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偽マスの消されたあとの物語。

#23

22話

「いいか、少年。これが最後だ。お前のその『正義』が、本物かどうか……俺が試してやる」
るとは修練場の中心で、静かに右手をかざした。
脳内のライブラリから、これまでに盗み取った『勇者の全スキル』と、デザスターで得た『騎士副団長級の肉体情報』を抽出する。
『事象再現(リプレイ):鏡像の勇者(ミラー・エッジ)』
るとの影がドロリと立ち上がり、実体を持って分離した。
現れたのは、少年と全く同じ装備、全く同じ構え、そして全く同じ「勇者の聖気」を放つ、るとの分身。
「な……僕と、同じ……!?」
「驚くな。こいつはお前の写し鏡だ。お前が持つ技、癖、思考のパターン……そのすべてを完璧にトレースしている。こいつに勝てないようでは、魔王の足元にも及ばない」
ると(本体)は高みの見物と決め込み、壁際で腕を組んだ。
影の支配者たるもの、最前線で泥を啜る必要はない。自分のコピーと、育て上げたオリジナルを戦わせる。これほど贅沢な「データの収集」は他にない。
戦闘開始。
「はあああああッ!!」
少年が放つ『聖剣撃』。それに対し、分身のるとも全く同じタイミング、同じ角度で『聖剣撃』をぶつける。
光と光が衝突し、修練場の空間が激しく軋む。
「……甘いぞ、少年! 左への踏み込みが、コンマ数秒遅い!」
ると(本体)は、戦況を冷静に分析しながら、少年に的確な(そして絶望的な)アドバイスを送る。
分身は、本体の指示に従い、少年のわずかな隙を突いて容赦なく斬り込む。
自分の技を、自分以上の精度で叩き込まれる恐怖。
少年は血を流し、膝をつき、それでもなお「師匠に認められたい」という一心で、未知の力を絞り出そうとする。
「(……そうだ、もっと絞り出せ。お前だけの、まだ俺が記録(コピー)していない『土壇場の奇跡』をな……!)」
るとの瞳が、獲物を狙う猛禽のように鋭く光る。
少年が極限状態の中で『覚醒』し、新たな概念的奥義を放とうとしたその瞬間。

2026/02/15 13:48

ゆっくりると
ID:≫ 15ZZhWW60Fvc2
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