「魔法少女ペタル」
自分と同じくらいか、少し年上くらいの少女はそう名乗った。怒涛の展開に脳が追いつかず、暫くぼうっと彼女を見つめていたが、はっとして話しかける。
「あ、ありがとうございます。えっと、『ペタル』」
「私、鬼城楓華。楓華でいいよ。宜しく」
そう言うと、楓華は座り込んでいる自分に右手を差し出す。
「ん、ありがと」
自分はその手をしっかりと握って立ち上がった。横を向くと、急いで駆け寄ってくるカノンが見えた。
「千煌っ、大丈夫ノン!?怪我は…」
「だいじょーぶっ。この人のおかげでこの通り元気だよ」
むん、と腕に力を込めながら(無論、筋肉なんてものはついてないけど)明るく応える。隣の『この人』はというと、一仕事が終わって背伸びを一回すると、
「『[漢字]解除[/漢字][ふりがな]アンロック[/ふりがな]』」
と呟く。すると自分が変身したときのように楓華が光に包まれる。眩しくて目を瞑ってしまうと、再び目を開いた時には元の姿(見ていないから推測だが)に戻っていた。楓華に習って自分も『[漢字]解除[/漢字][ふりがな]アンロック[/ふりがな]』と言うと、光に包まれ、気づいたら元の格好───ピンク色の可愛いパジャマに、戻っていた。
([大文字]う、うわああああ!!??[/大文字]よくよく考えたら、あたし寝起きだからパジャマじゃん!?)
初戦闘に興奮して、格好について失念していた。俯いて赤面する自分を見兼ねたのか、楓華が口を開いた。
「見ない顔だね、新人?」
「………ああ、うん。今日初めて」
「初めて?すごいね、もう固有魔法を使えてる」
「ボクが見定めたコなんだから当然ノン!」
「いやいや、なにカノンが威張ってるの」
「固有魔法…?えっと、『[漢字]星屑を散りばめて[/漢字][ふりがな]スターダストスピリット[/ふりがな]』のこと?あれは頭に浮かんだことを口に出してみただけ…」
恥ずかしさを忘れようとしているからか早口で説明していると、パジャマなんざより大変なことに気づいて声を止める。
(…と、いうかあの魔法はだいぶ広範囲だったから街に被害が出てるんじゃ……。)
恐る恐る辺りを見渡すと、先程ルインがいた違うの住居数件の屋根が崩壊しており、瓦礫が散乱していた。
「ね、ねえっ…壊した住居ってどうしたら……」
青ざめた自分を見て、一人と一匹?は笑い出した。
「ふふっ、ここは仮想世界だから大丈夫だよ」
「仮想世界?」
昨日から情報量が多すぎてパンクしそうだ。その元凶ともいえるカノンが私の疑問に答えた。
「概念世界───ルインが蔓延る世界と、人間が暮らしている現実世界の狭間ノン。」
「造形は現実世界と一緒だから、別世界線って感じの認識でいいよ」
楓華がカノンの説明を補足する。
「えっと…ルインは概念世界?にいるはずなんですよね。だったらなんで[漢字]仮想世界[/漢字][ふりがな]ここ[/ふりがな]に…」
「どこかしらの歪みを破ってくるの。もう一回破られたら現実世界に影響を及ぼすから、仮想世界に来た時点で[漢字]魔法少女[/漢字][ふりがな]わたしたち[/ふりがな]が倒すって感じ」
「なるほど、色々とありがとう」
「ううん。これでも二年先輩だからね」
「あのさ、楓華はなんであたしを助けてくれたの?」
純粋な疑問だった。見ず知らずの自分を助けてくれたことは勿論感謝で一杯だが、疑問も湧いてくるのは必然だろう。楓華はん〜っとね、と難しい問いにも答えてくれた。
「貴方は私より、よっぽど生きるのに相応しいからさ」
背筋が凍るような、目が笑っていないような笑みを浮かべる。ぞくりとして、なにか言ったほうがいいのかと悶々としていると、楓華はあっ、と何かを思い出したような声をあげた。
「ごめん、もうそろそろ行かなきゃ。またね」
少し早口でそう言うと、『[漢字]転送[/漢字][ふりがな]トランス[/ふりがな]』と口に出して、楓華の姿は仮想世界から消えていった。
(なんだったんだろう、あの笑顔…まあいっか。それより、なんか急いでる感じだったな。あたしと歳近そうだし学校────あ。)
そこで重大なことを思い出す。今は平日の朝。祝日でもないから、中学に通う千煌は、勿論学校がある。
[中央寄せ][太字]イマ、ナンジダ?[/太字][/中央寄せ]
「あの、カノン。どうやって帰るの?」
口角をぴくりとさせながら尋ねる。
「んー?それは帰りたい場所を思い浮かべて『[漢字]転送[/漢字][ふりがな]トランス[/ふりがな]』っていえば────」
[大文字]「『[漢字]転送[/漢字][ふりがな]トランス[/ふりがな]』ゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!!!!」[/大文字]
そうしてあたしはルインと戦った時よりも大きい、今日一番の大声を上げるのだった。
自分と同じくらいか、少し年上くらいの少女はそう名乗った。怒涛の展開に脳が追いつかず、暫くぼうっと彼女を見つめていたが、はっとして話しかける。
「あ、ありがとうございます。えっと、『ペタル』」
「私、鬼城楓華。楓華でいいよ。宜しく」
そう言うと、楓華は座り込んでいる自分に右手を差し出す。
「ん、ありがと」
自分はその手をしっかりと握って立ち上がった。横を向くと、急いで駆け寄ってくるカノンが見えた。
「千煌っ、大丈夫ノン!?怪我は…」
「だいじょーぶっ。この人のおかげでこの通り元気だよ」
むん、と腕に力を込めながら(無論、筋肉なんてものはついてないけど)明るく応える。隣の『この人』はというと、一仕事が終わって背伸びを一回すると、
「『[漢字]解除[/漢字][ふりがな]アンロック[/ふりがな]』」
と呟く。すると自分が変身したときのように楓華が光に包まれる。眩しくて目を瞑ってしまうと、再び目を開いた時には元の姿(見ていないから推測だが)に戻っていた。楓華に習って自分も『[漢字]解除[/漢字][ふりがな]アンロック[/ふりがな]』と言うと、光に包まれ、気づいたら元の格好───ピンク色の可愛いパジャマに、戻っていた。
([大文字]う、うわああああ!!??[/大文字]よくよく考えたら、あたし寝起きだからパジャマじゃん!?)
