花火で消し去った君の言葉はまだ秘密
お祭り特有の匂いと、熱気と、喧騒。
その全てがもれなく嫌いな陰キャ_そう、私がなぜ[漢字]こんな場所[/漢字][ふりがな]おまつり[/ふりがな]に来ているのか?
理由は単純で、仲が良い友達に誘われたから。
仲が良いと言っても、2年間クラスが同じなだけで、尚且つ私に沢山話しかけてきてくれるだけ。
ド陰キャの私には断る資格がないと心の底で思い、それとなく嫌な顔はせずに了承した。
親にも、浴衣買ったから着ろとかお祭りは4日あるから1日でも行けとか、色々言われてたしちょうどいいか。
「浴衣着るんだよね〜」と話していると、一緒に行く女子2人は「望ちゃんが着るんだったら私も着る」と言ってくれた為、1人だけ浴衣とかいう気まずい空間は生まれずにすんだ。
_「望ちゃん見て!激でか綿あめ!」
誘ってくれた張本人・[漢字]灯[/漢字][ふりがな]あかり[/ふりがな]ちゃんの大声で、意識が一瞬にしてこちら側へ向かった。
…げ、げきでかわたあめ??そう思い灯ちゃんを見ると、その名[小文字][小文字](?)[/小文字][/小文字]の通り一般的な綿あめよりもはるかに大きなサイズの綿あめを持っていた。
背景は赤く染まった夕焼け空。薄い水色に白色で模様が施された浴衣に、真っ白い綿あめ。コントラストが映えている。
「わ、すご…!灯ちゃん1人で食べれる…?」
「何かあったらあたし食べるよ〜」
「関節キスは気まずいし普通にわたし胃袋でかいから!心配ありがとねっ」
そんなことを話していると、聞き覚えのある声があちら側から聞こえてきた。
「あれー!灯に莉緒に[漢字]東條[/漢字][ふりがな]とうじょう[/ふりがな]さん?学校ぶりー!」
彼女はドドド陽キャの[漢字]赤地[/漢字][ふりがな]あかち[/ふりがな]さん。下の名前は確か、ミライ。
仲良くはないので、彼女も私もお互いが苗字で呼び合っている。
私と一緒に来ている灯ちゃんと莉緒ちゃんは、去年謎に接点があったのかなんなのかわからないが、お互いが下の名前で…尚且つ呼び捨てで呼び合っているらしい。
失礼かもしれないけど、赤地さんは女バスと言われると納得するようなガタイをしているせいかなんとなく怖い。
時々私のことネタにしてくるし…。
「ミライじゃん。さっきぶり〜。浴衣似合ってる!」
「ありがと〜当たり前でしょーよ」
そんな会話が聞こえてきたので、赤地さんの浴衣に視線を移してみた。
普段は1つにまとめている髪の毛が、今日はおろされている。長く美しい茶髪は彼女の友達に遊ばれている。
そこは女の子らしく可愛いが、浴衣は黒がベースで、白とゴールドの帯で締められているその姿には女性っぽさが感じられた。
美しい。不覚にもそう思ってしまった。
私が保健室へ行くところを2回ほど目撃された時は心配してくれたし、水泳授業の時見学していたら「大丈夫?日陰入りな」とか言ってくれたし、…優しい一面もあるのだろうけれど。
やっぱり陽キャのノリというかなんというか、いじられは、私にとっては笑いにくい。
_「…綺麗だね」
そう声に出た。出てしまった。
その出来事で私は我に返った。辺りは暗く染め上げられ、人混みは増え、屋台の人工的な明るさが眩しい。
その言葉を聞いた赤地さんは、とても驚いた表情のまま少し固まってしまった。
そりゃ、固まるのも当然だ。別に仲良くもなんともない地味な女に急に綺麗とか言われると、誰だって固まってしまうだろう。
少しして彼女ははにかみながら何かを言った。
花火の音で聞こえなくて、だから口元を頼りにした。
けれど私は目も悪ければ頭も良くないので何を言っているのかはさっぱりわからない。
陰キャだから、なんて?と聞き返す勇気も出なくて、結局なんと言っていたのかわからず彼女は友達に誘われてしまい遠ざかっていった。
こういう時、相場なら「ありがとう」やら「嬉しい」やらなんやら、そういう事を言うのだろうけれど、赤地さんが発した言葉はもう少し長かった。
なんか、口の形的に「と」から始まっていた気がする。
「…ね、灯ちゃん。さっき赤地さんなんて言ってたかわかる?」
「…わ…かんない」
灯ちゃんはそっぽを向いている。絶対わかってるでしょ。教えてくれないかな…気になるし…
「え、絶対わかってるじゃん!!教えてよ!?」
私がそう言うと、灯ちゃんは渋々口を開いた。
「…東條さんの方が可愛いって言ってた…よ」
笑いを堪えつつそう言われ、私は暫く考えることが出来なかった。
…かわいい…??????
かわいい!!?
私が?可愛い?しかも赤地さんが言っていたという事実を踏まえると余計にこんがらがる。
…だから「と」から始まってたしちょっと長かったのか。
あまりに困惑しすぎて謎に冷静になってしまった。
_彼女の「かわいい」は、イジりなのか。それとも本心なのか。
次の日も学校はあるしいくらでも聞く機会はあるけれど、緊張と恥じらいが混じってしまい、聞こうなんて思いもしなかった。
その全てがもれなく嫌いな陰キャ_そう、私がなぜ[漢字]こんな場所[/漢字][ふりがな]おまつり[/ふりがな]に来ているのか?
