…??!」









沙良がびっくりした顔で言った。








「え…知らないの?白守って抹茶好きらしいよ」







あ、そうなんだ…?








私でも知らなかった情報だ。











_「[小文字]よし、ビシバシ行きますよ…[/小文字]まず卵白と卵黄にわけてくださ~い」






白身と黄身って事?










「はい次は卵黄と砂糖混ぜて‐」






しゃかしゃかしゃか、という音と共に手を回していくが、全く持って沙良からのOKが来ない…。









「ちょ…まだ?」





「白っぽくなるまでね」









「次はサラダ油加えて下さい~んで白っぽくなるまで混ぜたら牛乳を加えてまた混ぜて下さーい」








サラダ油とか使うんだ…






手慣れない料理を…と言っても混ぜてるだけだけど、かなり大変だ。









「さ…沙良、終わった…!」







沙良は私の手のボウルの中を見て、頷きながら言った。








「うん、OK!じゃあ次は薄力粉と抹茶をふるい入れて混ぜてね」






ようやく抹茶の出番だ。








えーと…これが薄力粉か。








ふるいいれて、そして抹茶の粉をまたふるいいれる。








粉でくしゃみが出そう…マスクしておけば良かった。









女子を捨ててくしゃみを止め、ようやく混ぜ終わった。









「次は!!!卵白入れてメレンゲを作りまーす」






メレンゲって、あの白いふわふわだよね?









「で次は_」








































































「…おお…」









「よっしゃー完成!」


沙良の言葉の通り、ようやく完成した。

抹茶の美味しそうな香りがする。










…あれ??1日置くんじゃないのか?






「ねぇ沙良?1日置かすんじゃないの?」











沙良は難しい顔で、少し息を吸ってからそう言った。







「…間違えたんすわ」









間違えた????






あ、1日間違えたって事か…









…いややばいじゃん!


まてまて。










「1日早めるって事?」






私が聞くと、沙良は笑った。








「しょうがないし今日はもう冷蔵庫いれよっか!なんか…まぁなんとかなるでしょ」










他人事みたいに…






…あ、他人の事か…


















ぴろん、と沙良のスマホから着信音が流れた。






沙良がエプロンを微妙に外しながら見ると、急に大声をあげた。







[大文字]「あっ…」[/大文字]









「ど、どしたの沙良」




私が焦りながら聞くと、外しかけのエプロンを脱いで畳みながら言った。








「あんたと白守って連絡先繋げてないんだっけー?白守の方に冬香のID送っといたよ~」









そういえばそうだった。カップルのふりするくせに連絡先も繋げてないんだっけ。










後で見ておこう…と思うと、私のスマホから着信音が連続で鳴った。









「「あ…白守だ」」







2人の声が重なった。































_「じゃーね、テクニック的なのはまた送っておく」






あの後、2人でめっちゃ話して結局夜になった。









満月が眩しい。









「うん、ありがとね」








沙良は満月に反射されながら、自転車をこいで帰っていった。














「_そろそろ白守の返信してやろう…流石に放置しすぎた」








育成ゲームのキャラクターみたいに、白守は少しでも放置すると泣きじゃくって拗ねる奴だ。















「明日家行くねー、住所は沙良から聞く」





それだけ送っておくと、すぐに既読が付いた。









お風呂入らなきゃいけないんだけどなぁ…返信来るんだろうなぁ…











ぽこ、という着信音と、白守の送ったスタンプが見えた。








「OK」という文字と可愛らしいにこにこした男の子のスタンプ。





それだけだった。







もっと送ってこないのか…



沙良には送ってたくせに。











…あれ?今私嫉妬してた、?




















湯船に浸かりながら、さっきの事を考えていた。







なんで私が白守と話してた沙良に嫉妬?