初戦闘に興奮して、格好について失念していた。俯いて赤面する自分を見兼ねたのか、楓華が口を開いた。
「見ない顔だね、新人?」
「………ああ、うん。今日初めて」
「初めて?すごいね、もう固有魔法を使えてる」
「ボクが見定めたコなんだから当然ノン!」
「いやいや、なにカノンが威張ってるの」
「固有魔法…?えっと、『[漢字]星屑を散りばめて[/漢字][ふりがな]スターダストスピリット[/ふりがな]』のこと?あれは頭に浮かんだことを口に出してみただけ…」
恥ずかしさを忘れようとしているからか早口で説明していると、パジャマなんざより大変なことに気づいて声を止める。
(…と、いうかあの魔法はだいぶ広範囲だったから街に被害が出てるんじゃ……。)
恐る恐る辺りを見渡すと、先程ルインがいた違うの住居数件の屋根が崩壊しており、瓦礫が散乱していた。
「ね、ねえっ…壊した住居ってどうしたら……」
青ざめた自分を見て、一人と一匹?は笑い出した。
「ふふっ、ここは仮想世界だから大丈夫だよ」
「仮想世界?」
昨日から情報量が多すぎてパンクしそうだ。その元凶ともいえるカノンが私の疑問に答えた。
「概念世界───ルインが蔓延る世界と、人間が暮らしている現実世界の狭間ノン。」
「造形は現実世界と一緒だから、別世界線って感じの認識でいいよ」
楓華がカノンの説明を補足する。
「えっと…ルインは概念世界?にいるはずなんですよね。だったらなんで[漢字]仮想世界[/漢字][ふりがな]ここ[/ふりがな]に…」
「どこかしらの歪みを破ってくるの。もう一回破られたら現実世界に影響を及ぼすから、仮想世界に来た時点で[漢字]魔法少女[/漢字][ふりがな]わたしたち[/ふりがな]が倒すって感じ」
「なるほど、色々とありがとう」
「ううん。これでも二年先輩だからね」
「あのさ、楓華はなんであたしを助けてくれたの?」
純粋な疑問だった。見ず知らずの自分を助けてくれたことは勿論感謝で一杯だが、疑問も湧いてくるのは必然だろう。楓華はん〜っとね、と難しい問いにも答えてくれた。
「貴方は私より、よっぽど生きるのに相応しいからさ」
背筋が凍るような、目が笑っていないような笑みを浮かべる。ぞくりとして、なにか言ったほうがいいのかと悶々としていると、楓華はあっ、と何かを思い出したような声をあげた。
「ごめん、もうそろそろ行かなきゃ。またね」
少し早口でそう言うと、『[漢字]転送[/漢字][ふりがな]トランス[/ふりがな]』と口に出して、楓華の姿は仮想世界から消えていった。
(なんだったんだろう、あの笑顔…まあいっか。それより、なんか急いでる感じだったな。あたしと歳近そうだし学校────あ。)
そこで重大なことを思い出す。今は平日の朝。祝日でもないから、中学に通う千煌は、勿論学校がある。
[中央寄せ][太字]イマ、ナンジダ?[/太字][/中央寄せ]
「あの、カノン。どうやって帰るの?」
口角をぴくりとさせながら尋ねる。
「んー?それは帰りたい場所を思い浮かべて『[漢字]転送[/漢字][ふりがな]トランス[/ふりがな]』っていえば────」
[大文字]「『[漢字]転送[/漢字][ふりがな]トランス[/ふりがな]』ゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!!!!」[/大文字]
そうしてあたしはルインと戦った時よりも大きい、今日一番の大声を上げるのだった。