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偽マスの消されたあとの物語。

#22

21話

「おい、足が止まっているぞ。その程度で俺の作った……いや、世界を滅ぼす魔王に勝てると思っているのか?」
王宮の裏手に広がる、次元を歪めて作り出した特殊修練場。るとは黒いローブを深く被り、素性を隠した「謎の先代騎士」として、召喚された少年勇者の前に立っていた。
るとの身体能力は『騎士副団長級』に抑えてある。だが、その動きにはデザスターで培った無駄のない「殺しの技術」と、古今東西のアニメから抽出した「理想的な型」が組み込まれている。勇者の少年から見れば、それは到底届かない絶望的な高みだった。
「はぁ、はぁ……っ! 師匠、今の……今の剣筋はどうでしたか!?」
少年が必死に放った、異世界特有の「勇者スキル」による一閃。
まばゆい聖なる光が空を裂く。それは、この世界の理が生み出した、純粋無垢な正義の力。
「……フン、及第点だ」
るとは冷淡に答えるが、そのローブの下で、権能『完全記憶(レコード)』が猛烈な勢いで回転していた。
(……ほう、今の魔力の編み込み方、面白いな。聖属性の爆縮と、勇者特有の『必中』概念の複合か。——よし、『記録(レコード)』完了だ)
るとは少年の成長を促すようなアドバイスを口にしながら、その裏で少年の魂が磨き上げた「勇者だけの奥義」を、ごっそりと、そして完璧にコピーしていく。
「いいか、次はもっと意識を『根源』に集中させろ。こうだ——」
るとは、たった今盗んだばかりの勇者の技を、オリジナルよりも洗練された形でやってのける。
「す、すごい……! 師匠、今の僕の技を、もう自分のものに……!?」
目を輝かせる少年。あこがれの師匠に一歩でも近づこうと、彼はさらに自身の魂を削り、新たな力を開花させていく。それをるとが隣で、まるで熟した果実を収穫するかのように、悠々と奪い取っていく。
「(……必死に努力して編み出した奥義を、一瞬で盗まれるとも知らずにな。最高に効率的な育成計画だ)」
るとは、影からアイリスに目配せを送る。
彼女は「勇者様、無理をなさらないで……」と聖女の微笑みを浮かべながら、その瞳には「この悪魔……」というるとへの戦慄を宿していた。
【ラーニング済み新スキル】
勇者の聖剣撃(邪悪を断つ必中攻撃)
不屈の闘志(ダメージを受けるほど魔力が増大するパッシブ)

2026/02/15 13:47

ゆっくりると
ID:≫ 15ZZhWW60Fvc2
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