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偽マスの消されたあとの物語。

#43

42話

「……ごめんなさい、怒らせるつもりじゃ……」
レイは顔を伏せ、怯えたように両手で頭を抱えた。その拍子に、指先から不可視の『因果の糸』を微かに弾く。
ゼクスの拳が、激しい炎を纏ってレイの顔面に叩きつけられる——はずだった。
「くらえ、ゴミめ! ……あ、あれ?」
シュン……。
間の抜けた音と共に、ゼクスの拳に宿っていたはずの猛烈な火力が、レイの鼻先数センチのところで霧散した。まるで最初から火などついていなかったかのように、ただの生温かい風が吹いただけである。
「……? もう一度だ!」
ゼクスは顔を赤くし、さらに魔力を注ぎ込む。しかし、いくら踏ん張っても、掌からは不発弾のような黒い煙がぷすぷすと上がるだけ。レイが『因果観測』の権能を使い、酸素の供給バランスと魔力の燃焼条件を、物理法則レベルで「ほんの少し」書き換えたからだ。
「あれぇ……? ゼクスさん、火、ついてませんよ……?」
レイはわざとらしく、不思議そうに首を傾げた。
「な、なんだこれは! 装置の故障か!? それとも……」
「プッ、あははは! なんだよゼクス、本物の力を見せてくれるんじゃなかったのか?」
「最下位相手に不発かよ。だっせー!」
周囲の生徒たちから、今度はゼクスに向けて嘲笑が飛ぶ。エリートとしてのプライドが高いゼクスにとって、これ以上の屈辱はない。
「く、くそっ……! 覚えてろよ、レイ!」
ゼクスは真っ赤な顔をして、取り巻きと共に逃げるように去っていった。
レイは砂を払いながら立ち上がる。その表情は相変わらず弱々しいが、伏せられた瞳の奥では、神としての愉悦が静かに燃えていた。
「(ふふ……いいね。こうして『偶然』を装ってエリートを失脚させる。神座で雷を落とすより、よっぽど手が込んでいて面白い)」
その時、遠くの校舎の屋上から、冷徹な銀の瞳がレイを射抜いていた。
聖騎士ミラだ。彼女はるとの正体を知っているが、その「悪趣味な演技」に呆れ果てたような、あるいは何かを試すような視線を送っている。

作者メッセージ

AI楽だわ。

2026/02/15 13:59

ゆっくりると
ID:≫ 15ZZhWW60Fvc2
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