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【参加型】魔法少女の黙示録

#6

5_魔法都市

次の日の朝、自分が住んでいる『[漢字]時雨[/漢字][ふりがな]しぐれ[/ふりがな]市』から何駅も駅遠い『[漢字]瀟酒[/漢字][ふりがな]しょうしゃく[/ふりがな]市』に赴いた。時雨市よりも都会で、ビルが何軒も立ち並んでいる。しかし、待ち合わせは公園という瀟酒市の雰囲気とはかけ離れた場所だった。
「おーい、こっちこっち!」
公園では高校生くらいの少女がベンチに座っており、自分の姿を捉えると大きく手を振った。
彼女の紺色の髪は、腰まで届くほど長い。当然といっちゃあ当然だが、見慣れないブレザーの制服を着用していた。全体的に凛とした印象が与えられる。彼女の、真霊の昨日の姿────魔法少女マイカの時の容姿とは乖離しているが、空を写したかのような瞳は変わっていなかった。とはいえ雰囲気が大きく違うため一瞬誰かわからなず、一テンポ遅れて手を振りかえした。
「お待たせ。待った?」
「大丈夫、今来たとこ」
お約束ともいえるやりとりを済ませると、真霊の隣に腰掛ける。
「そういえば、魔法都市ってどこなの?カノンから何も聞かされてないんだけど…。」
「ああ、カノンねえ。優秀なのは間違いなんだけど、抜けてるところがあるから…」
私も新人の時は振り回されたよ、と頬を掻きながら苦笑する真霊。仲間がここにっ!と感激で手を握りめたくなるが、流石に昨日会ったばかりの距離感ではないため自重する。
「魔法都市はここだよ」
「え、この公園がってこと?」
「ううん、魔法都市はね────瀟酒市全体なんだ。」
驚きでえっ、と声を上げる。この市は魔法少女たちが運営していた…?
「ああ、勘違いしないで。現実世界の瀟酒市じゃなくて、仮想世界の瀟酒市が魔法都市なんだ。」
すとんと腑に落ちた。なるほど、仮想世界ならすぐにルインに対応できるし、魔法都市としてはこれ以上の相応しい場所はないのかもしれない。
「じゃあ行こっか───『[漢字]転送[/漢字][ふりがな]トランス[/ふりがな]』」


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「わ、ああ……っ」
目を開くと、赤煉瓦を基調とした、西洋風の建物が連なる街並みが広がっていた。まるで異世界みたいだ。魔法少女らしき服装をした少女たちがたくさん歩いている。少しばかり眺めていると、元々の瀟酒町の建物と同じような高さだと分かった。
「どう?だいぶ印象違うでしょ。私も半年前、初めて来た時はびっくりしたなあ…。魔法局の偉い人が魔法で作り変えたらしいよ────あくまで噂だけど」
「魔法って、こんなこともできるの…」
「ま、これは固有魔法だから私たちにはできないけどね」
固有魔法。確か『星屑を散りばめて』みたいな魔法なんだっけ────ん?
「わざわざそう言うってことは、他の魔法もあるの?」
「ご明察。魔法は固有魔法と別に一般魔法があるの。例えば『[漢字]光線[/漢字][ふりがな]レーザー[/ふりがな]』」
「あ、それなら使ったわ!」
知っているワードが出てきて、手を合わせる。
「『[漢字]光線[/漢字][ふりがな]レーザー[/ふりがな]』は自分の魔力をそのまま飛ばす魔法。逆に『[漢字]防御[/漢字][ふりがな]ガード[/ふりがな]』は魔法を周りに固めて攻撃を防御する魔法だよ。これらは固有魔法と使って、練習すれば誰でも使えるようになる魔法なの」
「へええ…。だったら固有魔法は、その人にしか使えない魔法ってこと?高度な建築魔法は固有魔法だから、あたしたちにはできない…と」
「うん、そういうことだね」
飲み込みが早い!と千煌はピースサインを出した。その後、あっと声をあげて提案をする。
「いいこと考えちゃった。千煌!魔法局に行くんだよね?だったら任務に挑戦してみたら?」
任務ってのは見た方が早いから!と真霊は自分の手を引いて走り出していった。


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「じゃっじゃーん!これが魔法局です」
町並みの中でも一際高い西洋風の建物の中に入ると、おどけた感じの台詞を喋る。その後正気に戻ったのか「[小文字]あは、受験間際の高3がこんなことやって恥ずかしくないのかな…[/小文字]」と自虐気味に呟いた。
魔法局の内装は色々なものが浮いていて(人や精霊も含まれる)これぞ魔法、という感じのつくりだった。物理学者がここにいたら気を失って倒れてしまうかもしれない。
「アリアちゃん、掲示板まで連れてって!」
「了解リア!・・・『[漢字]転送[/漢字][ふりがな]トランス[/ふりがな]』」
魔法局の職員と思われる精霊は、真霊に呼びかけられると『[漢字]転送[/漢字][ふりがな]トランス[/ふりがな]』と一般魔法を呟く。すると景色が変わっていき、気がついた時には大きい掲示板が一面に貼ってある部屋に辿り着いた。
「セキュリティの為なのか、この部屋から出るとこの部屋の記憶が曖昧になっちゃう魔法がかけられてるんだよねえ。『[漢字]転送[/漢字][ふりがな]トランス[/ふりがな]』は行きたい場所を想像しなきゃいけないから。いちいち精霊に声かけないといけないから面倒っちゃ面倒…。」
掲示板に近づきながら真霊はそう補足した。魔法はセキュリティ対策にも使えるのかと感心し、
「魔法って何かと万能ですね…」と呟いた。
掲示板にはハガキほどのサイズの紙が沢山貼ってあった。一つの紙を凝視してみる。

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[中央寄せ]⌇依頼⌇[/中央寄せ]
[中央寄せ]内容:ルイン討伐[/中央寄せ]
[中央寄せ]ランク:Cランク[/中央寄せ]
[中央寄せ]場所:〇〇県✖︎✖︎市△△町□□公園[/中央寄せ]
[中央寄せ]報酬:700ルーン[/中央寄せ]

[中央寄せ]────────────────────[/中央寄せ]

「大体、近くにいる魔法少女がルインを倒すんだけど、その近くに誰もいなかったり、魔法少女よりルインの方が強い場合があるんだよね。」
そういう時には魔法局が報酬を出して、他の魔法少女が派遣されるんだよ、と説明する。
「魔法少女は魔法っていう特権を与えられる代わりに近くのルインを倒す義務がある。その点依頼は義務じゃないんだけど、戦闘ってのは経験が重視される側面があるからやっといて損はないと思うよ。」
試しに今からどれかやってみたら?と言われたので、じゃあ…と先程見つけた依頼の紙を指差す。
「「これ」」
自分の声と誰かの声が重なる。隣を見ると、大学生くらいの黒いショートの女性が立っていた。彼女も自分を見て目を丸くしている。暫くの沈黙の後、「あのさ」と彼女が口を開いた。
「私は魔法少女リーサル。[漢字]長塚[/漢字][ふりがな]ながつか[/ふりがな] [漢字]伊織[/漢字][ふりがな]いおり[/ふりがな]」
女性────伊織は名乗ったあと、愉快そうな笑顔を浮かべて意外な提案をした。
「よかったら一緒に任務しない?」

作者メッセージ

解説回。…長い!

2024/09/08 21:15

白戯 幽
ID:≫ 9enyjlpNTQ86Y
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