文字サイズ変更

偽マスの消されたあとの物語。

#52

51話

「……最後の仕上げだ。椅子は一つでいい」
るとは、灰に塗れた床で震える十人の生存者を見下ろし、冷徹な死の宣告を突きつけた。
「お前たちは選ばれた。だが、俺の隣に立つ『資格』があるのは一人だけだ。さあ、殺し合え。最後の一人になった者だけを、俺の神界(にわ)へ招き、真の神の加護を授けよう」
るとが指を鳴らすと、講堂の扉が重々しく閉ざされ、逃げ場のない「神の闘技場」へと変貌する。生存者たちの手元には、それぞれの能力を極限まで引き出す禍々しい武器が、るとの『再現』によって転がり落ちた。
「な……んだよ、それ……。レイ……いや、マスター! 俺たちは仲間じゃなかったのかよ!」
レンが、かつての友であり、今は絶対的な破壊神であるるとに向かって絶叫する。その瞳には、裏切りの悲しみと、理性を焼き尽くすほどの憎悪が混ざり合っていた。
「仲間? くく、勘違いするな。お前たちは俺が書いた『物語』の登場人物に過ぎない。……さあ、レン。お前が一番可愛がっていた奴から、その拳で粉砕してみせろ」
るとの冷酷な煽りに、十人の精鋭たちの理性が、アルラウネの放つ「狂気の芳香」によって強制的に剥ぎ取られていく。
「……やるしかないんだな。死にたくねえ、死にたくねえんだよ!!」
一人が隣の仲間の首を撥ねたのを合図に、地獄の蓋が再び開いた。
かつての級友たちが、肉を削り、魂を食らい合う。
るとは玉座で、最上のワインを味わうかのように、その『究極の共食い』を余さず「記録」し、愉悦に浸る。
「(いいぞ……。絶望の果てに、誰が俺の手を掴もうとするのか。あるいは、誰が俺の首を狙って這い上がってくるのか……)」
凄惨な殺し合いは、数分と経たずに結末を迎えようとしていた。
血の海の中に立っていたのは、返り血で真っ赤に染まり、ボロボロになりながらも、ラウナ級の暴力を宿した拳を握りしめるレンだった。
「……はぁ、はぁ……。殺した……。みんな、俺が……」
レンの足元には、かつて彼が「知識」を共有しようとした者たちの死体が転がっている。彼は虚ろな瞳を上げ、玉座のるとを睨み据えた。
「……満足かよ、クソ神」
るとはゆっくりと立ち上がり、拍手を送りながらレンへと歩み寄る。
「最高だ、レン。お前こそが、この世界で唯一生き残る価値のある『本物』だ。さあ、約束通り神界へ連れて行ってやろう。……そこで、俺を殺すための力を、さらに磨かせてやるよ」
るとは絶望しきったレンの首筋を掴み、次元の裂け目へと引きずり込んでいく。

2026/02/15 14:05

ゆっくりると
ID:≫ 15ZZhWW60Fvc2
コメント

通報フォーム

お名前
(任意)
Mailアドレス
(任意)

※入力した場合は確認メールが自動返信されます
違反の種類 ※必須 ※ご自分の小説の削除依頼はできません。
違反内容、削除を依頼したい理由など※必須

盗作されたと思われる作品のタイトル

どういった部分が元作品と類似しているかを具体的に記入して下さい。

※できるだけ具体的に記入してください。

《記入例》
・3ページ目の『~~』という箇所に、禁止されているグロ描写が含まれていました
・「〇〇」という作品の盗作と思われます。登場人物の名前を変えているだけで●●というストーリーや××という設定が同じ
…等

備考欄
※伝言などありましたらこちらへ記入
メールフォーム規約」に同意して送信しますか?※必須
タイトル
URL

この小説の著作権はゆっくりるとさんに帰属します

TOP