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偽マスの消されたあとの物語。

#49

48話

「……レイ! よせ、危ないっ!!」
ゼノの重力剣が、空間ごとレンを圧殺せんとしたその刹那。
レンの前に飛び出したのは、無力なはずの落ちこぼれ、レイ(ると)だった。
ドォォォォォォォン!!
「――がはっ……!?」
魔王級の重圧がレイの細い身体を直撃する。
わざと防御を解き、騎士副団長級の肉体情報さえも一時的に遮断した「生身」で受けた一撃。レイの身体はボロ雑巾のように吹き飛び、岩壁に叩きつけられた。
鮮血が舞い、レイは動かなくなる。
「レイ……? おい、嘘だろ……レイ!!」
レンの視界が、一瞬で真っ白に染まった。
自分を信じ、導き、そして今、自分の身代わりになって死にかけている唯一の友人。
その光景が、レンの魂の奥底に眠っていた「リミッター」を、完全に粉砕した。
「……ああああ、ああああああああああッ!!!」
咆哮。
それはもはや人間の発する声ではなかった。
レンの身体から魔力ではない、純粋な『魂の質量』が溢れ出し、島全体を震わせる。アルラウネの根が恐怖で萎縮し、襲いかかっていた千人の生徒たちが、その威圧感だけでバタバタと失神して倒れていく。
「……ほう、これが主の狙いか」
ゼノが驚愕に目を見開く。目の前の少年は、今やラウナをも凌駕する「純粋な暴力の権現」へと変貌していた。
「(……くく、いいぞ。最高の『覚醒』だ、レン)」
血の海に伏したまま、レイ(ると)は片目を開け、脳内の『完全記憶(レコード)』をフル稼働させていた。
親友の死(偽装)という極限のストレス下で、レンが引き出した「神をも殺しうる物理的特異点」。その全情報を、るとは余さず記録していく。
「お前ら……全員、ぶっ飛ばしてやる……!!」
レンの一歩。その踏み込みだけで島が半分に割れた。
音速を超え、因果を置き去りにしたレンの拳が、魔王級の騎士ゼノの胸甲に突き立てられる。
「ぐ、お……っ!?」
最強の守護者の一人、ゼノが、ただの「無能力者」の拳によって、無様に空へと打ち上げられた。
島が崩壊し、海が割れる。
神の庭を破壊し尽くす勢いのレン。

2026/02/15 14:03

ゆっくりると
ID:≫ 15ZZhWW60Fvc2
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