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偽マスの消されたあとの物語。

#45

44話

「……は? バトロワ?」
地下室の湿った空気の中、レンとガラクタの山に囲まれていたレイ(ると)の耳に、学園全土へ響き渡るアルラウネの艶やかな声が届いた。
『親愛なる生徒の諸君。退屈な座学は終わりです。今から皆様には、魔導転移門(ゲート)を通じて無人島「デッド・ガーデン」へ飛んでいただきます』
校舎が微かに震え、足元に巨大な魔法陣が浮かび上がる。
『ルールは単純。最後の一組になるまで戦い抜きなさい。上位入賞者にはマスターからの聖遺物を、敗北者には……ふふ、私の庭の「肥料」になる権利を差し上げますわ』
「おい、冗談だろ!? 俺は魔力ゼロなんだぞ!」
レンが絶叫し、設計図をぶちまける。だが容赦なく光が溢れ、視界が真っ白に染まった。
次に目を開けたとき、レイの鼻を突いたのは潮風の香りと、むせ返るような森の腐臭だった。
周囲には切り立った岩場と巨大なシダ植物。レイの隣には、腰を抜かして震えているレンが一人。そして、空中には監視カメラ代わりの魔法の眼(アイ)が浮遊し、神界にいる「本体」や学園関係者にこの惨状を中継している。
「……あ、詰んだ。終わった。レイ、お前だけでも逃げろ。俺はここで植物の餌になる……」
レンが絶望に打ちひしがれる中、レイは冷静に『因果観測(トレース・アイ)』を発動した。
島全体に散らばった1200人の獲物たち。
遠くで早くもゼクスたちの炎が上がり、悲鳴が木霊する。
「……安心しろよ、レン。俺は『目が良い』んだ。敵が来ないルートくらいは見分けられるさ」
レイは内心で、アルラウネの「粋な計らい」に喝采を送っていた。
神の座から命じたバトロワを、自ら最弱の駒として体験する。これ以上の娯楽はない。
「(さて、ラウナやゼノもどこかに潜んでいるはずだ。……この無能力者の少年を使いながら、どうやって『奇跡的な生き残り』を演出してやろうか)」
レイは怯えるフリをしながら、レンの背中を叩いた。

2026/02/15 14:01

ゆっくりると
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