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危ない私の薬指

1月1日。
新年あけましておめでとう!という言葉が飛び交う、おめでたい日_私が12年か13年生きてきて、まさかこの日が最悪な日になるとは思いもしなかった。



元旦といえば初詣。
遠い神社に行くのは、明日のおでかけの日だから、今日は自転車で数分の距離にある少し小さな神社へと向かった。


「あ!先輩!?あけましておめでとうございます!」
「あー!あけおめあけおめ〜!今年もよろしくね〜」

運よく仲がいい先輩と会い、体とは裏腹に温かな心で賽銭箱へ小銭を入れた。



首に巻いたマフラーのあったかさを感じながら、今年の目標を心のなかで呟く。


今年は…えーっと…部活がうまくいきますように。頭がよくなりますように…

ありきたりなことを呟いてから、最後に名前と住所を添える。
名前と住所がないと神様も誰のお願いなのかわからなくなるから、というお母さんからの教えだ。


そして可愛らしいお守りを1つ買い、鞄に大事に入れて、その鞄を自転車のかごに乗っけた。
冬らしい冷たい風にマフラーと耐えながら、来た道をそのまま戻った。



「ふー寒かった…」

風で乱れてしまった髪の毛を整えながら、1階の洗面台でそう言う。
弟からは、わかる〜と軽々しく返された。

そして風邪の多い時期なのでしっかりと石鹸で手を洗い、リビングへ向かった。


あー…、ゲームのログインボーナス、お年玉キャンペーンみたいなのでいっぱい貰えるんだっけ…ログインするか…

鞄からスマホを取り出し、そのゲームのアイコンをタップする。
ロード中は暇なので、なんとなく自分の手を見ていた。


…ん?



自分の手…いや、指に、違和感を覚えた。

右手の薬指の第二関節が手のひらの方に曲がっている。まっすぐしようとすると、ほんの少しだけ痛みが走った。

手の甲ではなく手のひらの方から見てみると、余計に曲がっていることが確認できる。
他の指はまっすぐなのに…


「お、お母さんやばい!指折れたかもしれん!」

流れでつい言ってしまったが、そんなわけがない。
折れていたらもっと激痛だろうし、そもそもまっすぐしようとしなくても痛みは伴うはずだから。


「はぁ?ちょっと見せてみ」

半笑いでお父さんが指を見てくれた。やっぱり指は折れていないと言われた。


お昼ご飯を食べながら、とりあえず近くの病院に行って確かめてもらおうという話をされた。
危ないものであれば紹介状を書いてくれるから、もし紹介状を貰った場合は遠くの病院まで行かなければいけないらしい。


普通にしてたら痛くもなんともないんだけどなぁ…

でも、1月中には学校で百人一首大会があるから手には気をつけなきゃ。









近くの病院では「私ではわからないので紹介状を書きますそっちで見てもらって下さいすみません」的なことを言われ、電車に乗って少し大きな病院に言った。

手専門の整形外科、みたいなところに行って見てもらったが、結局のところ筋肉か神経が麻痺しているか何かで終わった。
骨に異常はないので、大丈夫そうでしょう。と。


中指とぐるぐる巻きにしてまっすぐしてみようか〜。と言われて、右手の薬指と中指が結合した状態で乗った電車の乗り心地は、凄く悪かった。

本来であれば電車の揺られているのが心地良いのに、モゾモゾした感じが拭いきれなくて。揺られているから、包帯も取れないか心配になってしまう。
結局包帯が取れるまでは電車を避けた。


この騒動から数年。全くもってまっすぐにならなかったし、なんなら中指もちょっと曲がった。
寒いところではありえないレベルで曲がり、暑いところではマシになる。というなんともアホらしいことを学んだ。


_私は一生、この危ない薬指と生きていくことになりそうだ。

作者メッセージ

最初にもあった通り、私が中1くらいのときの話ですね。
凄い、あの、なんていうか…包帯は不快感が半端なかったです。笑
あとは凄いペンが持ちにくかったですね。最悪でした。

2026/08/21 10:51

醉夢まちゃ。
ID:≫ 4sDvBSaOEcmHM
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