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偽マスの消されたあとの物語。

#18

17話

「お前、名前は?」
るとの冷徹な問いに、聖騎士団長だった少女は、震える唇を噛み締めながら答えた。「……アイリス、です」
「いい名前だ、アイリス。今日からお前は俺の専属ガイドだ。この国の案内をしてもらう。……もちろん、拒否権なんてものはないがな」
るとは、恐怖に腰を抜かした騎士たちを見向きもせず、アイリスの肩を抱き寄せた。彼の内側から漏れ出るフェニックスの神気と九頭龍の殺気が混ざり合った「覇気」が、彼女の逃走本能を完全に封じ込めていた。
「さあ、案内しろ。まずはこの国の『玉座』へな」
るとの目的は単純明快だった。騎士副団長級の身体能力と、神の権能を併せ持った今、ちまちまと出世の階段を登る必要などない。力で捩じ伏せ、国ごと奪い取る。
アイリスに案内され、るとは城郭都市の雑踏を悠然と進む。
道ゆく民衆は、豪華な鎧を纏った団長が、ボロボロの服を着た見知らぬ男に怯えながら付き従う異様な光景に静まり返った。
やがて、王宮の巨大な白亜の扉が目の前に現れる。
「ここは、由緒正しき光の王の居城……。外部の人間が、ましてやそんな不遜な態度で入ることは……」
アイリスが消え入りそうな声で諫めようとした瞬間、るとは右手を軽く振った。
『事象再現(リプレイ):空間切断』
重厚な魔導障壁が施されていたはずの王宮の扉が、バターのように滑らかに切り裂かれ、内側に崩れ落ちた。
「由緒? 歴史? そんなものは今日で終わりだ。……これからは俺が歴史だ」
騒ぎを聞きつけて集まる近衛騎士たちを、歩くたびに放出される『暴食』の波動だけで無力化しながら、るとは赤絨毯の上を真っ直ぐに突き進む。
その突き当たり、豪奢な装飾が施された『真の玉座』には、老いた王が困惑と恐怖の表情で座っていた。

2026/02/15 13:45

ゆっくりると
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