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偽マスの消されたあとの物語。

#46

45話

「(……待てよ。こいつ、ただのオタクじゃないな)」
レイ(ると)は、隣でガタガタと震えるレンに『因果観測(トレース・アイ)』の視線を深く突き刺した。
表面上の魔力はゼロ。だが、その魂の「質量」が異常だ。魔力が全くない代わりに、肉体のリミッターが魂の根源的な力で強引に引き剥がされている。
その潜在的な身体能力は、今や自分の隣にいるラウナに匹敵する「化け物」。ただ、レン自身が「自分は無能力者のゴミだ」と思い込みすぎていて、その力を使うスイッチの入れ方を知らないだけだ。
「……くく、面白い。最高級の爆弾がこんなところに転がっていたとは」
レイは卑屈な笑みを貼り付けたまま、怯えるレンの肩を掴んだ。
「おい、レン。あっちの森の開けた場所に、さっき『壊れた強力な魔導兵器』が落ちてるのが見えたんだ。お前の知識があれば直せるんじゃないか?」
「えっ、マジかよ!? それがあれば生き残れるかも……!」
希望に縋り付いたレンは、レイに促されるまま全力で走り出した。向かう先は、この島で最も強力なエリートたちが集まり、激戦を繰り広げている中央広場。
「いたぞ! 落ちこぼれのレンと、最下位のレイだ!」
広場に飛び出した瞬間、待ち構えていたのはゼクスを含む上位ランカーたちの集団だった。彼らは手負いの獲物を狩るように、獲物を囲む。
「無能力者がこんなところまでノコノコと……死にに来たか!」
ゼクスが以前の屈辱を晴らすべく、最大火力の炎を纏った拳をレンに叩きつける。レイはわざと距離を取り、木陰からその瞬間を待った。
「危ない、レン! 避けろ!」
「ひっ、死ぬーーー!!」
レンが反射的に、全力で腕を振り回した。
本人としては、ただの「無様な悪あがき」のつもりだった。
ドォォォォォォン!!
空気が爆ぜた。
レンの拳がゼクスの炎を「物理的」に粉砕し、そのままゼクスの胸板を直撃。エリートの防具を紙細工のように貫き、彼は背後の大岩まで吹き飛んで、岩ごと粉々に砕け散った。
「…………え?」
静まり返る広場。
自分の拳を見つめて固まるレン。そして、主力の一人を一撃で「物理消滅」させられたエリートたちの顔が、驚愕で引きつる。
「(いいぞ……。魔力がないからこそ、魔導障壁を貫通する純粋な暴力。ラウナ級のステータスを持つ『無能力者』の誕生だ)」
レイは影でほくそ笑みながら、さらに騒ぎを大きくすべく、他の生徒たちにも聞こえるような大声で叫んだ。
「すごいぞレン! お前、本当は最強だったんだな!!」
「ち、違う、今の俺はただ……うわあああ! 来るなあああ!!」
パニックに陥ったレンが、襲いかかる他の生徒たちを「軽く振り払う」たびに、大木がへし折れ、大地が陥没していく。

2026/02/15 14:02

ゆっくりると
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