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偽マスの消されたあとの物語。

#44

43話

「……まさか、ここまでボロいとはな」
レイは指定された寮へと足を踏み入れた。そこはメイン校舎から離れた旧校舎の地下室。湿っぽい空気と、カビ臭さが鼻を突く、とても『至高の叡智学園』の名に相応しくない場所だった。
「マスターは俺に、とことん底辺を味わわせるつもりらしい……」
独りごちながら扉を開けると、そこには散乱したガラクタと武具のパーツに埋もれるようにして、一人の少年が座り込んでいた。
「ん? お前、新入りか? 最下位の落ちこぼれ枠の」
少年は、レイを一瞥すると、すぐに手元の錆びた剣へと視線を戻した。その手つきは職人のように滑らかで、迷いがない。
【ルームメイト:レン】
外見: ボサボサの髪に、眼鏡をかけた小柄な少年。いつも油にまみれている。
固有能力:『無能』(魔力測定値はゼロ。能力どころか、一般人以下の魔力)。
評価: 学園始まって以来の「完全な無能力者」。だが、武具に対する知識と解析能力は異常なほど高い。
「俺はレン。能力なしの『無』だ。……で、あんたは?」
「……レイ。目が良いだけの落ちこぼれだ」
「ふーん、よろしくな、レイ」
レンは特に動揺することもなく、またすぐに作業に戻った。レイは、そんなレンのステータスを『因果観測』で覗き見る。確かに魔力回路は完全に閉ざされている。だが、その頭脳には、ありとあらゆる武具の設計図と、理論だけの「神剣の鍛造理論」がぎっしりと詰まっていた。
(……面白い。この世界は『能力』が全てのはずだが、こいつは『知識』だけで世界を食い破ろうとしている。俺の記憶にある地球の科学者みたいだ)
レイは、レンの持つ「知識」こそが、いつか自分の創造した「能力社会」を揺るがすかもしれない『異物』だと直感した。
「おい、レン」
「なんだよ、レイ。邪魔するなら出てってくれ。この剣の焼き入れタイミングをミスりそうだ」
「……その知識、俺に教えてくれないか?」
レイは、レンの知識を『記録』し、いつか『再現』して自分のものにしようと画策する。

2026/02/15 13:59

ゆっくりると
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