白守の事を大切に思っている証拠だろうか。













「う、さぶ…」







更衣室に出て、パジャマを着る。








冷たい空気と、置いてある時計の秒針が進む音。










カチ、カチ、カチ_













秒針の音に、スマホの音が混ざった。







また[漢字]白守[/漢字][ふりがな]あいつ[/ふりがな]か…










しぶしぶ見ると、スタンプを前後に付けてこう送ってきてあった。






「明日の時間なんだけど、13時に僕の家に来てほしい!もちろんケーキ持ってきてねー」









…めんどくさいなぁなんて思ってしまうかもしれない。


過去の私なら。









でも何故か、今の私は楽しみにしている。









なんて、白守に言ってしまっては駄目だろうな。





































_ピンポーン…







「はーい…あ、黒下さん!ありがとね、入って!」









いかにもかわいらしい男の子という服装だが、家は凄い和な雰囲気があふれ出ている。






ヤクザ…だから…か。










「あら…南都の彼女さん?いらっしゃい、お名前は?」








少し中に入ると、和服の女の人が居た。







黒い綺麗な髪を束ねた、姐さんという感じの人だ。









「え、と…黒下冬香…です」













「あのー…白[小文字]守[/小文字]…[小文字]じゃなかった[/小文字]、南都…に、作ってきたものがありまして…」









暫くして、昨日沙良と凄い時間をかけて作った抹茶シフォンケーキを差し出すと、姐さんという感じの人が声を張り上げた。






[大文字]「ちょっとまって!!!」[/大文字]





え、何か駄目なことやっちゃったか…??!何されるんだ…









「めちゃくちゃ美味しそうじゃないの…!南都も良い女持ったじゃないの~」











!!?








…そういえば私彼女のふりしてるんだ…










顔が赤くなってる気がする…













「ぜひ…美味しいというか口に合うかわかりませんが、食べてみて下さい…」







作った食べ物は食べて貰わないと意味を果たせないし。









「おいしそ〜じゃあいただきますっ」





白守が早速切って食べ始める。









大丈夫かな…








と思うのも束の間、白守の目が輝いた。







「滅茶苦茶美味しい…やっぱり僕の推理[小文字](?)[/小文字]は正しかったね」








「いや、推理じゃねぇだろ…」








はっ…


ついいつもの感じでつっこんでしまった。










「ははっ、確かに!推理じゃなくて…予想?」




白守はそう言って笑った。









あぶね~〜…姐さんの様な人も、笑っている。









「なんだ、普段からこうならもっとこういう感じで良いのよ?」





[漢字]女の人[/漢字][ふりがな](姐さんみたいな人)[/ふりがな]がそう言った。










「は、はい…ありがとうございます、」





「もう!!違うー!ありがとうでしょ!」









南都がまた笑った。































「今日は楽しかったー?」




帰り際。



南都と帰っていると聞かれた。








私の答えは決まっている。







「ま、楽しかったよ。あんたにケーキあげれて良かった」









私がそう言うと、南都は笑顔でまた笑った。




「そっか!…わざわざ僕のために作ってくれてありがとね!」







ほとんど沙良がやった様な気もしなくもないけど…








「んーん…うちは全然いいよ」









    _だってあんた嫌いじゃないし」








南都は動きを止めた。









「…嫌いじゃないって…何?好きなの?」







南都が赤い…










なんだか面白くて、私は少し後ろにいた南都の方へ振り返ってこう言った。









「好きかどうかなんて秘密だよ。…だって自分もわかんないもんね」











「もーどういうこと!!?期待しちゃうからきっぱりしてよー!」












コンクリートに、2人の少し伸びた影。





夕焼けが照らしつつ、月明かりも見え隠れしていた。
















「あ、お返し出来たらなんかちょうだいね」





私が家のドアを開けながら言うと、南都はびっくりした顔と嬉しさが混じった表情で言った。







「え~?どうしよっかな?」








「なによ~、くれてもいいじゃん」









南都は家の右側に伸びた影をちらりと見てから、こちらに顔をずいっと向ける。










「その時まで待ってて!やっぱ内緒!」









なんだよ期待させておいて。










「じゃ、ホワイトデー待ってるからね?…それまでに今よりも距離縮めてよね」










南都は一瞬考えてから、笑ってこう声に出した。







[小文字]「縮めるに決まってんじゃん」[/小文字]











「_絶対近づけるもん!」







次は大きな声で言った。














ホワイトデーまで、おたのしみ…かな。





作者メッセージ

皆さま!今日はバレンタインらしいですね!!!()

と言っても今はもう20時…遅れすぎましたね。




遅れすぎましたが、私から小説という名のチョコレート(?)を普段から頑張っている皆さまに贈ろうと思います。

4000字って滅茶苦茶重いチョコレートじゃないですか…ちょっと…メンヘラ感でません…⁇
重かったらごめんなさい。

2025/02/14 19:49

醉夢まちゃ。
ID:≫ 4sDvBSaOEcmHM
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