文字サイズ変更

落ちるまでの時間

#1

金星

《180日12時間00分00秒》
私の部屋にあるタイマー時計が丁度きれいな数字を示した。あと一年。それは、隕石がこの地球に落ちてくるまでの時間。
===========================================
〈2045年8月〉
私の名前は星澄れい。大学院1年生。機械の開発に関わっている。誕生日は2023年2月26日で、さっき言った隕石が発見された日と同じ。それが発見された時は、地球に落ちてくる確率は極めて低い、と言われて、衝突する可能性は無いとされていたけど、その時に計算した軌道が少しだけ違うと分かったのは数年前のこと。

「…どうしたんだ、なんかブツブツ言って」歴史好きな文系なのに、完全理系の私に着いてきた私の幼馴染、星宮リョウが話しかけてきた。
ここは大学の研究室だけど、今は、私とリョウしかいない。
「想像上の民衆に話しかけてるの」
「…民衆て」 リョウは呆れて、またパソコンのキーボードを叩き始める。きれいな指だな…ていうか私、全然集中できてないじゃん…流石にぼーっとしすぎていたので、眼鏡をかけ直してパソコンのモニターを見つめる。そこに写っているのは、3Dモデル。さっき言った、隕石の周期を完全に変える装置。その奥に続いている無限の黒い空間に、私の顔が反射して映る。
ボサボサした髪に、だらしない眼鏡。誰がこんな私を好きになってくれるのだろうか。

…リョウ以外に。あいつが私に好意を抱いているのは、私お手製の、考え読み取り機を使えば簡単にわかる。

……私が作ってる装置の話に戻ろうか。2020年代には、もう隕石を移動させることができる物が開発されていたらしい。けど、それだと打ち上げに時間がかかるし、威力が弱い可能性が高い。ミサイルを打っても準備まで時間を要するし。だから研究者たちは新しい機械を作り始めたんだけど…人類の技術能力は限界まで近くなっていて、人間の極々一部の人しか今までの技術を超えるものを作れる人が居ない、と言われている。…本当かは知らないけど。もっといる気もするんだけどね…
でも、だから、昔に生まれたなら「天才」と呼ばれたであろう人は普通の人になっていった。

私は0.01%の人たちのひとり。昔から算数と理科が飛び抜けてうまくて、何回か飛び級しかけたりもした。…けど、私は人の考えを感じ取ることがすごく苦手。何を考えてるかわからないから、クラスメイトの人と喧嘩することが多かった。何かを説明されても、その説明を理解できない。でも、何かわからなくてもリョウが教えてくれたら理解できる。説明の天才だと思う。いつも私の側についていてくれるし、優しい。面白い。

そして、私のことを普通の人として見てくれている。


……え?私、リョウのこと好きなのって? …そ……そんなわけないでしょ…うん……


[斜体]《金星- 日が沈んだ後、西の空に見える一番星。》
[/斜体]

作者メッセージ

書くの初めてですが、よろしくお願いします。

2025/03/22 10:09

こなゆき
ID:≫ 51f4cmTsSmQiA
コメント

この小説につけられたタグ

恋愛SFオリジナル

通報フォーム

お名前
(任意)
Mailアドレス
(任意)

※入力した場合は確認メールが自動返信されます
違反の種類 ※必須 ※ご自分の小説の削除依頼はできません。
違反内容、削除を依頼したい理由など※必須

盗作されたと思われる作品のタイトル

どういった部分が元作品と類似しているかを具体的に記入して下さい。

※できるだけ具体的に記入してください。

《記入例》
・3ページ目の『~~』という箇所に、禁止されているグロ描写が含まれていました
・「〇〇」という作品の盗作と思われます。登場人物の名前を変えているだけで●●というストーリーや××という設定が同じ
…等

備考欄
※伝言などありましたらこちらへ記入
メールフォーム規約」に同意して送信しますか?※必須
タイトル
URL

この小説の著作権はこなゆきさんに帰属します

TOP