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偽マスの消されたあとの物語。

#47

46話

「おいレン、右だ! 3時の方向から来る氷弾を拳で叩き割れ!」
「ひっ、氷を拳で!? 無理だよ死んじゃう――って、ええい、ままよッ!!」
ガシャァアアアン!!
レンが泣きべそをかきながら振り回した右拳が、上位ランカーが放った極大の氷塊を、まるで薄いガラス細工のように粉砕した。飛び散る氷の礫が、逆に攻撃してきた生徒たちの頬を切り裂く。
「(くくく……最高だ。魔力ゼロゆえに魔導障壁に干渉されず、物理法則だけで全てを蹂躙する。ラウナ級の出力が、無自覚な少年の腕に宿っているこの歪(いびつ)さ……!)」
レイ(ると)は木陰に身を潜めながら、『因果観測(トレース・アイ)』で全方位の戦況をリアルタイムで解析。レンの耳元に仕込んだ魔導通信(あるいはただの大声)で、神の如き正確さで「回避と反撃の最短ルート」を指示し続けた。
「次は左、10時方向! 炎の渦を突っ切って、その奥にいる術者の鳩尾を突け! 指一本で十分だ!」
「火の中に突っ込めってか!? ああもう、レイの嘘つき、信じてるからなあああ!!」
レンが爆風を切り裂き、猛然とダッシュする。
その速度はもはや音速に近い。魔力の加速ではない、純粋な筋肉の爆発。炎の中を無傷で突破したレンの指先が、エリート魔導士の胸に触れた瞬間、衝撃波が背中まで突き抜けた。
「ぐ、はっ……!?」
白目を剥いて崩れ落ちる上位入賞候補者たち。広場はわずか数分で、レン一人の手(とレイの舌)によって壊滅状態に陥った。
「な、なんだよこれ……俺、本当に『無能力者』なのか……?」
返り血を浴び、呆然と立ち尽くすレン。周囲には、かつて彼を見下していた「選ばれた人間」たちがゴミのように転がっている。
「……すごいよ、レン! お前の知識が、肉体を最適化させたんだ! さあ、次はあっちの森に逃げた連中を追いかけよう。お前の『力』があれば、この島の覇者になれる!」
レイは「純粋な賞賛」を装いながら、レンをさらに戦いへと駆り立てる。
上空では、監視役のゼノが剣の柄に手をかけ、苛立ちを隠せない様子でその光景を凝視していた。
「……報告にあった『最下位のゴミ』共が、選良たる我が生徒たちを蹂躙している。ミラ、これは『不具合』ではないのか?」
ミラは静かにレイの隠れている場所を見つめ、全てを察したように溜息をついた。
「いいえ、ゼノ。あれは……『神の気まぐれ』という名の、最も残酷な授業よ」
【島バトルの現状】
レン: 「自覚のない最強」として覚醒中。レイを唯一の頼りだと思い込んでいる。
レイ: 影の軍師。レンを「本物の怪物」に育てる過程を、特等席で楽しんでいる。

2026/02/15 14:02

ゆっくりると
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