理由は単純で、仲が良い友達に誘われたから。
仲が良いと言っても、2年間クラスが同じなだけで、尚且つ私に沢山話しかけてきてくれるだけ。
ド陰キャの私には断る資格がないと心の底で思い、それとなく嫌な顔はせずに了承した。
親にも、浴衣買ったから着ろとかお祭りは4日あるから1日でも行けとか、色々言われてたしちょうどいいか。
「浴衣着るんだよね〜」と話していると、一緒に行く女子2人は「望ちゃんが着るんだったら私も着る」と言ってくれた為、1人だけ浴衣とかいう気まずい空間は生まれずにすんだ。
_「望ちゃん見て!激でか綿あめ!」
誘ってくれた張本人・[漢字]灯[/漢字][ふりがな]あかり[/ふりがな]ちゃんの大声で、意識が一瞬にしてこちら側へ向かった。
…げ、げきでかわたあめ??そう思い灯ちゃんを見ると、その名[小文字][小文字](?)[/小文字][/小文字]の通り一般的な綿あめよりもはるかに大きなサイズの綿あめを持っていた。
背景は赤く染まった夕焼け空。薄い水色に白色で模様が施された浴衣に、真っ白い綿あめ。コントラストが映えている。
「わ、すご…!灯ちゃん1人で食べれる…?」
「何かあったらあたし食べるよ〜」
「関節キスは気まずいし普通にわたし胃袋でかいから!心配ありがとねっ」
そんなことを話していると、聞き覚えのある声があちら側から聞こえてきた。
「あれー!灯に莉緒に[漢字]東條[/漢字][ふりがな]とうじょう[/ふりがな]さん?学校ぶりー!」
彼女はドドド陽キャの[漢字]赤地[/漢字][ふりがな]あかち[/ふりがな]さん。下の名前は確か、ミライ。
仲良くはないので、彼女も私もお互いが苗字で呼び合っている。
私と一緒に来ている灯ちゃんと莉緒ちゃんは、去年謎に接点があったのかなんなのかわからないが、お互いが下の名前で…尚且つ呼び捨てで呼び合っているらしい。
失礼かもしれないけど、赤地さんは女バスと言われると納得するようなガタイをしているせいかなんとなく怖い。
時々私のことネタにしてくるし…。
「ミライじゃん。さっきぶり〜。浴衣似合ってる!」
「ありがと〜当たり前でしょーよ」
そんな会話が聞こえてきたので、赤地さんの浴衣に視線を移してみた。
普段は1つにまとめている髪の毛が、今日はおろされている。長く美しい茶髪は彼女の友達に遊ばれている。
そこは女の子らしく可愛いが、浴衣は黒がベースで、白とゴールドの帯で締められているその姿には女性っぽさが感じられた。
美しい。不覚にもそう思ってしまった。
私が保健室へ行くところを2回ほど目撃された時は心配してくれたし、水泳授業の時見学していたら「大丈夫?日陰入りな」とか言ってくれたし、…優しい一面もあるのだろうけれど。
やっぱり陽キャのノリというかなんというか、いじられは、私にとっては笑いにくい。
_「…綺麗だね」
そう声に出た。出てしまった。
その出来事で私は我に返った。辺りは暗く染め上げられ、人混みは増え、屋台の人工的な明るさが眩しい。
その言葉を聞いた赤地さんは、とても驚いた表情のまま少し固まってしまった。
そりゃ、固まるのも当然だ。別に仲良くもなんともない地味な女に急に綺麗とか言われると、誰だって固まってしまうだろう。
少しして彼女ははにかみながら何かを言った。
花火の音で聞こえなくて、だから口元を頼りにした。
けれど私は目も悪ければ頭も良くないので何を言っているのかはさっぱりわからない。
陰キャだから、なんて?と聞き返す勇気も出なくて、結局なんと言っていたのかわからず彼女は友達に誘われてしまい遠ざかっていった。
こういう時、相場なら「ありがとう」やら「嬉しい」やらなんやら、そういう事を言うのだろうけれど、赤地さんが発した言葉はもう少し長かった。
なんか、口の形的に「と」から始まっていた気がする。
「…ね、灯ちゃん。さっき赤地さんなんて言ってたかわかる?」
「…わ…かんない」
灯ちゃんはそっぽを向いている。絶対わかってるでしょ。教えてくれないかな…気になるし…
「え、絶対わかってるじゃん!!教えてよ!?」
私がそう言うと、灯ちゃんは渋々口を開いた。
「…東條さんの方が可愛いって言ってた…よ」
笑いを堪えつつそう言われ、私は暫く考えることが出来なかった。
…かわいい…??????
かわいい!!?
私が?可愛い?しかも赤地さんが言っていたという事実を踏まえると余計にこんがらがる。
…だから「と」から始まってたしちょっと長かったのか。
あまりに困惑しすぎて謎に冷静になってしまった。
_彼女の「かわいい」は、イジりなのか。それとも本心なのか。
次の日も学校はあるしいくらでも聞く機会はあるけれど、緊張と恥じらいが混じってしまい、聞こうなんて思いもしなかった。
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