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偽マスの消されたあとの物語。

#69

68話

次元の裂け目を抜けた一行が辿り着いたのは、色を失った灰色の大地だった。
そこは『原始の特異点:ゼロ・グラウンド』。
「ペン」という概念どころか、文明の火さえも灯っていない。あるのは剥き出しの岩肌と、空腹と殺意だけで動く巨大な原生生物たちが跋扈する、文字通りの弱肉強食の世界だ。
「……はは、懐かしいな。この何もなさに、鼻をつく血の匂い」
るとは、指先に残るはずの「回転の感触」を探るが、そこには空虚な風が吹き抜けるだけ。多次元の創造神に概念を奪われた影響は深刻で、全能の力は封印され、身体能力もかつての「騎士副団長級」程度まで引き下げられていた。
「おい、ると。この世界、魔力(マナ)が薄すぎて満足に技も出せねえぞ」
レンが苛立ち混じりに、近くの巨大な岩を拳で粉砕する。身体能力は健在だが、かつてのような「概念的な破壊」は影を潜めていた。
「それでいいんだよ、レン。俺たちが求めているのは、小綺麗な魔法や便利な神の力じゃない。……奪われた『回転(ペンまわし)』の根源、つまり『物を回すという意志』を、このゼロから再構築するんだ」
すると、背後の茂みが大きく揺れた。
現れたのは、体長十メートルを超える『剛角のマンモス・レックス』。この世界の頂点に君臨する捕食者だ。
その怪物は、一行の放つ「異物」としての匂いに反応し、地響きと共に突進してくる。
「ラウナ、アルラウネ、手出しは無用だ。……偽マスターの『ハッタリ』だけで、こいつを料理してやる」
るとは足元に落ちていた、ただの「真っ直ぐな枝」を拾い上げた。
ペンではない。ただの棒切れ。だが、るとの瞳にはかつての『因果観測(トレース・アイ)』の鋭さが戻っている。

2026/02/15 14:38

ゆっくりると
ID:≫ 15ZZhWW60Fvc2
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