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偽マスの消されたあとの物語。

#21

20話

「……いや、待てよ。やっぱり俺が表舞台に立つのはガラじゃないな」
るとは、指先で弄んでいた魔王の仮面を弄りながら、ふと気が変わった。最強の敵を自ら倒す英雄譚など、あまりに真っ当すぎて面白くない。
「アイリス、予定変更だ。女王様(おまえ)にはもっと『劇的』な舞台を用意してやるよ」
るとは王宮の床に、デザスターで喰らった九頭龍の『時空間支配』と、創造神から与えられた『記憶・再現』を掛け合わせた、前代未聞の召喚儀式を描き出した。
「最強の敵(魔王)がいるなら、それに見合う『真なる勇者』が必要だ。……俺の記憶にある、最も『勇者』に相応しいお人好しを、別の世界から引っ張ってきてやる」
儀式が眩い光を放ち、次元の壁が無理やり抉じ開けられる。
現れたのは、現代の制服を着た、正義感だけは無駄に強そうな一人の少年だった。
「ここは……? 俺は確か、学校の帰りで……」
困惑する少年の前に、るとは影に身を潜めたまま、女王アイリスを背中から押し出した。
「さあ、女王陛下。震える声で頼むんだ。『魔王から世界を救ってください、勇者様』ってな。お前は悲劇のヒロインを演じ、このガキは正義の味方に酔いしれる。……最高に安っぽい物語の始まりだ」
るとは、少年の影の中に自身の『暴食』の一部を潜り込ませ、彼が成長するたびにその成果を吸い取れるよう「細工」を施した。
「俺は、お前たちを特等席(影)から眺めさせてもらうよ」
るとは完全なる影の支配者へと徹することに決めた。
魔王も、勇者も、女王も。すべてはるとの手の平の上で踊る駒に過ぎない。
【現在の状況】
勇者: るとによって異世界召喚された、何も知らない少年。
女王: るとに脅されながら「勇者を導く聖女王」を演じるアイリス。
魔王: るとが創造した、世界を滅ぼす「舞台装置」。
影: ると。すべての事象を『記録』し、美味しいところだけを『再現(喰らう)』する存在。

2026/02/15 13:47

ゆっくりると
ID:≫ 15ZZhWW60Fvc2
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