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偽マスの消されたあとの物語。

#25

24話

「……さて、主役(勇者)に剣を与えたなら、次は脇を固める『仲間たち』が必要だな。一人きりの英雄譚なんて、今の時代流行らないし、何より効率が悪い」
るとは王宮の影に潜み、再び次元の門を微細に開く。
選別基準は明確だ。勇者の成長を妨げない程度の適度な実力、そして何より「キャラが立っていて、勇者が信じ込みやすい」存在であること。
るとは脳内のライブラリから、かつて見た数多の物語の「王道パーティ」の構成を抽出し、異世界から三人の魂を釣り上げた。
【戦士】カイル:大剣を背負った、熱血漢で猪突猛進な青年。
【魔法使い】リナ:少し生意気で理論派の魔導士の少女。
【聖職者】セシル:穏やかで献身的な、癒やしの力を持つ美青年。
彼らには、るとの権能で「この世界に元々住んでいた、あるいは別の場所から流れ着いた」という偽の記憶(レコード)を完璧に植え付けた。
「アイリス、出番だ。王都の広場で、魔物(俺の分身)に襲われている彼らを勇者に助けさせろ。……『運命の出会い』を演出するんだ」
王都の喧騒の中、突如として次元の裂け目から低級の魔獣たちが溢れ出す。逃げ惑う民衆。その中で、不慣れな連携で必死に戦う三人の姿があった。
「くそっ、こいつら、数が多いぞ!」
「リナ、落ち着いて! 詠唱を急いで!」
絶体絶命の瞬間、正義の刃を携えた勇者の少年が、るとに教え込まれた通りの「理想的なタイミング」で乱入する。
「そこまでだ! ――『正義の刃』!!」
一閃。勇者の放つ聖なる光が魔獣を霧散させる。
助けられた三人は、眩い光を背負った少年に、一瞬で心を奪われた。
「あ、ありがとうございます……! あなたは、もしや噂の勇者様……?」
「俺はカイル。こっちはリナとセシルだ。あんたの剣筋、痺れたぜ! よかったら、俺たちも旅に連れて行ってくれないか?」
物陰からその光景を眺めていたるとは、満足げに鼻を鳴らす。
「(……ククク、完璧なボーイ・ミーツ・ガール(&ボーイズ)だな。これで『正義』を信じる仲間が増えた。勇者の信念は加速し、正義の刃の出力もさらに上がる……)」
るとは、指先で彼らのステータスを密かに調整し、「勇者より少しだけ弱い」絶妙なバランスに固定した。
「さあ、勇者パーティの結成だ。……次は、こいつらに『最初の試練』を与えてやるとしようか」

2026/02/15 13:49

ゆっくりると
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